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獣医師の在り方│これから獣医師を目指すという方に知ってほしいこと

こんにちは、管理人のクラゲです

私は現在、一次診療の動物病院に勤めています。

と言っても今年の4月からはいったばかりですので、まだまだ看護師や手術助手のような役割で動いています。一人前の獣医師になるにはあと数年はかかるでしょうね(汗)

私は獣医師として働いていますが、別の仕事・やりたいこと・夢や目標があるので一生獣医師として働くかはわかりません。チャンスがあれば別のことをしているでしょう。

そんな自分ですが、獣医師として勤務し始めて6か月ほどたち仕事に慣れ始めてくると自分にとっての理想の動物病院の在り方を考えるようになってきたんですよね。

その人その人よって動物病院の在り方はさまざまです。

飼い主の方にとっては、病気になった我が子同然のペットを治療して元気にしてくれるところだったり、初めてペットを飼育するうえでの心配事・お悩みを相談し解決してくれる場所だったりするでしょう。

獣医師や動物看護士などの生き物に直接かかわる職業の人にとっては、日々の努力・知識を発揮する場であったり、動物が好きだから元気になってもらいたいからだったりするでしょう。

今回は、私こと「すぐる」が思う・理想とする動物病院の在り方と獣医師になったきっかけについてお話していこうと思います。

現在、獣医学生として勉強している方・獣医師になりたいと思っている方の未来での立ち位置に少しでも良い影響を残せたらうれしいです。

獣医師になる人の特徴は大きく6つ

よく職業検査・適性試験などで獣医師に向いている人の特徴として挙げられているのは、以下の人たちと言われています。

  • 動物に対する愛情と冷静な心を持てる人
  • 勉強・研究熱心である人
  • 体力のある人
  • 人と接するのも苦でない人
  • 専門的に掘り下げられる人
  • 柔軟な発想と適応能力を持てる人

引用元:Career Garden

獣医師として働きたいのならこのうち3つ4つの適正はあったほうがいいでしょう。

しかし間違えてはいけないのが、最低限獣医師になるのに必要なことは獣医大学を卒業して国家試験を合格し「獣医師免許」を取得することです。

上記の適性がないからと言って諦めたりしないでください。

私の友人には動物嫌いだけど医学部に合格できなくて滑り止めで受かったから獣医学部に来たってやつもいました(笑)

それでも生き物が好きだからという理由の人が大半でした。

獣医師になるメリット・デメリット

どんな職業いおいてもメリット・デメリットがあります。

もしあなたが将来獣医師として働きたいと思っているなら、最低限のメリットとデメリットは把握しておいてください。

  • 国家資格である獣医師免許を持っておけば最低限、就職先に困らない。
  • 直接動物にかかわらない仕事先(企業・公務員)もある。
  • 動物が好きならやりがいがある。
  • 開業すれば自分のペースで仕事ができる。
  • 短期間で多くの動物とかかわれる。

以下大学生活でのメリット

  • 大学生活が6年間と長い(学生生活を楽しめる)
  • 技術と知識がつく
  • 6年間を共にする仲間ができる
  • 獣医師免許を取るまでに時間がかかる(大学6年間+国家試験)
  • ほかの大学よりもお金がかかる
    (6年間の授業料、国立大学:350万円、私立大学:1400万円)
    このほかにも教科書代、生活費、光熱費など6年分
  • 動物病院なら勤務時間が長く体力的にきつい。
  • 時給に換算するとコンビニバイトよりも給料が少ないこともある。
  • 多くの動物の死を見届けなければならない。
  • 血がダメな人には向かない。
  • 労働環境が悪い仕事場も多い

以下大学生活でのデメリット

  • 9:00~18:00くらいまで講義が詰まっているため、アルバイトなどができない場合が多い
  • 定期試験がむずかしく留年する人も年に5~6人はいる。
  • 少なからず実験動物を使うので、動物の死や実験動物を嫌悪する人には厳しい
  • 家畜や糞尿のにおいがきつい

獣医師専門の転職サイトや仕事の本音をきくサイトがあります。

そこでの話の内容を見るとネガティブな意見も多く将来を不安にする人も多いでしょう。そういう意見を見聞きしても変わらない熱意・決心がなければ獣医師として続けていくことは厳しいかもしれません。

しかし、最近は獣医師の働き方を変えようと努力している人たちもいます。

あなたが6年後に獣医師になった時には今の意見も大きく変わっているかもしれません。

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私が獣医師になったきっかけ│愛猫の病気と高校時代

ここで管理人のクラゲが獣医師にを目指そうと思ったきっかけも載せておきます。

私は大阪生まれの大阪育ちで将来のことなど何も考えないまま、流れに任せて小学校・中学校を卒業し電車で数駅離れた高校に入学しました。

高校生活と言っても特に大きく変わったことはなく、日々を過ごしていました。

いつもと変わらず授業を終えて電車に揺られていると、一本のメールが屠蘇来ました。そのメールは母親からのもので短い文章がかかれていました。

「猫、危篤、早く帰ってこい」

実際の文章とは違いますが、こんな感じの内容でした。

「は?どういうこと?」と思いながら、家に帰りました。

家に帰って母親にメールのことを聞いてみると、当時飼っていた猫が腎臓病になったということでした。朝見たときは元気だった猫を見ると、元気もなくジッとしている状態でした。

当時の私は高校生と言っても、病気についての知識も体の臓器の役割も知りませんでした。そのせいもあり、「猫が元気がないな~、猫の好きな食べ物あげたら元気になるかな?、今はそっとしておこうか」などと楽観的に考えていました。

それからの1週間は忘れられません。

日に日に衰弱していく愛猫。自分の力では何も食べられず何も飲めなくなっていました。私は日中高校へ行っていましたので、猫の世話のほとんどを母親がみていました。

そして、母からメールをもらった約1週間後の朝に猫は亡くなりました。

朝起きて冷たく固くなってしまった猫の亡骸は記憶に焼き付いています。

その日から私は獣医師を目指すようになりました。頑張って勉強して親に金銭的に無理してもらった結果、現在獣医師になることができました。

しかし、私は病気の動物たちを治療したい・元気にしたいと思って獣医師になったわけではありません。もちろん生き物は好きだし元気に過ごしてほしいと思いますが、それよりも知らないということがひどく怖かったんですよ

知っていれば未然に防げたことも、知らなかったばかりに手遅れになってしまった。

そんな経験があったからこそ、私は知りたかった。(当時ネットワークは普及しだしたばかりで、情報は少なかった)

病気の原因や予防法を知る意味も含め、私は獣医師の道を進みました。

そして、現在獣医師として働いていますが、一生この仕事を続けたいか聞かれたら「続けない」と答えると思います。

私は獣医師として働く夢があったわけでも、熱意があったわけでもありません。

ただ知りたかった。
愛猫が死んだ原因やどういう病気だったのか、何か予防法があったんじゃないか、よく考えます。今思えば腎臓病になる原因も思いつきますし対策もできたでしょう。

今じゃなく当時知っておきたかった。そんな後悔が今も残っています。

獣医師として、すべての飼い主の方に言いたいことは1つだけ! 電話をしてください。

私は1次診療の動物病院に勤めていますが、そこでよく目にするのが「数日前から元気がなくて様子を見ていたんだけど、一向に良くならないから今日来ました。」という飼い主の方方々。

動物は人と違い言葉を話せません。

言葉を理解しているわけでもありません。

自分の体調を教えてもくれません。

だから、気づくのが遅れます。小さい家族の体調の変化を。

そして気づいた日よりも前に、その子の体の中で異常が起きているはずです。そこから数日様子を見ても、基本的に良くなることはありません。病院で治療をすればお金はかかりますが、たいていの場合は元気になるでしょう。

しかし、そうならない場合もあります。

後悔しないためにも、お願いです。家族の体調がおかしいと思ったなら、その日のうちにかかりつけの動物病院に電話をして様子を伝えてください。

電話での様子とカルテをみて獣医師が判断できることもあります。

様子を見ている間に手遅れになる可能性もあります。家事の合間でも、仕事の合間でもかまいません。

その1本の電話で助かる命もあります。

ですから面倒と思わず、電話だけでもしてください。

お願いします。

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます。

あなたが獣医師を目指している方なら、すこし立ち止まって考えてください。一生をその仕事で過ごすのか、熱意や決心はあるのかを。

私は獣医師になって後悔はしていません。
しかし一生を獣医師として働くことはしないと思います。それは本文でも述べていますが、獣医師を目指した理由にあります。

私はただ「知りたかった」だけなのだと、獣医師になってから気づきました。

あなたの一生をかけてもいいと思える仕事を時間をかけて見つけてください。

そして生き物の飼い主であるなら、小さな家族の体調の変化を見逃さないでください。

少しでもおかしいと思ったなら、受診しなくとも電話にて様子をかかりつけの動物病院に伝えてください。それだけで少し未来が変わります。

小さな家族が健康で寿命を全うできるかはあなたにかかっています。

後悔のないように毎日を楽しく過ごしてください。