ほとんどの人は小さいときに多くの生き物に接してきたと思います。
子どもならではの好奇心で、
怖いものを知らず、
目につくものを観察し、
触れあい、
時にけがをしてきたことでしょう。
そこには学びがあり、
好きと嫌いを知ったでしょう。
子どもというのは好奇心の塊で、世の中の知らないすべてのことに興味をもっています。
しかし、大人になるにつれ好きと嫌いがはっきりしてきます。
特に好き嫌いが目立つのは昆虫です。
子どもの頃は触れられたのに今はセミすら怖い・気持ち悪いと言う大人も少なくはありません。
昔は野原を駆け回り川で遊び山で虫取りをしていたという人も多いでしょう。
しかし、今の時代は外で遊ぶ子どもを見かけることも少なくなりました。
これにはテレビやインターネットの普及が少なからず影響しています。
世の中が便利になることはとても良いことですが、
便利になればなるほど、子どもは外に出て遊ばなくなります。
家の中でも好奇心を刺激するもの(インターネットやゲーム、テレビ)があるため外に出る必要がなくなるのです。
本来、自分自身で経験し時間をかけて学んでいたことを、
他の媒体で時間をかけずに知ることは、
方程式だけ学んで、計算法を知らないことと似ています。
過程をしらず結果だけを求めることが悪いわけではありませんが、
子どものころは過程を大切にしたほうがいいでしょう。
特に生き物にかかわることなら、
その子の今後の人生を左右するかけがえのない経験となるでしょう。
しかし生き物に触れ合う機会の減った子どもがテレビなどを見てペット(動物)を飼いたいと言って来た時はよく考えてください。
どんな小さい生き物にも命があります。
その場の感情に左右されずに、
今後家族として生活を共にできるのか、きちんと世話ができるのかをお子さんと話し合ってください。
今回の記事では、
生き物を飼うときに生まれるメリットとデメリットのほか
親として子どもに伝えるべきことを書いていきます。
ここでの知識が少しでもあなたの役に立てば幸いです。
生き物を飼うということ
生き物とふれあいことは、子どもの成長にとどまらずあなた自身にも大きい影響があるでしょう。
生き物を飼うということは、
その命に対する責任が生まれます。
途中で世話をやめたり、捨てたりするのは論外であることはもちろん
健康で快適に暮らせるように生活圏を整えてあげなければなりません。
そのためには少なくないお金が必要となります。
さらに時間や手間もかかります。
しかし、それを補って余りあるかけがえのない経験をペットは私たちにもたらしてくれます。
生き物を飼うことで背負う責任
生き物を飼うということは、その命を預かるということ。
モノを預かるということは、拒否することもできます。
しかし一度預かったのならば、その預かりモノに対する責任を持たなければなりません。
人と動物がともに生きていくうえで社会や近隣に迷惑をかけないためには、飼い主側でモラルとマナーを守っていく必要が出てきます。
守ってほしい5か条
- 1.動物の習性等を正しく理解し、最後まで責任をもって飼いましょう
- 飼い始める前から正しい飼い方などの知識を持ち、飼い始めたら、動物の種類に応じた適切な飼い方をして健康・安全に気を配り、最後まで責任をもって飼いましょう。
- 2.人に危害を加えたり、近隣に迷惑をかけることのないようにしましょう
- 糞尿や毛、羽毛などで近隣の生活環境を悪化させたり、公共の場所を汚さないようにしましょう。また、動物の種類に応じてしつけや訓練をして、人に危害を加えたり、鳴き声などで近隣に迷惑をかけることのないようにしましょう。
- 3.むやみに繁殖させないようにしましょう
- 動物にかけられる手間、時間、空間には限りがあります。きちんと管理できる数を超えないようにしましょう。また、生まれる命に責任が持てないのであれば、不妊去勢手術などの繁殖制限措置を行いましょう。
- 4.動物による感染症の知識を持ちましょう
- 動物と人の双方に感染する病気(人と動物の共通感染症)について、正しい知識を持ち、自分や他の人への感染を防ぎましょう。
- 5.盗難や迷子を防ぐため、所有者を明らかにしましょう
- 飼っている動物が自分のものであることを示す、マイクロチップ、名札、脚環などの標識をつけましょう。
引用元:環境省ホームページ
この他にも、気を付けなければいけないことがあります。
それは小鳥や亀、熱帯魚のような本来日本に生息していない
エキゾチックアニマルという動物たちで、
人の手を離れ野生で生きることはできません。
小さいかごや水槽に入れておくことがかわいそうだからと言って野に返すと、
時に日本の自然で数を増やすこともありますが、
それは日本固有の生き物の生態系を脅かす外来生物という枠に入り
駆除の対象となってしまいますってしまいます。
ブラックバスやブルーギル、アメリカザリガニ、ワニガメ、アライグマ、ウシガエルなどはさまざまな目的で人が日本に持ち込みました。
そして定着し多くの問題が起こっています。
一時の感情に流されるのではなく、少し立ち止まりよく考えてみてください。
生き物を飼うことで生まれるメリットとデメリット
ペットを飼うということは新しい家族が増え生活に変化が出ます。
生活に変化があらわれると、良くも悪くもあなたやお子さんに影響が出ることでしょう。
ここで、生き物を飼うことで生まれるメリットとデメリットを見ていきたいと思います。
メリット
- 子どもの成長にいい影響が生まれる
- 日々のストレスを癒してくれる
- 生活リズムが規則正しくなる
- 家族同士で会話がはずむ
- ペットを通じて交流がひろがる
- 命について学ぶことができる
デメリット
- 時間をとられる
- お金がかかる
- 噛む吠えるなどの問題行動が出ることもある
- においが問題になることもある
- マンションやアパートを断られることも
- 気軽に旅行にいけない
- 別れがくる
生き物を飼うことでおきる子どもの変化
先ほどまとめたメリットの中で特にお子さんへの影響は大きいです。
生き物と触れ合うことで、
言葉を使わないコミュニケ―ション能力がつき、
毎日世話をすることで継続する力や我慢することを覚え、
そして最後の別れで命の尊さを知る機会を得ます。
ペットが子どもに与えた影響として調査されたことがあります。
思いやりの心を持つようになった」(51.3%)という回答が第1位となりました。以下、「動物が好きになった」(43.6%)「命の大切さを理解できるようになった」(43.5%)という回答が続いています。
※兄弟・姉妹がいる場合は、最もペットのお世話をした子について聞いています。
やはりペットを飼うことで、
相手に対する気づかいや思いやりを持てるようになり
精神的に成長する傾向にあるように思えます。
生き物を飼うときに親が気を付けること
生き物を飼う際にお金や時間、手間がかかることはお話ししましたね。
これとは別に気を付けるべきことがあります。
- 家族に動物アレルギーがないことを確かめる
- 室内で飼う場合、毛や排泄物で汚れることがある
- そのペットの習性や食べてよいものダメなものを知る必要がある
- 人より短命であることを理解しておく
- 身勝手に自然に帰してはならない
どんな小さな生き物であれ、
一度飼うと決めたならその命が終わるときまで面倒を見る覚悟をしておきましょう。
親が子どもに伝えるべきこと
インターネットが普及した現在、子どもが生き物と触れ合う機会は昔と比べ圧倒的に減っています。
しかし少子高齢化が問題となっている現在、
15歳以下の子どもの人数よりもペットの数のほうが圧倒的に多いという調査結果が出ています。 テレビなどの影響を受け、動物を飼いたいといういうお子さんもいるでしょう。
そんなときに親としてペットを飼うということがどうゆうことかを子どもに伝えていかなければなりませんね。
子どもは小さい時には難しいことを言っても理解はできません。
難しい言葉を使わず言い聞かせるために下記の5つは頑張って伝えたほうがいいでしょう
- なぜペットがほしいのか。
- おもちゃとは違い生きているということ。
- ペットを飼ったときに自分(子ども)で世話をしなければいけないこと。
- 人よりも命が短いということ
- 必ず別れが来るということ
それでもなおペットがほしいと子どもが言うのであれば、
大人である親が経済状況やペットを飼う責任を理解し検討してみてください。
まとめ
動物を飼うことには時間もお金も手間もかかります。
お子さんが小さいときには、手間のかかる子供が増えたと感じるかもしれません。
しかしそれ以上の価値のある経験があなたとあなたのご家族にかけがえのない物となるでしょう。
よく考えて新しい家族を迎え入れるかご検討ください。