こんにちは!クラゲです。
ネット上にはいろんな情報が出回っていますよね。その中には有益な情報も全くでたらめな情報もいろいろです。
その情報の中に、「犬は炭水化物を消化できない、必要ない」と言った声があります。
この声は、犬の祖先が元はオオカミだったことから、肉からとれる栄養以外は必要ないという考えから出たものが大元です。
さらに、昨今ドックフードの健康志向も相まってグルテンフリーをうたう商品が増えたことも背景にあります。
では実際のところ犬にとって炭水化物はいらないものなのでしょうか?そんな疑問についてこの記事で解説していきます。
- 犬は炭水化物を消化できる?できない?
- 犬は炭水化物を栄養にできる?できない?
- ドックフードの炭水化物はいる?いらない?
目次
炭水化物とはなにか?

炭水化物とは5大栄養素の一つで、糖質と食物繊維でできている栄養素です。
5大栄養素には他にタンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルがあり、人が生きていきために必須なもので、
- 筋肉や骨、歯、血液などのカラダを作る
- エネルギー(力や熱)になる
- 身体の調子を整える
といった3つの役割をしています。
炭水化物は「犬」の栄養になるのか?
人では5大栄養素の中に炭水化物が入っています。
しかし、犬では必須の栄養素というわけではありません。
というのも犬の祖先は肉食動物であるオオカミだからです。
完全肉食動物であれば、獲物のお肉だけで体を成長・維持するための栄養は取れるのですが、犬の祖先はオオカミの中でも「ハイイロオオカミ」という雑食性の肉食動物だったということが分かっています。
このハイイロオオカミは犬に分かれる前から植物や果物もたべていたため、炭水化物を少なからず消化できる消化器系を持っていたと考えられています。
事実、「犬の膵臓からは炭水化物を分解するアミラーゼ」が出ています。
ですので、犬は炭水化物は必須の栄養素ではないが利用することは可能な動物だなのです。
炭水化物は犬の体内でどんな働きをするのか?
前述のとおり、犬は膵臓からアミラーゼを分泌できるので、炭水化物を利用できる動物です。
実際犬を飼っている方はわかると思いますが、トウモロコシやジャガイモ・サツマイモなどのお肉以外のものも喜んで食べますよね。そういったものを食べてお腹を壊したり体調が悪くなることもありません。
では犬が炭水化物を食べたときどんな役割をしてくれるのか見ていきましょう。
①犬のエネルギー源になる
炭水化物は”糖”と”食物繊維”からできています。
このうち糖分は犬の体を動かすエネルギー源となります。特に糖質は他の栄養素(脂質やタンパク質)よりも素早くエネルギーに変換される特徴があります。
また、体内で糖質が存在できる量は少なく、血液中のブドウ糖のほか、肝臓や筋肉にグリコーゲンとして少量を貯蔵できますが、すぐに使う量以上の糖質は脂肪として蓄積されます。
長時間の運動には主に「脂質」が、中距離走のように短時間の運動には「糖質」からのエネルギーが使われるんだ。
②腸内環境を整える
犬は食物繊維を分解する「セルラーゼ」という消化酵素は持っていせん。
そのため炭水化物を構成する食物繊維は直接栄養として利用することはできません。
しかし食物繊維は体の中に入り腸まで届くと、水分を吸って膨らみ腸壁を刺激する効果があります。
そして刺激された腸は蠕動(ぜんどう)運動が盛んとなり排便を促すのです。
つまり、食物繊維は犬にとって栄養とはなりませんが、不要な老廃物を体の外に排泄しコンディションを維持するという健康に欠かせない栄養素なのです。
犬が炭水化物をとらないとどうなる?
犬にとって炭水化物は
- エネルギー源
- 体のコンディションを整える
と2つの有益な作用をする栄養素です。
ですが犬は歯の構造・消化器の構造・消化酵素の量が草食動物と異なり、植物中の炭水化物を効率よく消化・吸収し利用することはできません。
しかし犬は、タンパク質や脂質からエネルギーを作り出せるので炭水化物はなくても生きていけます。
ですが、タンパク質や脂質だけで栄養やエネルギーをとっていると別のところで問題が起きてしまいます。
特に問題となりえるのが、タンパク質の最終的生産物である尿素を作り出す肝臓と排泄する腎臓です。
タンパク質をとる量が多いほど有毒なアンモニアが生じ、これを無毒化するために肝臓が頑張って尿素に作り変えます。そして腎臓からおしっことして排泄するのですが、
臓器は働けば働くだけ摩耗(老化)するのが早くなってしまいます。
若いうちは問題なくとも年をとればわんちゃんの肝臓や腎臓にガタが出てきます。一度体にガタが出るとそこからイモずる式に別も場所も調子が悪くなるので注意する必要があります。
そのため、犬が炭水化物をとらないかった場合、肝臓と腎臓に問題が出る可能性が出てきます。
犬はドックフードの炭水化物を消化・利用できる?
犬は炭水化物を消化する酵素。アミラーゼを唾液には含んでいません。
犬は歯の構造上、すり潰すよりも噛みちぎって飲み込むことに優れた歯なので唾液にはアミラーゼは含まれていないのです。
ですが、膵臓からは確実にアミラーゼが出ているので炭水化物を利用することはできます。
と言ってもわんちゃんの歯や消化器官では、炭水化物の多く詰まった種子を分解することはできず、ほとんどの栄養は利用できません。
しかし、ドックフードのように加工することで、炭水化物を「α化」という状態にし消化吸収しやすくできるのであれば、犬にとっても十分な栄養源となります。
α化とは、炭水化物の一種であるデンプンを加熱処理をすることで糊化(ゲル状)すること。
ペットフード公正取引協議会で定めるドライフードのα度は91~93%と設定されているので、ほとんどのデンプンはα化されているいます。そのためドックフードの炭水化物は問題なく消化吸収することができます。
まとめ:犬は炭水化物を利用できない?ネット上に出回る真実と嘘を解説
炭水化物の糖は素早く犬のエネルギー源となり、食物繊維は腸内環境を整え、便通を促す効果があります。
近年グルテンフリー(穀物不使用)をうたうドックフードは増えてきましたが、
グルテンはドックフードに加工される段階で「α化」することが分かっており、犬の栄養源として十分に利用することができます。
アレルギー持ちである場合を除けば、ドッグフードの穀物利用については特段気にする必要はないのかもしれません。

https://suguruafi.com/gluten-free-grain-free-food/