猫ちゃんがすりすりしてきたらとても嬉しくなってしまいますよね!
「自分のことが好きで甘えてくれているんだな」と思っている飼い主さんもいらっしゃるのではないでしょうか?
しかしこのすりすり、猫ちゃんの本能からくる行動である可能性が高いのです。
目次
猫がすりすりしてくる本当の理由とは?

猫が足にすりすりしてきたときのことを思い出してみてください。猫がすりすりしてくれるシチュエーションとして多いのが外から帰って来たときです。
猫は自分の家を縄張り(テリトリー)と認識しています。そのため侵入者が来ると、本能でチェックして縄張りを守ろうとします。
外から飼い主さんが帰ってきて、違うにおいがしたらどうでしょうか?
そこで足にすりすりしてマーキングを行うことにより、外のにおいを自分のにおいで上書きしようとするのです。
マーキングは、においや印を付けて自分の縄張りを示す行動です。
猫は体の色々なところに「分泌腺(臭腺)」というものがあります。
その場所はおでこや顎、頬、しっぽの付け根あたりなどです。
分泌腺からはフェロモンが出ており、その場所を対象にこすりつけてマーキングを行います。
猫飼いさんなら、他にも以下のような行動を見たことがあるのではないでしょうか?
- 家具に何度も顎ですりすり
- お風呂あがりの足におでこですりすり
いつも通りの飼い主さん・同じ家の中だとしても、なんとなく違うにおいがすると猫は不安になります。
そのため毎日すりすりして自分のにおいで家を満たし、安心しているのです。
よそのお家の猫でも、人懐っこい子ならすりすりしてくることがあります。
甘えている場合もありますが、侵入者を自分のにおいで上書きして縄張りを守ろうとしている可能性も高いでしょう。
マーキング以外でも猫はすりすりする?

「外から帰って来たときでなくてもすりすりしてくれるよ?」という場合もありますよね。
猫のすりすりはマーキングの可能性が高いですが、それ以外に何か伝えたいことがあるときにもすることがあります。
①おねだりしたくてすりすりしている

何かおねだりしたいときにも猫はすりすりしてきます。
「ごはんがほしいよ~」「遊びたいよ~」とすりすりされたら、なかなか断れないですよね。
ごはんや遊びの他、トイレが汚れていて掃除してほしい場合もあるのでよくチェックしてみてください。
野良猫の場合でも、人懐っこい子だとすりすりしてくることがありますよね。
「もしかしたらすごく好かれているのかな?」と思ってしまうかもしれませんが、ごはんのおねだりをしている可能性が高いでしょう。
②あいさつ代わりにすりすりしている

猫がすりすりしてきても、「さっとすりすりされてそれでおしまいだった・・」ということはありませんか?
もしくは座っている時の背中にそっと触れる程度で、そのまま通り過ぎてしまったということもあるでしょう。
これは猫があいさつ代わりにすりすりしている可能性が高いです。
親しい猫同士でも、あいさつとしてお互いの体をすりすりし合うことがあります。
③甘えてすりすりしている

家にいて、特に何か要求があるわけでもないのにすりすりしてくるのは、猫が安心して甘えてくれている証拠です。
飼い主さんの気を引きたくて「構ってよー」という気持ちですりすりしているのかもしれませんね。
たとえマーキングの行動であっても、猫は「自分のものだ」という認識を持って行っています。
「飼い主さんは自分だけのもの!」と思って甘えられたら飼い主さんとしては本当に幸せですよね。
しつこくならない程度に、撫でたり遊んだりしてみてはいかがでしょうか。
すりすりしてくれる猫としてくれない猫の違いは?

「家の猫ちゃんは全くすりすりしてくれない・・・」という飼い主さんもいらっしゃるかもしれませんね。
全くすりすりしない猫ちゃんも確かにいますが、それには理由があります。
また、「ある日突然すりすりするようになった」という猫ちゃんがいるのも事実です。
①元々クールですりすりしない性格

あなたは猫にどんな印象を持っているでしょうか?
特に猫飼いさんなら「甘えん坊」や「人懐っこい」など、猫の性格は想像以上に色々あるのもご存知ですよね。
そんな中で、クールな性格の猫ももちろんいます。あまり人間に媚びない猫はすりすりしないことも多いです。
人間も人によってそれぞれ性格や行動が違いますよね。
そう考えれば「すりすりしない猫」がいるのも当たり前、と思えるのではないでしょうか?
②すりすりしたい気分ではない

猫によっても「昨日はあんなにすりすりしてくれたのに、今日はあまりしてくれないな」ということがあるのではないでしょうか?
猫は例え甘えん坊だとしても、元々気まぐれな動物です。気分によってすりすりしたり、しなかったりももちろんあります。
「すりすりしてほしいな」と思ったらつい構ってしまいがちですが、その前に猫の様子をよく観察してみましょう。
別の物に興味を惹かれていたり、緊張したりしていないでしょうか?猫はそのことで頭が一杯で、なかなかすりすりしてくれないでしょう。
そんな時はあまりしつこくせずにそっと見守ってあげてくださいね。
③警戒している

初対面や会ってからあまり月日が経っていない猫の場合、なかなかすりすりしてくれないことがあります。
猫がすりすりするのはある程度信頼している相手だけですので、粘り強く待つしかないでしょう。
また、猫は大きい声や動きが苦手です。騒がしい人間のことは警戒してしまい、なかなかすりすりしてくれないこともあります。
積極的に触ろうとするよりも、猫から近づいてくるのを待つ方がすりすりしてくれる可能性が高くなりますよ。
④すりすりするのが下手、よく分かっていない

猫の中にはすりすりするのが下手な子もいます。
「すりすりする」という方法自体が分かっていない場合もあり、そんな猫はなかなかすりすりしてくれません。
小さい頃に親や兄弟と別れたり、周りに他の猫がいなかったりすることもありますので、分からないのも当たり前ですよね。
飼い主さんが猫の頭やあごをすりすりしてあげて、すりすりするのがどういう感覚なのか教えてみましょう。
⑤相手から自分の嫌いなにおいがしている

猫のすりすりはマーキングで、自分のにおいを相手に付けるための行動です。しかし相手から自分の嫌いなにおいがしたときには、すりすりしないこともあります。
猫が嫌うのは「柑橘系」や「ミント系」のにおいです。
アロマオイルは猫の健康を害する場合があるので、飼っている部屋で焚くのはやめましょう!
もし香水などを付けていたらそれが原因のこともありますので、何もしない状態で猫に接するのがおすすめです。
まとめ:猫がすりすりしてくる本当の理由まとめ

猫ちゃんのすりすりは甘えている場合もありますが、基本的に「マーキング」の可能性が高いです。
時には「おねだり」や「あいさつ代わり」など、コミュニケーションの手段としてすりすりしていることもあります。
「猫ちゃんはただ好きで甘えてくれているわけじゃないのか・・」と少しがっかりしてしまった方もいるのではないでしょうか?
ただ、猫は基本的に警戒心が強い動物です。足にすりすりしてくれたということは、その人間を信頼しているということになるでしょう。
猫ちゃんがこれからも安心して過ごせるように、よい関係を築いていってくださいね。