アクアリウム

なぜ水槽にコケが生えるの?大量発生の原因から考える対策法

水草水槽はコケとの戦いと言っても過言ではありません。

ねこさん
ねこさん
水草水槽を立ち上げたら水槽がコケまみれになっちゃったよ!もう限界だ‼

イヌくん
イヌくん
コケ対策にはちょっとしたコツがあるんだよ!立ち上げ直後の今が一番難しいんだ!いくつかのテクニックを教えてあげるから頑張ろう‼

ねこさん
ねこさん
最初からこんなに問題だらけでこの先続けられるかなぁー?

イヌくん
イヌくん
大丈夫!今を乗り切ればその後は簡単だよ!

ほとんどの方が綺麗な水景に憧れて癒しを求めて水草水槽を始めたはずなのに、いつの間にか水草は枯れて醜いコケがびっしりと生えてしまう。そんな失敗が繰り返され挫折してアクアリウムを止めてしまう方は多いです。

コケの大発生は水草水槽では誰しもが必ず通る道ですが、実はちょっとしたコツと少しの知識をあればコケは簡単に攻略出来るんですよ!

水草水槽を始めてコケまみれになって一度挫折した方もこの記事を読めばなぜ失敗したかわかると思います。

この記事で分かる事
  • なぜ水槽にコケが生えてしまうのか?その原因について
  • 大量発生の原因から考えるコケ対策
  • コケに悩まされない水草水槽の作り方

【原因】何で!?水槽にコケが生えてしまうの?

結論から言うと水槽からコケを完全に無くす事は出来ません

コケは水草と似たような条件(光と窒素リン等の栄養素)で育ち、しかも空気中や水道水から勝手に水槽に進入して来るんです

なのできれいな水景を作りたいなら、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉があるように、まずはコケについて知ることから始めていきましょう!

コケが生える主な2つの原因
  1. 水質悪化による富栄養化
  2. 光量が過剰

水槽に繁殖するコケの種類によってこの条件に多少違いはありますが、上記の2つが共通する原因です。

①水質悪化による富栄養化

水槽内にコケが生える原因の1つに、「水質悪化による富栄養化(ふえいようか)」があります。

  • バクテリアの繁殖不足
  • 魚の入れすぎ
  • エサの与えすぎ

が主な要因で、あれもこれもとたくさんの魚を入れてしまった結果、水が汚れコケの生えやすい条件が整ってしまうのです。

富栄養化とは、「海・湖沼・河川などの水域が、貧栄養状態から富栄養状態へと移行する現象」のことを言うのですが、
アクアリウムでは水草やバクテリアなどで処理しきれないほど栄養が過剰になっている状態のことを指します。

魚を入れた分だけ、排泄物やエサの残りカスが水槽内に残りますが、

通常、フィルター(ろ過機)を設置していれば、

  1. 大まかな汚れを取り除く「物理濾過」
  2. バクテリアによる「生物濾過」
  3. 水のにおいや流木のアクを取り除く「科学濾過」

という3つの工程を経て水槽内の水を清浄化してくれます。

しかし、フィルターの3つの濾過で処理しきれないほどの栄養(汚れ)がたまってしまうと、その養分を使いコケ類や藻類が繁殖するため、水槽がコケまみれになってしまうのです。

②光量の過剰

水槽に設置する照明の役割とは、

  1. 鑑賞のため
  2. 生体のための昼と夜をつくるため
  3. 水草の成長に必要なため

と主に3つの目的があります。

しかし、日ごろから照明をつけっぱなしでいたり消し忘れがあると、光量が過剰となってしまいます。

一般的に水草の成長には、8時間~10時間くらいの照明点灯が理想的と言われています。ですが12時間以上照射したり、直射日光の当たる場所に水槽を置いていると、コケが蔓延する原因の一つに。

最近では水草の成長を促す研究が進み、水草には「強く短い光」、コケには「長く弱い光」が成長を助けることがわかってきています。

【考察】コケの原因から対策を考えよう!

コケの生える原因に共通することは、先ほど説明した「水質悪化による富栄養化」と「光量の過剰」の2つです。

この2つの原因があることで、コケが元気に生えやすい条件が整ってしまう結果、水槽がコケまみれに!

ですので、いくら水槽のコケを小手先の技(スポンジでこする、薬品で取り除くなど)で対処していってもイタチごっこにしかなりません。根本の原因を対策するために、荒療治にはなりますが水槽の環境から変えていく必要があります。

こうしないと、コケはいつまでたっても減りませんし、水槽内の生体や水草はどんどん死んでしまう可能性もあります。

【対策】実際にこれ以上コケを生やさないようにするには?

コケの生えやすい条件(栄養の過多、光量過剰)を水槽からなくすためには以下の2ステップで対策をしていく必要があります。

  1. 装備を見直し充実させる。
  2. たくさんの元気で丈夫な水草を植える

イヌくん
イヌくん
確実にコケの少ない環境にするために、一つ一つ確認していこう!

①装備を見直し充実させる

水槽をコケが覆ってしまう悩みでお困りなら、装備・アイテムを見直したり充実させることも考える必要があります。

というのも、

コケが繁殖する原因に「水質の悪化」、「光量の過剰」があり、フィルターやライト1つ変えるだけでコケの繁殖を抑える効果が出ることもあるためです。

アクアリウム初心者の方に多いのが、長く続くかわからないからと予算を抑えて装備をそろえたことでコケに悩まされ、後々コケ用対策用品に無駄なお金を使ってしまう。というあるあるな展開です。

失敗のサイクル(買う→植える→コケる→枯れる)は精神的にもよくはありません。

良いアイテム・装備は、足りない知識やテクニックを補ってくれるので初心者の人こそ初めからある程度性能のいいものを使うことが、長く楽しくアクアリウムを続けるコツといえるでしょう。

イヌくん
イヌくん
この記事でも水草水槽の設備について紹介しているよ!
もう失敗しない!水草レイアウト水槽を成功させる設備とは? そう思いっているアクアリウム初心者の方は多いと思います。 ですが実際、アクアリウムは水槽をセットした直後が一番難しいだけで...

装備・アイテムの参考例

アクアリウムを長く楽しもうというのであれば、取り敢えずの装備(貧弱な濾過装置やCO2無添加・照度の低い照明)ではなく、ここで取り上げるような装備を参考にしてみてください。

装備の一例

60cm規格水槽の場合

  • エーハイム2213クラスのフィルター
  • 水草育成用LED照明
  • CO2添加装置

フィルター

決してこのフィルターじゃなければダメという事では有りませんが、外部密閉式濾過器はCO2を逃がしにくい構造であるため、外部フィルターであることはマストです。

というのも、CO2(二酸化炭素)が添加された水は揺らしたりすると、炭酸飲料のように簡単に炭酸が抜けてしまうのです。なので、CO2を発散させにくいフィルターが必要となってくるのですが、

それに適したフィルターは外部フィルター以外にほとんどないのが現状です。

フィルターという道具は頻繁に買い替える道具ではないので、初めから適したものを選びたいところです。その点、この「エーハイム2213」というフィルターは歴史も長く、世界中のアクアリストが使っていると言っても過言ではないほどの大定番で、とても信頼できるフィルターの一つです。

アクアリウムにおける You must buy(必ず買うべき)のフィルターといっていいでしょう。また、仮に故障してもパーツがどこのアクアショップだろうと手に入るという点でも優れているフィルターです。

照明

光には波長というもがあります。

人間の目に見えるのは一部の波長青~黄色(大体550nm~560nm辺りのスペクトルを一番強く感じるようです)のみですが、最近の植物育成用LED照明の研究も進んでいて、植物の成長に重要な赤や青の波長を強くするなどの工夫をされた商品が増えてきています。

そもそも照明とは鑑賞の目的以外に「水草の育成」という大きな目的をもって設置するものです。

水草は、どうしても溜まってしまう「硝酸塩」というアンモニアを無毒化したものを吸収し水をきれいにしてくれる他、生体の呼吸に欠かせない酸素を出したり、魚のやエビなどの隠れ家にもなるため、水槽に欠かせません。

青々としたきれいな水槽を育てるのであれば、水草の成長に合わせた光の波長を発する照明を設置する必要があります。

コケが好む波長は「緑色~黄色と橙色」のスペクトルと言われています。

ここで紹介している照明も青と赤の波長を強くしているのが特徴で、水草がコケに負けず成長してくれることでしょう。

また24時間自動調光タイマーもついているので自分の手でon/offする必要もないことも優れた点ですね。

CO₂添加装置

水草を元気に光合成させるためには「光・栄養・二酸化炭素」どれも欠かせません。

CO₂を添加することは、光合成で水草の成長を促す以外にも、水を「弱酸性にする」という重要な役割があります。

水に二酸化炭素CO₂を添加すると、

  1. 炭酸( H2CO3 )
  2. 重炭酸イオン(HCO3
  3. 炭酸イオン(CO32

の3つの状態になり、pHによってそのバランスが変わってきます。

この3つのうち、アクアリウムにかかわってくるのが炭酸と重炭酸イオンです。

多くの生物は「炭酸脱水素酵素」を持っているため、炭酸からH₂Oを除きCO₂とすることができ、水草はこのCO₂を利用し光合成をおこなうのです。

一方、アクアリウムで問題となる「コケ」はシアノバクテリアという藻類で、水草とは違い、重炭酸イオン(HCO3)の状態で光合成をするのが得意です。

なので、水槽の水に重炭酸イオン(HCO3)が少なく、炭酸(H₂CO₃)が多い状態「弱酸性」にすることができればコケが繁殖することが避けられるのです。

そのためにCO₂を添加することは、水草の光合成を助けると同時に、コケの利用できる重炭酸イオン(HCO3)を減らす弱酸性環境にする効果があるのです。

光合成の3要素に加えて水質を弱酸性にすれば水草は元気に成長して、その過程で水中の栄養分を十分に使ってくれるのでコケにまわる栄養が少なくなり、結果、水槽でコケが生えにくくなることでしょう。

②たくさんの元気で丈夫な水草を植える

水草が元気な環境はコケにとって繁殖しにくい環境であるため、水槽がコケでおおわれないためには、元気で丈夫な水草を植えることも必要です。水草があると、水槽内の生体(魚)が出す排泄物中の養分を吸収するため水質は安定しコケに回る栄養も少なくなります。

イヌくん
イヌくん
ここでは2つのステップがあるから、順に説明していくね
  • ステップ1(バクテリアを繁殖させる)
  • ステップ2(コケに負けない水草をたくさん植える)

ステップ1(バクテリアを繁殖させよう)

初めに、底床(ていしょう)に根張りと余分な栄養素の吸収が良い丈夫な有茎草を大量に植え込み、土壌バクテリアが繁殖しやすいようにしましょう。

この時、新しい底床でもよく育つハイグロフィラなどを使い、水草の根っこを通して低床のバクテリアまで酸素を送れるようにします。この場合に使う水草を「パイロットプランツ」と呼びます。

パイロットプランツを植えることで新しい底床でも土壌バクテリアが繁殖しやすくなり余分な肥料分を水草が速やかに吸収できる形に分解したりしてくれるようになります。

この段階では濾過を早く完成させる事と底床のバクテリアが良く繁殖することだけを優先して多少の苔の発生は目をつむって下さい。また、この時点では本命の高価な水草などは入れず、土壌バクテリアが増えて環境が整ってからのお楽しみに取っておきましょう。

水草の元気が無くても肥料は不要です。魚に餌を与えるだけでも水草の肥料になりますし、この時期は水槽の環境が全く出来上がっていないので、水草が育たなくて当然です。またコケや油膜・白濁が発生する事もあるでしょう。

パイロットプランツを植えてから1~2ヶ月経過した段階で、濾過が出来上がったかどうかを必ずチェックします。チェックポイントとしては、水換えを行ってから1週間経過しても亜硝酸濃度が安全な値を示しているかどうかです。

ここまでの手順通りこなしていれば最初に植えたハイグロフィラ等は水面まで伸びきって相当汚く見えることでしょう。

ですが、同時に濾過バクテリアと土壌バクテリアはある程度繁殖してくれているはずです。

クラゲ先生
クラゲ先生
チョットここで捕捉しましょう
なぜバクテリアがコケ対策に重要なのか?

富栄養化した水のほとんどは、魚の排泄物やエサの有機物が分解されて生じる窒素化合物(アンモニア)が豊富で、コケ(藻類)はこれを栄養にしています。

しかも水草が硝酸態窒素(NO₃)の形でしか窒素を利用することしかできないにも関わらず、藻類(コケ)は水草が利用できないアンモニア態窒素(NH₄)でも亜硝酸態窒素(NO₂)でも硝酸態窒素(NO₃)でもどんな形でも利用することができてしまうのです。

そのため条件がそろうとコケは爆発的に繁殖してしまうのですが、この問題を解決する鍵が土壌バクテリアである硝化細菌にあります。

このバクテリアが窒素化合物を硝酸態窒素(NO₃に処理することで水草が利用できる栄養を増やすことができます。

しかし、バクテリアが十分に増えていない水槽では、変換できる硝酸態窒素(NO₃)が少ないので、水草がうまく吸収・成長できずコケが大繁殖するのです。。

ステップ2(コケに負けない水草をたくさん入れよう)

イヌくん
イヌくん
既に立ち上げた水草水槽がコケまみれでお困りの方はここから対策を始めても大丈夫ですよ!あきらめないで頑張りましょう!
装備がそろっていないまま作業を進めてしまうと結局失敗を繰り返すだけになってしまうので、十分に道具を準備してから行って下さい。

まずはガラス面や水槽内の器具に固着したコケを落とすために、使い古した歯ブラシや水槽用のスクレーパーでこすりましょう。

ガラス製品の水温計やCO₂の拡散器は漂白剤を使えばキレイにすることもできますが、少しでも漂白剤のが残っているとバクテリアは死滅してしまうので念入りにすすいで下さい。

またゴムやシリコン等の部位に使うと表面が痛んで機能を失うことがあるので注意です!

植えていたパイロットプランツは一旦水槽から全て抜きましょう。
キレイな状態であれば、後でもう一度植え直すこともできますが、その場合はコケが付いた葉や古い葉・茎などは全てカットし、先端の汚れのないキレイな部分だけを残して他は捨ててしまいましょう。

水草も全部抜いた水槽の中で底床を軽く2~3回かき回して少しだけ掃除します。

水は黒く濁るのでついつい綺麗になるまでやりたくなりますが、程々にしてあまりやりすぎないようにしましょう。

汚れが出た水槽の水は2/3程度捨てます。
捨てた分だけ新しい水を入れますが、必ず温度合わせと塩素中和は行って下さい。

新しい水を入れた直後はまだ少し濁りがあると思いますが、半日か~1日経過すればバクテリアの働きによって透明な水になっていると思います。新しい水を入れたら一気に大量の水草を導入しましょう。

とにかく元気で丈夫な水草を大量に用意して、パイロットプランツと一緒にビッシリと植えます。この時はミクロソリウムという水草がオススメですよ!

水草を植えるときの注意点ですが、少しずつ様子を見ながらという方法は絶対にしないで下さい。
そんなやり方では結局失敗を繰り返すだけで余分にお金が掛かり、いつまで経っても水草は綺麗に育ちません。

もちろんこの段階で高価な珍種や高難度な水草を導入するのは控えた方が良いでしょう。

そして大量に植えた水草が元気に育って水槽が綺麗に出来上がったらこっちのものです。水槽の環境が安定したら高価な珍種や高難度な水草を入れても失敗する可能性が低くなります。

ミクロソリウムがオススメな理由

ミクロソリウムは葉からの養分吸収が多い種類なので底床が十分こなれていない水槽であっても育成ができ、また陰性の水草なので光やCO₂の状態が多少足りなくても大丈夫です。

極端に水が汚れたり水が高温にならなければ元気に育ってくれることでしょう。

ミクロソリウムは大きな株の場合、結構高額になる水草ですが、ちょっと高いと感じるかもしれませんが、水槽の立ち上げを成功させるために思い切って購入してみましょう。レイアウトを作る場合にも立体的に仕上げることも出来る便利な水草です。

一度環境に慣れてしまえば子株を良く付けて増えてくれますので、増えたものは次の水槽を作成するときやオークションサイトやフリマサイトで販売しても良いでしょう。

まとめ:なぜ水槽にコケが生えるの?大量発生の原因から考える対策法

  • コケを完全に無くす事は出来ない
  • コケは空気中や水道水からも勝手に水槽に進入して来る
  • 水質悪化による富栄養化はコケにとって好条件
  • 光量過剰によりコケが繁殖
  • 水草の好む水質にすることがコケ対策になる
  • 装備の見直し充実させることがコケ対策につながる

ここまで水草アクアリウムの大敵と言えるコケの原因やコケが少ない水槽にするコツについてお話をさせていただいて来ました。

アクアリウムとは魚を飼うことがメインですが、実はバクテリアをいかに安定して飼育するかがカギとなります。

ちょっとしたバランスが崩れてしまう(水替えの失敗等)だけでバクテリアには大きなダメージがあり、その結果、水草・魚共に悪い影響が出て、コケが大繁殖してしまいます。

コケの生えない綺麗な水槽を維持するためにも、定期的に装備・アイテムを見直してみるのもいいでしょう。