デグーの赤ちゃんって見たことありますか?
他のげっ歯目と同じような感じじゃないの?と思う方もおられるでしょうが、実際はハムスターやマウスと違い毛が生えた状態で生まれてきます。
そのため親デグーによる育児放棄や仔喰いは少ないといわれていて、デグーの繁殖はさほど難しくはありません。
この記事では、デグーの繁殖を考えている方のために必要な情報をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
デグーの繁殖の前に
デグーはとてもかわいくて、赤ちゃんを見たいと考える方も多いと思います。
しかし、デグーは一度で4~6匹の赤ちゃんを出産します。
☑生まれてきた全ての仔デグーを飼育する覚悟はありますか?
☑飼育できない場合は里親さんを事前に見つけられますか?
デグーは群れで飼育することが可能ですが、数が増えれば飼育スペースも大きくしてあげないといけません。
また、親兄弟での繁殖は近親交配になるためオスとメスで飼育ケージは分けないといけません。近親交配は奇形や遺伝性の病気にかかりやすくなるといわれているため絶対に避けましょう。
飼育するデグーが増えるほど、エサの量や掃除の頻度も多くなりますし、お世話が大変になります。
生まれたデグー全員を飼育する覚悟ができない方や、飼育できない仔デグー達の里親さんを繁殖する前に見つけておくことができない場合はデグーのためにも繁殖をあきらめましょう。
繁殖のための知識をつけよう
繁殖させる場合に、まずはデグーの繁殖・妊娠・出産についての知識をつけましょう。
性別の見分け方
オスとメスの違いは肛門から生殖器の長さで見分けられます。
メスは肛門から生殖器の長さが短く、オスは長いです。
性成熟と繁殖時期
性成熟とは、体が子供を作れる状態になり繁殖ができるようになったことをいいます。
デグーの性成熟は個体によって差がありますが、3か月(12週)頃といわれています。
しかし、性成熟=繁殖適齢期というわけではなく、性成熟とは子供を作れるようになっただけで、デグーの繁殖適齢期は1歳以降といわれています。
1歳まではまだデグーの体が完全に大人になっていないため、1歳以降に繁殖することをおすすめします。
発情周期
デグーのメスには発情周期があり、だいたい21日(3週間)間隔といわれています。
発情日以外にはオスを受け入れないため、交尾を確認できたら発情が来ていることになります。
オスには発情周期はなく、性成熟以降は年中いつでも交尾が可能です。
交配
交配はお見合いからスタートします。
- デグーのオスとメスを各1匹ずつにする一夫一妻
- デグーのオス1匹にメス2~3匹をあてがう一夫多妻のハーレム
のどちらでもいいのですが、
雌雄での相性が悪ければすぐにケンカが始まってしまいますので、
いきなり同じケージに入れるのではなく、
それぞれのケージを並べ、お互いのニオイと存在を意識させましょう。
慣れてきたらメスの方をオスのケージに入れます。
(逆だとメスがオスを攻撃する可能性があります。)
デグーのオスとメスを同じケージに入れて、
メスがオスを気に入ると、尾を上げた姿勢(ロードシス)になり交尾を許容します。
オスがメスの背中に回り交尾を行った後、オスとメスは別々のケージに戻します。
ですが、一回の交尾で確実に妊娠するとは言えませんので、
数日後にもう一度交配させるといいでしょう。
妊娠期間
デグーの妊娠期間は約90日(3か月)です。
ハムスターやマウスなどのげっ歯目よりも長い妊娠期間で、毛が生えて目が開いた状態で生まれます。
ある程度しっかりした状態で生まれてくるため、親デグーによる育児放棄や仔喰いは少ないといわれていますが、出産後は神経質になっているため、育児放棄や仔喰いを防ぐためにもしばらくは触ったりせずに親デグーに子育てを任せましょう。
妊娠の見分け方
デグーの妊娠は、動物病院の獣医さんが触診・レントゲン検査・エコー検査で判断します。
どれだけの子どもがお腹にいるかによりますが、
妊娠後半になると、子供が大きくなり、それに従ってお腹も膨らんできます。
しかし、
デグーは他のげっ歯類と比較しても、
妊娠期間が長く、交尾を確認できなかった場合は、
産む数十日前まで妊娠に気が付かないこともあります。
そんな時は、
エサの量が同じなのに体重が徐々に増えてきていないか、
お腹が膨らんできていないか
をよくチェックしましょう。
妊娠がわかったら
デグーの妊娠期間は長く、交尾を確認できなかった場合産む数十日前まで妊娠に気が付かないこともあります。
エサの量が同じなのに体重が徐々に増えてきたり、お腹が膨らんできているのが確認出来き、妊娠がわかった時点で以下の点に気をつけましょう。
食事に気をつける
妊娠がわかったら、いつもの食事メニューよりも少し”高たんぱく”な食事になるようにします。
具体的には、普段与えている牧草のチモシーだけではなく、高たんぱくであるアルファルファという牧草も与えるようにしましょう。
アルファルファは高たんぱくで栄養価が高いため、普段使いで与えていると肥満の原因になったり、カルシウムも多いため生涯継続して与えると尿石症などにもかかりやすいです。
出産前と出産後には大掃除は控えて
出産前と出産後は親デグーが神経質になっているため、掃除する場合は必要最低限にしてください。
最低でも出産してから2週間ぐらいは大掃除を控えた方が無難でしょう。
オスは子育てを手伝うが、出産後すぐ交尾の可能性もある
オスはメスが出産したら、一緒に子育てを手伝いますが、デグーは出産直後にすぐ発情が来るため、場合によってはまたすぐに妊娠してしまいます。
メスの体の負担を考えて、オスは出産までに分けておいた方が良いでしょう。
出産~子育ては親デグーに任せよう
デグーは基本、人の手を借りずに出産と子育てをおこないます。
そのため、親デグーが子育てしやすいように静かな環境を作ってあげ、暖かく見守るだけで大丈夫です。
離乳時期は生後1か月~2か月頃といわれており、離乳まではお乳を飲みながらも牧草を齧ったり固形フードを食べてみたりして、少しずつ乳離れしていきます。
まとめ:デグーの繁殖について
デグーの繁殖についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
今回の記事のポイントは以下の通りです。
- デグーは一度に4~6匹の赤ちゃんを出産する
- デグーの性別は”肛門から生殖器の長さ”で判別する
- 性成熟は生後3か月頃ですが、繁殖は生後1歳以降がおすすめ
- 妊娠期間はおよそ90日でハムスターなどと比べれば長め
- 妊娠がわかったら牧草はチモシーだけでなく、アルファルファも与える
- メスの体の負担を考えて、オスは出産までに分けておいた方が良い
- 離乳時期は生後1か月~2か月頃