こんにちは!管理人のクラゲです。
犬や猫を飼っていて、お腹を壊したり、尿石ができたりで療法食を出される経験ないですか?
基本的には、獣医さんが療法食の給餌量や使用期間は教えてくれますが、中には説明不足の方もいますし、病院によって考え方が違う場合もあります。
そんなとき、なかなか質問しづらいという飼い主さんも多いのではないでしょうか
そんな飼い主さんに向けて、犬や猫の療法食はいつまであげるべきかを回答していきます。
※この記事での回答はあくまで一例です。実際に療法食を止めるかどうかは、獣医師と相談の上で決めて下さい。
療法食はいつまで続けるべき?
療法食はいつまで続けるべきかは、まず療法食がどういうものかを知っておいたほうが良いでしょう。
療法食とは、特定の病気に対応するために、特別に栄養のバランスが調整された食事。
療法食をいつまで続けるかは、この「特定の病気」というのがポイントになります。
病気と一口に言っても、一過性の腹痛から加齢による臓器の機能低下など様々です。
ですので、あなたの家族である犬・猫がどんな病気なのかによって療法食を与える期間は変わってきます。
※診察した獣医師の判断次第で療法食を変更・中止することはあります。
具体例は後述しますね。
療法食には種類があり続ける期間は異なる
療法食にはその目的ごとに、以下の11種類に分けることができます。
- 尿石
- 皮膚
- 関節
- 心臓
- 腎臓
- 消化器
- 肝臓
- 肥満
- 糖尿
- 口腔管理
- 退院サポート
尿石症用の療法食はいつまで続けるべき?
尿石症は膀胱内や腎臓内にミネラル成分が析出し硬い石ができてしまう病気です。
これは体質や食事内容でできやすさが変わってきますが、一度尿石症になってしまうと再発しやすいといわれています。
そのため、一度尿石症用の療法食を使い始めたなら、一生涯使うことが望ましいです。
もちろん優先度の高い病気(心臓病・腎臓病など)が併発した場合、そちらを優先し療法食を変更する場合もあると思います。
しかし、ロイヤルカナンやヒルズなど大手の療法食メーカーの手掛けるものは、複数の病気に対応したものもありますので、診察を担当している獣医さんに相談するのがいいでしょう。
皮膚用の療法食はいつまで続けるべき?
皮膚用の療法食は、主に食物アレルギーでの痒みなどの皮膚症状を抑える目的で使われます。(多くの場合内服と併用されます。)
食物アレルギーは、以下の2つを知ることでコントロールできる可能性があります。
- アレルゲンを特定する
- 症状が出る閾値を知る(基本的に原因となる食材は与えない方がいい)
アレルギーの原因となるアレルゲン食材を特定し除去した食事・フードで、症状が改善・再発しないなら皮膚用の療法食を止めても大丈夫だと考えます。
※併用している内服を止めても大丈夫かは担当している獣医さんしかわかりません。
しかし、そのためには飼い主さんとご家族の協力が必要不可欠です
犬や猫が口にするものはすべて原材料を確認する必要がありますし、家族間で意思疎通ができていないと、アレルゲン食材の入ったおやつを勝手にあげられてしまったこともよく起こります。
関節用の療法食はいつまで続けるべき?
関節用の療法食は、ω3系不飽和脂肪酸(EPA、DHA)、加水分解コラーゲン、緑茶ポリフェノールなどの関節の健康維持に必要な栄養を配合されたフードです。
これらの栄養素はサプリメントで代用可能なので、必ずしも続けなければいけない療法食ではありません。
ですが関節用の療法食は、栄養素のほかに
- 低カロリー(体重管理)
- pHコントロール(尿石予防)
などの効果のあるものもありますので、愛犬・愛猫の健やかな健康を望むのであれば使い続けてもいいでしょう。(製品によります。)
使い始めのタイミングは獣医さんに質問することをオススメします。
心臓用の療法食はいつまで続けるべき?
心臓病は知らず知らずのうちに進行していき、何もしなければよくなることはありません。
そのため、定期的に動物病院で健康診断を行い、少しでも心臓病の兆候が見られたら対策をしていくことが、後の健康につながります。
その手段の一つとして心臓病用の療法食がありますが、療法食のみで心臓病をコントロールすることはできません。必ず内服薬使ったうえで、さらに心臓の健康のために療法食を使います。
一度心臓病の兆候(心雑音など)が出はじめたら、内服薬や療法食はやめてはいけません。
内服のみでコントロールできることもありますが、基本的に併用することで効果は上がります。
腎臓病用の療法食はいつまで続けるべき?
腎臓は他の臓器と同じく、ダメージを受けたり衰え始めたらよくなることはありません。
内服を使うと同時に、腎臓の負担とならないように食事中のリン・タンパク質の含有量を制限するために療法食を使いますが、進行を遅くするだけですので一度使い始めたら継続しなければなりません。
また、腎臓病が症状として目に見えるときは、すでに腎機能の50~75%は失われている状態ですので、早め早めに健康診断を行い早期に見つけることが重要になります。
今であれば、腎臓の早期診断のためのSDMAというマーカーを測定する方法もあります。
消化器の療法食はいつまで続けるべき?
消化器症状の改善のために使う療法食は、原因が何かによって使う期間が変わってきます。
一過性の下痢(フードを変更した・落ちてるものを食べてしまった)の場合は、病院で整腸剤と消化器サポートなどの消化のいいフードをもらい、使えば次の日にはよくなりますが、
食物アレルギーや感染症による消化器症状では、根本にある原因を解決しなければいつまでたっても療法食をきることはできませんし症状は改善しません。
肝臓用の療法食はいつまで続けるべき?
肝臓は再生能力がたいへん高い臓器で「沈黙の臓器」とも呼ばれ、かなりの障害を受けてからでなければ症状として表れてきません。
そのため健康診断の血液検査で偶然異常が発見されることの多い病気の一つです。
肝臓病用の療法食とは、「肝疾患にともなう高アンモニア血症を呈する犬に給与することを目的として調製された食事療法食」です。
アンモニアは生体にとって有毒です。通常肝臓で尿素に変換され無毒化した後に尿として排泄されますが、肝臓の機能が低下すると、尿素に変換できず、アンモニアが血中に増加し神経症状が起こっていまいます。
そのため肝臓病用の療法食は、
- 消化性の高い良質なタンパク質を適切な量に調整
- 脂肪および銅の含有量を制限
- 必須脂肪酸、亜鉛および消化性の高い炭水化物を増量
にすることで、アンモニアの発生を少なくし肝臓の負担を減らす目的で作られています。
よって、通常の食事に戻すリスクが高いため肝臓病用の療法食は一生涯続けた方がいいと考えます。
肥満用の療法食はいつまで続けるべき?
肥満用の療法食は、減量を目的としているので、目標体重にまで減らすことができたら止めてもいいとは思います。
しかし、肥満用の療法食は、少量でもお腹が膨らむよう設計されているため、通常のフードに切り替えた際、犬や猫が足りないからもっとよこせと言ってくる可能性もあります。
そんな時におやつやフードを追加であげてしまうと、折角減量した意味がなくなってしまいますので、療法食を止めるのであれば、鋼の意思をもっておねだりを断りましょう。
もちろん一日に必要な量は必ずあげてくださいね。
また、肥満用の療法食は、食物繊維が豊富なので便秘に対しても効果がありますよ。
糖尿病用の療法食はいつまで続けるべき?
糖尿病用の療法食には、食物繊維が豊富に含まれ糖の体内での吸収を穏やかにし食後の一過性の高血糖を抑制する効果があります。
基本的に糖尿病をコントロールする(血糖値の上昇を抑える)には
- インスリン注射
- 食事療法
- 運動
が必要となってきます。
しかし、犬や猫を運動させるには難しいので、インスリン注射と食事療法がメインとなってくるのですが、インスリン注射だけでコントロールできるこもいるし食事療法のみでコントロールできるこもいます。
療法食を使って血糖値がコントロールできるのであればやめる必要はないでしょう。
口腔管理用の療法食はいつまで続けるべき?
t/dのような口腔用の療法食は、歯につく歯垢を落とし口臭の軽減を目的としています。そのためご自宅で犬・猫の歯磨き(口腔ケア)ができるのであれば、止めても大丈夫でしょう。
もちろん、口腔ケアの効果を上げる意味であげ続けても大丈夫です。
退院サポートの療法食はいつまで続けるべき?
クリティカルリキッド、退院サポート、a/d のような疾病回復期、手術後などの栄養要求量が高まっている犬や猫に給与する目的で特別に調整された食事療法食は、獣医師の判断で止める時期を決めたほうがいいでしょう。
下手に早く止めてしまうと回復が遅れてしまいますし、長く続けていても特段健康になるわけではありません。
目的(回復)が達成したと獣医師が判断したならそこで終了しましょう。
まとめ:犬・猫の療法食はいつまで続けれるべき?期間は病気や症状で異なる!
ご覧いただきありがとうございました。
この記事では、それぞれの療法食がいつまで続けるべきなのかを回答していきましたが、個人の判断で止めるべきではありません。
必ず獣医師と相談しとめる時期を決めて下さい。
ではこの記事が少しでもあなたのお役に立てたのなら幸いです。