猫の病気対策

おデブ猫がダイエットするには運動よりも食事管理が重要!

こんにちわ!管理人のクラゲです。

近ごろ人の世界と変わらず、猫界も肥満が問題視されているのをご存知ですか?

世界を見ると、20キロを超えるビックサイズのおデブ猫ちゃんがギネスにも登録されていますが、すごくかわいいと思う半面、獣医師1年生の私は病気のリスクを心配してしまいます。

私の勤める動物病院にもたびたびおデブ猫ちゃんが診察に来られますが、どの子もすごくかわいいです。そのままでもかわいい猫ちゃんが太って丸くなった姿は癒し効果満点だと特に思います。

「正直、ダイエットなんてしてほしくない!」

「そのままのかわいい姿でいてほしい」

とも思いますが、そうもいっていられません。

太っていればいるほど病気のリスクは高くなり、短命になってしまいます。

太ったまま長く生きしてほしかったら、人と同じように病院に長く通院しなければいけません。お薬もいっぱい出ますし、痛い注射を何回も打つ必要が出てくるでしょう

そんな姿を間近で見ているからこそ、心を鬼にしてでも飼い主の方にはおデブ猫ちゃんをダイエットしてほしいと思っています。

かといって、簡単にできないのがダイエットです。ダイエットを経験したことがある人なら特にわかると思います。途中で挫折し、リバウンドした方も多いのではないでしょうか?

自分でもできなかったダイエットを愛猫にさせるなんて、もっと難しいと思う方も多いでしょう。しかしやらなければ病気になってしまいます。

そこで今回はおデブ猫を健康で長生きしてもらうために肥満の原因とダイエット法をご紹介します。

おデブ猫の基準は?

我らが愛すべきおデブ猫の基準としては、

適正体重を20%以上超えるとおデブ(肥満)と判断されます。

しかし適正体重は固体差や猫種によって変わってくるため一概に決めることはできません。

そこで、猫の肥満度をチェックするためにBCS(ボディコンディションスコア)という9段階の評価が現在よく使われています。

BCSは猫の体を見て腰にくびれがあるか、肋骨が触れるかなどで判断しています。ちなみにおデブ猫はBSC7以上のことをいいます。

参考画像:ロイヤルカナン

ついでに人の場合はというと、

BMP(ボディ・マス・インデックス)法で肥満度をチェックします。

BMP=体重(kg)÷身長(m)² で計算され、

BMP指数22を標準として、19.8未満をやせすぎ26.4以上を太りすぎと判断します。

やせすぎ普 通過 体 重肥 満
[BMI]19.8未満19.8~24.2未満24.2~26.4未満26.4以上
[肥満度]-10%未満-10%~10%未満10%~20%未満20%以上

参考:日本肥満学会

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なぜおデブ(肥満)になるのか?

本来動物は、自分の力で狩りをして獲物をとる生活をしていました。つまり摂取カロリー(食事)消費カロリー(運動・狩り)はつり合っていたのです。

しかし、人の生活環境に入ってくると消費カロリーよりも摂取カロリーのほうが多くなってきます。

動物(猫)は自分だけでは太ることはありません。

飼い主の方が太らせてしまっているのです!

ではなぜ、食事を与えすぎてしまっているのかというと、以下の可能性があります。

  • 猫の行動や習性を誤解している
  • 猫の体格・体重・年齢などでの必要カロリーを把握できていない
  • 避妊・去勢後の体質変化に気づいていない
  • おねだりにより必要カロリー以上におやつをあげてしまっている

 

さらに、猫は「寝る子」が語源とされるくらい良く寝ます。1日12~16時間は寝ています。

人で良くいわれますよね。「ご飯食べてすぐに寝ると牛になるぞ」とこれは猫ちゃんも同じです。

食事をとると血糖が上がります。その状態ですぐに寝ると血糖が消費されずに脂肪として蓄積されているのです。

おデブでいると何が悪いの?

「太っていても可愛ければいいじゃない」という方もおられますが、良い悪いの問題ではありません。

そのままおデブ(肥満)のまま放っておくと、確実に寿命が1~2年は短くなります。

肥満でいる状態が続くと、病気になるリスクが非常に高くなるからです。

  • 肥満猫は正常体重猫の4倍糖尿病になりやすい
  • 肥満猫は正常体重猫の5倍関節疾患になりやすい

このほかにも尿路疾患、肝リピドーシス、消化器疾患のリスクも高くなります。

かわいい愛猫と少しでも一緒にいるためにはダイエットしたほうがいいでしょう。



おデブ猫には運動ダイエットはむずかしい

人のダイエットには様々な方法がありますよね。その中でも代表的なのが以下の2つでしょう。

  1. 摂取カロリーを抑える食事制限ダイエット(炭水化物抜きダイエットなど)
  2. 消費カロリーを増やす運動系ダイエット(ジョギング・水泳など)

猫ちゃんのダイエット法も食事制限と運動系が主になるりますが、

この2種類のダイエットのうちおデ猫ちゃんにおすすめできないのが②運動系ダイエットです。

その理由として一番にあがるのが気分屋であること。いいかえるとすごくマイペースなのです。

猫じゃらしなどで遊んでいても次の瞬間には飽きてそっぽを向いてしまうなんてことを経験された方も多いのではないでしょうか?

それでも無理に運動をさせようと過度にかまうと引っ掻かれたりかまれたりする可能性もあります。(せっかく痩せてもらうなら愛猫にも飼い主にも負担にならないダイエットのほうがいいですよね)

それともう1つ、おデブ猫ちゃんに運動系ダイエットがおすすめできない理由その2があります。

どうしてもおデブ(肥満)の猫ちゃんの体には異常(病気)があるor隠れている可能性があります。その異常が心臓や脊椎、関節はたまた膀胱にあるかもしれません。

猫ちゃんはちょっとしたストレスですぐに食欲がなくなったり体調を崩してしまう生き物です。ダイエットのために過度な運動というストレスを与えると、隠れていた病気が出てきてしまうリスクがあります。

こういった理由から私は、おデブ猫ちゃんは運動系ダイエットをおすすめしません。

もちろん、肥満予防や猫ちゃんがやる気の時は十分に遊んでコミュニケーションをとるといいでしょう。

運動のカロリー消費は効率が悪い

おデブ猫ちゃんに運動がおすすめ出ない理由を上の見出しでお伝えしてきましたが、その根本には「運動のカロリー消費は少ない」という事実があります。

人の場合も運動でやせようとすると、全身から汗を拭きだして筋肉を酷使するほどの運動をしないと痩せれませんよね。(一昔前ですがブリーズブートキャンプがいい例です。)

猫ちゃんの運動時エネルギー要求量(Excercise Energy Requirement, EER)を計算する式があります。

引用画像:子猫のへや

これだけ見てもよくわからないでしょう。(私もわかりません笑)

下記に体重別に10km移動したときの消費カロリーを計算して簡単に表に載せておきます。

猫の運動エネルギー(10km移動時)
猫体重(kg)猫消費カロリー(kcal)猫体重(kg)猫消費カロリー(kcal)
11.364.9
22.175.4
32.986.0
43.696.6
54.2107.1

見てわかる通り、猫ちゃんの小さな体で10km移動しても消費カロリーは想像以上に少ないのです。

運動によるダイエットは、カロリー消費量の少なさや猫ちゃんの性格からおすすめはしません。しかし運動をしなくてもいいという理由ではありません。

筋肉を維持し基礎代謝を高めるためには適度な運動が必要不可欠です。

おデブ猫のダイエットには食事管理を徹底しろ!

猫ちゃんがおデブになる原因は、運動不足食事の与えすぎです。

上の見出しでおデブ猫ちゃんが運動系ダイエットはおすすめできない理由を先にお話してきました。

ではどうやってダイエットをしていったらよいかというと、食事管理が基本となります。

消費カロリーを増やすことができないなら、猫ちゃんの健康や成長に影響のない範囲で摂取カロリーを減らすことがダイエットの成功につながります。

摂取カロリーを減らす方法としては以下の3つがあります。

  1. 絶食
  2. いつもの食事量を減らす
  3. ダイエット用の療法食を使い減量する

しかし①の「絶食」は肝リピドーシスという病気になるリスクが高まるので非常に危険です。

では②の「いつもの食事量を減らす」はというと、栄養不足をおこす可能性が高くなりますのでこちらもおすすめしません。

つまり③の「ダイエット用の療法食を使い減量する」が一番猫ちゃんの健康を害することなくダイエットできる一番の近道になります。

おデブ猫ちゃんのダイエットには「療法食」がおすすめ!
療法食ってなんでろう?

ペットフードには総合栄養食・間食・療法食・そのほかの目的食という4つの分類があります。

総合栄養食は、ペット毎に必要とする栄養基準を満たした「毎日の主要な食事」として与えるためのフードです。新鮮な水と一緒に与えるだけで、それぞれの成長段階における健康を維持することができます。

間食とは、犬や猫のおやつ、しつけのごほうびなどとして与えられるペットフードです。代表的なものとしてジャーキーやガムなどがあり、限られた量を時を選ばず与えられるフードです。

そのほかの目的食には、特定の栄養を調整する、カロリーを補給する、あるいは嗜好増進などを目的としたペットフードです。「総合栄養食」ではないために、これを補うために与えなければならない食事の内容や量などを明記しなくてはなりません。

療法食とは、特定の疾病や健康状態にあるペットのために獣医療において獣医師の指導の下に食事管理をするときに与えるフードです。現在ではそれぞれの病気に合わせてたくさんの種類の療法食が開発されています。

引用元:ペットフード公正取引協議会

おデブ=肥満は、過剰な脂肪沈着を特徴とする病的な状態と定義されます。

つまり肥満は病気の一種なのです。

風邪のときに消化に良い「おかゆ」を食べる。高血圧の時に塩分を控える。

これらと同じように、肥満の時には栄養不足にならない程度に余分なカロリーを減らし、十分に食欲を満たす。特別な療法食が肥満には有効なのです。







代表的なダイエット用療法食2選

療法食を製造しているペットフード会社はいくつかありますが、その中で抜きんでているのがロイヤルカナンヒルズの2大ペットフード会社です。

このどちらの会社も肥満に適したフードを販売しています。
猫ちゃんの状態(避妊・去勢・年齢)で適したフードは変わってきます。ここでは代表的なダイエットフードを載せておきます

今回インターネットで買えるダイエット用フードをご紹介しましたが、中にはインターネットで買えない、動物病院専用のフードもあります。

愛猫を本気でダイエットさせようと思ったのなら一度動物病院で相談しフードサンプルをもらいましょう!

ダイエットの流れと療法食のあたえ方

どんなにダイエットをするに適しているフードでもあげ方が間違っていたらいつまでたっても減量することはできません。

正しくダイエットするには

  1. 愛猫が太っていることを知る
  2. 愛猫が食べる療法食を調べる
    (動物病院でフードサンプルをもらい試す)
  3. 療法食の与え方を知る
  4. 2週間~1か月は療法食を続ける
  5. 減量結果を知る
  6. 続けるor他の療法食を試す

この流れで行けば猫ちゃんの体に無理なくダイエットすることができるでしょう。

ここで療法食の与え方についてお話していきます。

ただ療法食をあげても猫ちゃんはやせることはありません。

やせるためにはまず現在の体重を知り目標体重を決めます。
目標体重の目安は1歳時の体重

次にペットフードの入っている袋には1日当たりの給与量(g)が記載されていることをご確認ください。

この時、現在の体重で1日当たりの給与量どうりにあげるとうまくダイエットすることはできません。

現在の体重で袋に記載された通りあたえても減量できない理由。

すべての動物は何もしなくても体を維持するためにエネルギーを必要とします。この時エネルギーを消費することを基礎代謝と言います。

基礎代謝は筋肉や臓器が働くことで消費されるエネルギーです。

しかし太っている状態は、体に無駄な脂肪がついている状態です。

この脂肪はエネルギーを使わないのでカロリーを消費しません。
(カロリーを消費する基礎代謝量は増えるわけではない)

つまり適正体重10kgの時は、体重10kg分の基礎代謝がある。

一方、

肥満で10kgの体重の時、仮に脂肪が3kgあったとすると、
体重7kg分の基礎代謝しかないのです。

つまり太っている今の体重通りにご飯をあたえると、基礎代謝で消費しきれないカロリーが余りさらに太る結果になるのです。

ではどれくらいの量のごはんをあげたらいいのかというと、

先ほど決めた目標体重を指標にします。

例えば、

おデブ体重が10kgの時、目標体重7kgにしたいと考えた場合。

体重10kgの時の給与量ではなく、目標体重である7kg時の給与量を目安に与えるとダイエットすることができるのです。

いきなり食事量を減らしたら体に必要な栄養が不足することがあります。

獣医師の指導の下、徐々に食事量を減らしていってください。

最後に

おデブ猫ちゃんはかわいいです。すごくかわいいです。

食べることが好きなおデブ猫ちゃんはよくおやつをおねだりしてきますが、そこで余分なカロリーをあたえてしまうとダイエットは成功しません。

時には心を鬼にしてもおやつは控えるようにしましょう。