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アメリカで飼い犬を殺した「シアノバクテリア」│日本で起こる可能性はある?対策は?

こんにちは!管理人のクラゲです。

最近アメリアで飼い犬が湖の水をのんで死んでしまったというニュースがありましたね。

その原因が「シアノバクテリア」という藻が原因になったのですが、これはアメリカに限ったことではないのをご存知ですか?

日本にもシアノバクテリアはいて、何も知らずにいると犬だけでなく人の健康を害することもあるのです。

アメリカで飼い犬を殺したシアノバクテリアとは?

シアノバクテリアとは原核藻類に分類される「藻」で、酸素発生型光合成を行う生物です。

富栄養化になった湿地や水たまり、水槽の縁などに発生して、水の華やアオコを形成する緑色のねばねばした膜状で存在します。

クロロフィルb またはジビニルクロロフィルbなどの色素を持ち光合成を行うことで、シアノトキシン(シアノバクテリアの出す毒素の総称)という毒素を作り出します。

シアノバクテリアは最古の生物の1つで、35億年前の地層からシアノバクテリアに似た化石が発見され、進化遺伝学的な研究により、光合成能力をもつシアノバクテリアが、他の細菌と共生的に合体することによって真核生物が生じ、シアノバクテリアは葉緑体となったと考えられています。

アメリカで発生したシアノバクテリアは有害藻類ブルーム(HABs)と報道されています。

有害藻類ブルーム(HABs)とは?

藻類が大量に発生した時に起こる問題現象を有害有毒藻類ブルーム(Harmful Algal Blooms: HABs)と呼びます。

ブルーム (Bloom)とは「開花」という意味を持ち、プランクトン藻類が大量に発生し、花が咲いたように赤や藍色に色づいた状態を比喩し、

このような水の着色現象は「水の華」(water bloom)とも呼ばれます。







シアノバクテリアが出す毒素とは?

シアノバクテリアが作り出す毒素を「シアノトキシン」と呼び、現在いくつもの種類が確認されています。

ミクロシスチン
単細胞性Microcystis aeruginosa(アオコとして知られる)が生産。7個のアミノ酸が結合した環状ペプチドで、リボソームではなく、複合酵素系で合成される。そのため、合成系の遺伝子オペロンは50kbを超える。タンパク質ホスファターゼPP1およびPP2Aを強く阻害する。強い肝臓毒性がある。
ノジュラリン
糸状性シアノバクテリアのNodulariaが生産する。5個のアミノ酸が結合した環状のペプチドで、強い肝臓毒活性がある。タンパク質ホスファターゼ阻害剤。
ミクロビリジン (microviridin)
プロテアーゼ阻害活性あり。単細胞性シアノバクテリアMicrocystis aeruginosaが生産する。ペプチド性毒としては珍しく通常の遺伝子 (mdnA) から発現した前駆体タンパク質から切り出され、さらに分子内エステル結合を生じて環化されて、合成される。ミジンコの脱皮を阻害する。

アナトキシン-a

シリンドロスペルモプシン

アナトキシン-a (anatoxin-a)
ニコチン性アセチルコリン受容体の強力なアゴニスト。AnabaenaAphanizomenonCylindrospermumMicrocystisOscillatoriaPlanktothrixRaphidiopsisなどが生産する。
サキシトキシン
淡水ではシアノバクテリア(Anabaena circinalisLyngbya wolleiCylindrospermopsis raciborskiAphanizomenon sp. など)が生産。海水では、渦鞭毛藻類 (AlexandriumPyrodiniumGymnodinium) が合成するものが、貝を経由して「貝毒」としても有名。
シリンドロスペルモプシン (cylindrospermopsin)
Cylindrospermopsisが生産する。
リングビアトキシンA
Lyngbya majusculaが生産する。

ー引用ー
「”シアノトキシン”」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
“最終更新 2019年3月31日 (日) 04:28 ”
URL:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%B3

シアノバクテリアの毒素でどんな症状を起こすの?

シアノバクテリアが出す毒素はいくつかあり、その症状は共通しているわけではありません。今回アメリアで発生したシアノバクテリアの毒素では、

  • 人間の場合は発疹や胃けいれん、吐き気、下痢、嘔吐など
  • 犬が摂取すると、数時間内、もしくは数日で死に至る危険がある

と報道されています。

シアノバクテリアは、その時の負荷によって違う毒素を生産し、皮膚、呼吸神経系、肝臓など、それぞれ体の違った部位に影響を与え、出血、嘔吐、癌を引き起こし、死に至ることもある。そのレベルは、日々劇的に変わるので、その毒性を見極めるのが難しいといわれています。

過去にはシアノトキシンの1種である「マイクロシスチン」と呼ばれる毒素で中毒を起こした事例が報告されています。

その中でも1996年のブラジルで、人工透析に使用される水がミクロシスチンに汚染されており急性肝不全を起こし死亡する事故が発生しています。

また貝毒の一つとして有名な「サキシトキシン」は、赤潮を形成する有毒渦鞭毛藻がつくる麻痺性毒素です。テトロドトキシンと共にフグ毒の成分のひとつにもなる強力な毒で、食後30分程度で軽度の麻痺がはじまり、麻痺は次第に全身に広がり、 最終的には呼吸麻痺により死亡することがある。

日本でもシアノバクテリアは発生する可能性はあるの?

シアノバクテリアは気象条件と水質、栄養条件がそろえば日本でも発生する可能性はあります。

というかすでに過去に日本でも発生し問題になっています。

シアノバクテリアは光合成をおこなう原核藻類に分類される「藻」で、このバクテリアが異常に繁殖して起こる問題を有害有毒藻類ブルーム(Harmful Algal Blooms: HABs)と呼ばれています。

日本ではその色に着目して

  1. 赤潮(あかしお)
  2. 青粉(あおこ)
  3. 水の華(みずのはな)

のように呼ばれています。

①日本での赤潮の発生状況

赤潮はシアノバクテリアが異常に繁殖したことで海や川、運河、湖沼等が変色する現象です。

水が赤く染まることが多いため「赤潮」と呼ばれますが、水の色は原因となるプランクトンの色素によって変化し、オレンジ色、赤色、赤褐色、茶褐色等になります。

日本では、有明海、瀬戸内海、東京湾、伊勢湾、大阪湾などの内湾部で発生報告が多いです。

②日本での青粉の発生状況

青粉は富栄養化が進んだ湖沼等において微細藻類(主に浮遊性藍藻)が大発生し水面を覆い尽くすほどになった状態です。

日本でも条件がそろった湖や池など多くの場所

  • 琵琶湖
  • 八郎湖
  • 霞ヶ浦
  • 各種ダム貯水池

などで発生が報告されています。

③日本での水の華の発生状況

画像引用:ウィキペディア(Wikipedia)

水の華は藻類ブルームとも呼ばれ、水面近くにシアノバクテリアが高密度に発生し水面を変色する現象です。

日本では淡水域に発生が多く多くの水源で発生する可能性があります。

過去には下記のようなダムや河川、沼などので発生しています。

  • 下久保ダム
  • 大島ダム
  • 青蓮寺ダム
  • 霞ヶ浦
  • 網走湖

ペットがシアノバクテリアの被害を受けないための対策は?

シアノバクテリアの被害にあわないためには、シアノバクテリアが異常繁殖した赤潮、青粉、水の華などの現象がニュースなどで報道されていないかを確認するとともに、水辺を散歩する際は、水面の色を確認しておく必要があります。

また、アメリカではシアノバクテリアが繁殖したことでシアノトキシン(シアノバクテリアの産生する毒素の総称)が水道水から検出され、一時水道水の使用を禁止したことがありますので、日本でも注意が必要ですが、

参考記事:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/09/post-10994.php

日本では水道水を塩素処理していることで、シアノトキシンの一つである「ミクロキスチン」が無毒化されているので、考えすぎない方が精神衛生的にいいのかも知れません。

参考文献:http://www.hyogo-iphes.jp/old/kikaku/report/eiken/report23.htm

もし、シアノバクテリア対策をするのであれば人やペットが口にする飲み水はすべてミネラルウォーターにするとリスクは減ると思われます。

シアノバクテリアの毒素(シアノトキシン)がミネラルウォーターに絶対混入しないわけではないでしょうし、ご家庭の浄水器で毒素がろかできるかはわかりません。

結論:日本でもシアノバクテリアは発生しており、ペットの事故を起こす可能性は高い

今回はアメリカでのシアノバクテリアの被害ニュースでしたが、

日本でも毎年シアノバクテリアが異常増殖したことによる赤潮・水の華・青粉などの現象が報告されていますので、飼い犬の事故は常に起こりえるものと考えてください。

琵琶湖や霞ケ浦などの人の出入り多い湖でも、青粉は発生していますのでレジャーを楽しむ際は、事前に湖の状況を調べてからにしましょう。

特にペットと水辺で遊ぶ際は注意が必要です。人は河川や湖の水を直接飲みませんが、犬などのペットに飲まさないようにするには、水辺に近づかないようにするしか方法はありません。

お住いの近くに色の変な水辺がありましたら、近づくのは控えてください。

まとめ:アメリカの飼い犬を殺した「シアノバクテリア」│日本で起こる可能性はある?対策は?

シアノバクテリアは、最古の生物の1つで生命が誕生するのに欠かせなかった生命体ですが、光合成をすることで生物に有害となる物質を生成してしまします。

気象条件、水質、栄養がそろえば季節関係なく、赤潮、青粉、水の華といったシアノバクテリアの異常増殖は起こりえます。

シアノトキシン(シアノバクテリアの毒素)による中毒には有効な拮抗薬や特異療法が見つかっていないので、対処療法が治療の中心になることが考えられます。

シアノバクテリアの被害にあわないためには、

  • 色のおかしい河川や湖に近づかない
  • 水辺に近づく際は事前にその水辺の情報を集めておく

など、個人個人で対策しておく必要があります。

もうすぐ夏も終わりますが、条件がそろえば季節関係なく発生しますのでご注意を