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彼岸花(ヒガンバナ)の開花が例年よりも早い理由は?8月に咲くのは不思議じゃない?

おはようございます!

8月のこの時期にヒガンバナが咲いたというニュースを見て驚いた管理人のクラゲです。

通常、9月中旬ごろから咲くはずのヒガンバナが
すでに咲き始めているとのことですが、

なぜ8月に開花したのでしょうか?

気になったので調べてみました。

お彼岸より一か月以上早く彼岸花が開花!?

彼岸花(ヒガンバナ)と言えば秋の季語にもなっている秋を代表する花ですが、
今年2020年はお彼岸の時期を1か月以上残して8月に開花しました。

この開花の早い彼岸花は兵庫県の道路沿いに咲き、
地域の方の間で話題となっています。

女性
女性
こんなに早く出てきて暑くないんやろか?

と住民の方たちは疑問に思っているそうですが、

なぜ今年はお彼岸よりも1か月以上早く彼岸花が咲いたのでしょうか?

早く彼岸花が開花した理由は「品種」が違うから

8月に彼岸花が咲いたと話題となっていますが、
その理由は何なのでしょうか?

日本人にとって彼岸花はなじみの深い花ですが、
一口に「彼岸花」と言ってもいくつか種類があり

その中には開花の早いものもあれば遅いものもあります。

今回の8月に咲いた彼岸花もそういった開花の早い種類であることが考えられます。

彼岸花の種類と開花時期

私たちが秋ごろに見かける彼岸花には

  • シロバナマンジュシャゲ
  • キツネノカミソリ
  • ナツズイセン
  • リコリス・インカルナータ
  • ショウキラン

など200を超える品種が存在します。

彼岸花の種類参考:彼岸花の城下農園

おなじみの彼岸花の開花時期が9月中~下旬に開花するのに対し、
上記で紹介したような彼岸花の品種は8月から開花するものもあれば
もっと早い7月に開花するものもあります。

また、見た目が普通の彼岸花とほとんど変わりないものもあるため、
彼岸よりも早い8月に咲いても何ら不思議ではありません。

彼岸花の開花条件

彼岸花の開花条件は、「一般社団法人 日本植物生理学会」の植物Q&Aに詳しく書かれています。

下記回答は、

ヒガンバナ科の植物について専門に研究をされている
大阪府立大学大学院生命環境科学研究科の森源治郎先生が回答されています。

『 彼岸花はどうやって季節を知るのですか?』について私の考えを述べさせて頂きます。
1.ヒガンバナは普通9月中・下旬に開花し、開花後に葉を地上に展開させ、翌年の5月中・下旬に葉が枯死し、夏を越します。一方、球根内での花芽の分化・発達についてみますと、花芽分化は葉が生育中の4月下旬に始まります。葉が枯れた後の6月中旬に雌ずい形成期、8月下旬に花粉形成期と発達して、9月中・旬に開花します。
2.冬期、最低20℃程度の加温室で栽培すると夏にも葉を展開させて常緑性になります。しかし、このような条件下では、花芽は分化しません。このことから、ヒガンバナの花芽分化には低温遭遇を必要とし、低温はバーナリゼーションとして作用しているようです。
3.花芽分化および雌ずい形成までの発育適温は25〜30℃付近にありますが、分化・発育の可能な温度範囲は10〜30℃で広いことから、自然条件下では温度が上昇に向かう4月下旬から花芽分化が始まるようです。
4.雌ずい形成期に達すると、それまでの発育を促した高温(25〜30℃)ではかかえって発育が抑制され、適温は20℃付近に低下します。自然環境下での開花が9月中・下旬になることや関東での開花が関西より10日ほど早くなるのは、この発育適温の低下によるものといえます。
5.以上のように、ヒガンバナは温度(特に地温)を感じて花芽の分化および発達が進行しているようです。また、花芽分化に対して低温はバーナリゼーションとして作用しているようです。

 

回答の中でヒガンバナは

  • 花芽分化および雌ずい形成までの発育適温は25〜30℃付近。
  • 雌ずい形成期に達すると、それまでの発育を促した高温(25〜30℃)ではかかえって発育が抑制され、適温は20℃付近に低下する

と書かれており、
自然環境下での発育適温の低下が刺激となって開花をしていると考えられます。

そのため、

”7月に台風が来なかった”ことや”8月の気温が高い”ことなどは
ヒガンバナの開花を早める要因にとは考えにくいと思われます。

彼岸よりも早く開花した彼岸花の品種は?

8月にヒガンバナが咲いたと話題になっていますが、
ヒガンバナの種類によっては十分あり得ることです。

では、今回咲いた彼岸花の品種は何だったのでしょうか?

yahooニュースの画像からは、色や形は通常のヒガンバナと変わりありません。

しかし、
ヒガンバナと比べ「小型であるが外見上全く同じ」品種が存在します。

それが、小彼岸花(コヒガンバナ)という品種(変種)です。

彼岸花(ヒガンバナ)
小彼岸花(コヒガンバナ)

画像引用:四季の山野草

画像をみて比べてみても彼岸花と小彼岸花の違いはわかりませんね。

通常、日本で繁殖しているヒガンバナは、
細胞の染色体が基本数の3倍ある三倍体であり、
正常な卵細胞や精細胞がつくられない「種なし」の花です。

そのため一般な花と異なり種子で増えることはできないので、
人の手の入らない場所に育つことはありません。

一方、コヒガンバナは、

見た目はヒガンバナと変わりませんが、
彼岸花よりも1か月ほど早く開花するほかに、
細胞の染色体数が基本数の2倍の二倍体であるため
「種」を作ることができるという点で異なります。

人の手の入っていない場所で咲いているヒガンバナは
このコヒガンバナである可能性が高いです。

 

今回ニュースで取り上げられたヒガンバナが
「コヒガンバナ」であると画像だけでは断定できませんが
そういったヒガンバナの別の品種(変種)である可能性は十分考えられます。

彼岸花(ヒガンバナ)の開花が早い理由まとめ

ご覧いただきありがとうございます。

8月にヒガンバナが咲いたと話題となっていますが、
ヒガンバナの品種によっては8月に咲いても不思議ではありません。

ニュース画像からその品種を確定することはできませんが、

普通の彼岸花と比べ、見た目は変わらないが小ぶりな「コヒガンバナ」である可能性が考えられます。

コヒガンバナは1か月ほど早く咲くため
この時期に咲いたのでしょう。