こんにちは!管理人のクラゲです。
この記事では、犬猫の尿石症(尿結石)が薬で治癒しない理由を解説します。
先生!尿結石って薬を飲んだり注射してもらうだけで治らないの?
尿結石とは、腎臓やおしっこの中にできる石や砂です。
腎臓では血液が濾過され、いらない成分がおしっこの中へ排泄されます。この時に、おしっこ中にミネラル成分(シュウ酸やカルシウムなど)が多く含まれていると、尿の中で他の成分と結合し尿結石を作るのです。
尿結石(尿結晶)は激しい痛みを起こす病気です。
わんちゃんを一見しただけでは尿結石があるかわかりません。しかし、気づかないだけであんたのペットは尿結石ができかかっているサインを出しているのです。
尿結石のサインを見つけて検査をすることで、早期に治療することができます。
ですが、結石の種類や大きさによっては手術で取り出すしか治療法がない場合もあります。
あなたの愛犬に痛みを与えないために尿結石(尿結晶)についてここで知っていきましょう。
- 早期に尿結石のサインに気が付く
- 原因がわかる
- 自宅でできる対策法がわかる
- ペットに無駄な痛みを与えないですむ
人でも昔から「七転八倒の苦しみ」と言われるくらい激しい痛みを伴う尿結石。
薬だけでは治癒しないため、自宅での対策が重要となります!
今回は、「尿結石が薬だけで治らない理由と愛犬が出す尿結石のサイン、そして自宅でできる対策法」についてご紹介していきます。
目次
尿結石や尿結晶ってなに? どんなものが多いの?

尿結晶とは、不要になったミネラル成分が腎臓でろ過され、尿中で濃縮し結晶化したものです。
最初は顕微鏡で見てみないと確認できないほどの小さいサイズなのですが、数が増えるにつれ段々と大きく成長していき肉眼でも判別できるくらいの「尿結石」となるのです。
そして尿結石がおしっこの出る管(尿管)に詰まってしまったとき、激しい痛みがでます。
尿結石にもいろいろ種類がありますが、その中でも発生割合が多いのが以下の2種です。
- ストルバイト結石(リン酸アンモニウムマグネシウム)
- シュウ酸カルシウム結石
尿結石が薬だけで治らない理由
尿結石は、種類によりますが薬で溶かすことはできます。
しかし、一度できた結石が溶けたからと言って2度とできないわけではありません。
結石のできる原因や体質を根本から変えていかなければ、何度も再発を繰り返すことになるので日々の生活スタイルと食事が重要となってきます。
なんで尿結石ができるの?
健康なワンちゃんでも、結石の元となる成分はおしっこの中に存在します。ですが結晶ができるほど濃いミネラルは通常ないため結石ができることはありません。
しかし、何かの要因で尿中のミネラルが増えたり、芯となる物が尿中にできると結石ができやすくなります。
- 飲水量の不足
- 尿の回数減少
- 尿路への細菌感染
- ミネラル成分の多い食事
- 尿pH
①飲水量の不足
飲水量が減ると、おしっこの回数も少なくなります。
おしっこの回数が減ればそれだけ長く尿が膀胱の中にたまっている状態が続き、ミネラルが飽和した状態となります。
飽和した状態とは、最大限まで液体(尿)に溶質(ミネラル)が溶けている状態。
飽和しているところに、新たなミネラルが入ると尿中に溶け込まず結晶として析出してくる。
②尿の回数減少
おしっこの回数が減れば、長時間尿が膀胱にある状態が続き、ミネラルが飽和した状態がおこり結石の元となる結晶ができやすくなります。
排尿回数が減る原因としては犬と猫で多少違います。
③尿路への細菌感染
尿道から細菌が入り尿路で感染を起こすと、感染した細菌の作り出すウレアーゼという酵素により尿がアルカリ化します。尿pHがアルカリになることでストルバイト結晶が形成されやすくなります。
また、細菌の死骸や炎症により剥がれ落ちた膀胱粘膜の細胞は結晶を作り出す芯になります。
④ミネラルの多く含まれた食事
ミネラルの多く含まれた食事は、尿中へのミネラル排泄量を増やしてしまい結晶の原因となります。
バランスのとれた食事をしましょう。
⑤尿pH
尿のpHはストラバイト結晶の形成に大きく関係してきます。
ストラバイト結晶は尿pHがアルカリ性(pH7.0以上)だと形成されやすく、酸性(pH7.0未満)だと溶けやすいです。
一方、リン酸カルシウム結晶は尿pHに関係なく形成されます。
尿結石ができているサインとは?

おしっこの中に結晶ができ始めると、排尿の時に違和感があります。
その時のわんちゃんのサインを見逃さなければ早期に気づいて治療を開始することができます。
- おしっこの回数が多い。少量頻回
- おしっこが濁っている
- おしっこに血が混じっている
- トイレを失敗する
- 元気や食欲がない
- おしっこ中に鳴く
- おしっこをしたがらない
自分で判断できないときは、おしっこを容器に入れて動物病院で検査をしてもらおう。もしおしっこが取れなかったときは、おしっこ中の様子を録画して獣医さんに見せてみよう。
尿結石の治療と対処法

治療法としては、手術による摘出か尿pHを下げる食事療法が主流です。
手術での摘出は、動物にかかる麻酔のリスクや痛み、費用面も考える必要があります。基本的に、食事療法で溶けなかった場合や、すでに尿管に詰まっているときなど緊急性のある場合には手術が適応になります。
食事療法は自宅でもできる治療法です。尿結晶の種類にもよりますが、結晶が小さいうちに食事療法を行えば高確率で尿結晶を溶かすことはできます。
動物にも無駄な痛みを与える心配はありませんが、一般のドックフードよりも値段が高く、ペットの食の好みによっては食べてくれないこともあります。
またペットの体質によっては食事を一般食に戻した際、尿結晶を再発することがあるので定期的な検査が必要です。
まとめ:なぜ?薬だけで尿石症が治らないその理由
尿結石は基本的に薬で治療はしません。
なぜなら、尿結石ができる原因は体質と動物のライフスタイルにあるからです。
今は尿結晶は出てないけど、
- 水を飲んでくれない
- おしっこの回数が少ない
から心配というときは、ドライフードをやめて缶詰などの水分の多いウェットフードにするか、ドライフードをお湯でふやかして食べさせてあげてください。
水分量の多い食事なら水を飲まなくてもある程度は水分補給ができます。