こんにちは!管理人のクラゲです
そんな疑問解消のために
「水風呂の最適温度」について解説していきます。
- 水風呂の定義
- 人が冷感を感じるメカニズム
- サウナ・入浴後に入る水風呂の最適温度
【結論】”ととのう”目的なら18℃前後!体への負担を考えるなら27〜30℃が目安
この記事の結論をまとめると以下のようになります。
- 人の冷感センサーは大きく2つ。「TRPM8とTRPA1」と呼ばれるTRPチャネル
- TRPM8:25~28℃以下の冷たさを感じる
- TRPA1:17℃以下の冷たさを感じる
- TRPA1は外因性の刺激(低温)で痛みも生じる
- 10度以上の温度差はヒートショックのリスクもある
⇒ととのう目的なら18℃前後、体の負担を考えるなら25~30℃くらいが水風呂の適温
温泉や銭湯、サウナに設置されている
水風呂に何度以下の決まりはありません
1桁の水風呂もあれば
プールくらいの温度の水風呂もあり
10~20℃くらいの水風呂が多いです。
そんな水風呂の最適温度は
人の冷感センサーや体への負担を考慮する必要があり
- 17℃未満
- 18℃前後
- 27~30℃くらい
※外気温・体温・持病等も関係してくる
が一つの目安となります。
中にはシングルと呼ばれる
一桁台の痛いほどの水温の水風呂もありますが
温度が低ければ低いほど
”ととのう”になりやすいというわけではなく
逆に痛みを感じやすく体の負担となりやすいので
体に負担なく気持ちいと思えるくらいの
水温の水風呂を利用するようにして下さい。
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【水風呂の定義】何℃以下なら水風呂?
まずは水風呂の定義について。
一般的に何度以下なら水風呂と呼ばれるのでしょうか?
水風呂に明確な温度の決まりはない
水風呂の温度の規定について
などを調べてみたのですが
水風呂の温度に明確な決まりはありませんでした。
温かいお風呂の温度に関しても
以前は東京都条例で「42度以上」という
規定がありましたが
平成3年の条例改正の際に
温度に関する規定が削除されています。
※温泉の場合は25℃以上が一つの条件。
なので、
強いて言うなら「常温の水道水以下の温度」なら
水風呂といえるのではないでしょうか。
日本薬局方では「10℃以下の水が冷水、15~25℃が常温」と定義
温泉法や公衆浴場法では
水風呂の明確な定義はなかったので
他の分野から「常水と冷水」の境界線を見ていくと
日本薬局方では以下のように定義されています。
- 10℃以下は「冷水」
- 20°Cは「標準温度」
- 15~25℃は「常温」
- 30~40℃は「微温」
- 60〜70°Cは「温湯」
- 約100°Cは「熱湯」
この温度をそのままお風呂温度に
当てはめることはできませんが
一つの目安にはなるかもしれません。
全国の温浴施設(サウナ・銭湯・温泉)の水風呂は10~20℃のところが多く、一桁台(シングル、グルシン)もある
日本全国の温浴施設にある水風呂は
たいてい10~20℃の範囲が多くて
一般的には17℃前後だそうです。
中には21℃以上のプール温度くらい水風呂もあれば
シングルとかグルシンと呼ばれる
一桁台(9℃以下)の水風呂もあります。
一桁台(シングル、グルシン)の水風呂がある温浴施設 | |
北海道 | 吹上温泉保養センター白銀壮、湯めごこち 南郷の湯、サウナリゾートオリエンタル札幌 |
長野県 | The Sauna、星野温泉 トンボの湯 |
福岡県 | ウェルビー福岡、新宮温泉 ふくの湯、 |
宮城県 | ゆ処悠々、 |
東京都 | サウナリゾートオリエンタル、かるまる池袋、ヌーランドさがみ湯、桜館 |
神奈川県 | ヨコヤマ・ユーランド鶴見 |
愛知県 | ウェルビー栄、サウナイーグル、 |
京都府 | 山城温泉 |
大阪府 | サウナ&カプセルホテル大東洋、 |
兵庫県 | サウナリゾートオリエンタル |
三重県 | 神馬の湯 |
シングルの水風呂の中でも
愛知県名古屋市にある「ウェルビー栄」は別格。
マイナス25度のアイスサウナに
水風呂を設置することで
水温を3℃の極低温に保っています。
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人が冷感を感じる仕組み
温泉・銭湯・サウナにある水風呂温度は
場所場所でいろいろですが、
多くは17℃前後が一般的です。
では、なぜ17℃が一般的なのでしょうか?
その疑問の答えには
人の冷感を感じ取るセンサーの
「活性化温度閾値」が関係しています。
人が「冷たい・寒い」を感じ取る仕組みを
簡単に説明すると以下のようになります。
- TRPチャネルと呼ばれる「温度受容器」がある
- 温度受容器のうち、冷感を感じ取るのは「TRPM8」と「TRPA1」の2つ
- TRPM8は25~28℃以下の冷たさで活性化
- TRPA1は17℃以下の冷たさで活性化
- TRPA1は外因性の刺激(低温)で痛みを生じる
⇓ ⇓ ⇓
28℃以下、17℃以下で
感覚神経にあるTRPチャネルが活性化して
冷刺激を脳に伝える
冷感を感じる仕組みについては
まだまだ分かっていないことも多いので
今後、定説が覆ることもありますが
TRPA1が活性化する場合
急性痛が出ることがわかっているため
多くの人が気持ちよく水風呂を利用できるように
17~18℃くらいに設定している温浴施設が多いと考えられます。
TRPA1は,多様な外因性の刺激物質によって活性化されて急性痛を起こすだけでなく,炎症に関与する内因性物質によっても活性化される. さらに炎症時には発現量の増加や,細胞表面への移動がみられることより,TRPA1は炎症性疼痛にも大きく関与する可能性が考えられている
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心地いい水風呂の適温は何℃?
水風呂の定義や人が冷感を感じる仕組みを解説してきましたが、
実際のところ
心地いい水風呂は何度くらいなのでしょうか?
人それぞれ「冷たさ」の感じ方に個人差があり
外気温度や体温、循環器系の持病の有無なども
関係してくるので
一概に〇度とは言い切れませんが
以下の水温が一つの目安となります。
- 17℃未満
- 18℃前後
- 27~30℃
なぜこの水温が目安となるか、それぞれ解説していきますね
①体(心臓・血管)への負担を考えるなら27~30℃
体(心臓や血管)への負担を考えるなら
水風呂の水温は27~30℃程度がいいでしょう。
というのも、
入浴後やサウナ後は体温が上がっているため
ヒートショックによる
心臓・血管系の疾患が起きやすくなるから。
>>>「水風呂のリスク・危険性」
一般的に10度以上の温度差があると
ヒートショックが起こりやすくなるので
心臓や血管に持病を持つ人は
10℃以上の温度差が出ないような
ぬるいくらいの水風呂が望ましいのです。
- 深部体温は通常37℃前後に保たれている
- サウナ・お風呂に入った後は40℃前後くらいまで体温が上がる
- 全身で汗による気化熱が生じやすいサウナの方が体温の上昇率は低め(38~39℃くらい)
⇒ 深部体温-10℃=「27~30℃」となる
日常の入浴時の体温を調査した結果、20~39歳で39.6±1.0℃、40~64歳で40.4±1.1℃、65歳以上で40.9±1.0℃であり、65歳以上で有意に高いことが認められました。
引用:株式会社バスクリン
ウェットサウナ(60℃)では1セット(15分)で0.8℃、ドライサウナ(90℃)では0.5℃、深部体温が上がります。深部体温という観点で見ると、風呂(40℃)15分では0.8℃、42℃では1.6℃、深部体温が上昇することが報告されています。
引用:Forbes
②ととのう目的・人の冷感センサーを基準にするなら18℃前後
”ととのう”目的や
人の冷感センサーを基準にするなら
18℃前後の水風呂がいいでしょう。
”ととのう”とはある種のランナーズハイの状態で
体は力が抜けてリラックスできているのに
頭はすっきりしているように感じるのですが、
この状態になるにはある程度の低温刺激が必要。
短時間のうちに体に負荷をかけ
交感神経と副交感神経の両方を働かせることで
”ととのう”の状態に切り替わるのです。
- サウナ・入浴で体を温め、交感神経を刺激。アドレナリン(ノルアドレナリン)も分泌される
- 水風呂でも交感神経を刺激
- 水風呂から出ると副交感神経が優位
⇓ ⇓ ⇓
アドレナリンが代謝されるまで3~5分かかるが
自律神経は副交感神経が優位のリラックス状態。
頭はすっきりとしているのに
体は力が抜けてふわふわとしている
ただ、水温が低すぎると
冷たいが痛いに変わってしまうので
痛みも生じる冷感センサー「TRPA1」が
活性化するorしないギリギリの温度(水温)が
18℃前後なのです。
③かなり冷たく・痛いくらいの水風呂が好みなら17℃以下
火傷しそうな熱いお湯が好みという人がいるように
痛いくらいの低温の水風呂が好みという人もいるでしょう。
そんな方は17℃以下の水温を目安にしてください。
17℃以下だと
2つある人の冷感センサーのどちらも
活性化して冷感を伝えるため
- TRPM8:25~28℃の温度で活性化
- TRPA1:17℃以下の低温で活性化
※活性化すると冷感を感じる
冷たいを通り越して
痛いくらい・感覚が麻痺してくるように感じますよ。
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【注意】10℃以上の温度差はヒートショックを起こすリスクが高まる
ここまで何度が説明してきましたが、
- サウナ・お風呂 ⇒ 水風呂
- 水風呂 ⇒ サウナ・お風呂
のどちらも10度以上の温度差があるので
ヒートショックを起こるリスクが高いです。
- 心臓に持病・問題のある方
- 高血圧・糖尿病など血管に問題が出やすい方
- 高齢の方
- 虚弱体質の方
などの方は
できる限り水温の高い水風呂を利用するか
水風呂に入らずよく休憩(外気浴)をとるようにしてください。
>>>「水風呂のリスク・危険性」
また、水温の高い水風呂は
意外と長く浸かってしまいがちですが、
どんなに水温が高い水風呂でも体温より低いと
低体温症のリスクが出てくるので
水風呂1回あたり基本1分。
長くても2分以内にとどめておきましょう。
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外部温度で冷たく感じる温度が変わる!冷感センサーと周囲温度から水風呂の適温を知ろう
人が冷感を感じる取るセンサーは
大きく2つ「TRPM8」と「TRPA1」があり
それぞれ活性化する温度は違いますが
- TRPM8:25~28℃の温度で活性化
- TRPA1:17℃以下の低温で活性化
皮膚温度や外気温によって
冷たいと感じる温度が若干上がります。
- 通常、TRPM8は25~28℃以下の低温で活性化
- 35℃に温めると31.4℃でTRPM8が反応
- 40℃に温めると33.8℃でTRPM8が反応
皮膚に伸びる末梢の感覚神経に分布するTRPM8と呼ばれる冷たさセンサー。このTRPM8を発現させた細胞の周囲温度を30度から40度まで変化させた時に、どの温度で冷たさを感じるようになるかを調べたところ、周囲の温度が高ければ高いほど、冷たさを感じ始める温度も高くなることがわかりました
引用:生理学研究所
画像引用:生理学研究所
お風呂やサウナに入って
体が温まっていると30℃以上の水温でも
冷たく感じるので
体への負担も考えながら
ご自身が気持ちいいと感じる水温の
水風呂をご利用下さい。
「水風呂の適温」まとめ
ご覧いただきありがとうございました
この記事のポイントは以下の通りです
- 水風呂温度目安は「①27~30℃、②18℃前後、③17℃未満」の3つに分けられる
- 何度以下が水風呂という決まり・定義は特にない
- 一般的な温浴施設の水風呂は17~18℃くらい
- 1桁台の水風呂はシングルと呼ばれる
- 温浴施設の水風呂で17~18℃の水温が多いのは、人に2つある冷感センサーのどちらも活性化する温度が17℃前後だからと考えられる
- 温度差が激しいほどヒートショックリスクがあるので注意
⇒体への負担を考えるなら「27~30℃」、ととのう目的なら「18℃前後」、痛いくらいの冷たい水温が好みなら「17℃未満」
温浴施設に設置されている水風呂は
チラーと呼ばれる
冷却水循環装置で冷やされているので
心臓や血管に問題のある人は
なるべく水風呂を利用しないほうがいいでしょう。
体への負担を考えるなら
サウナ・入浴後は外気浴をしながら休憩したり
洗い場のシャワーから水を出して
手や足といった心臓から遠い場所を冷やしましょう
無理なく体を冷やせて
入浴・サウナ効果を感じやすくなりますよ。