こんにちは!管理人のクラゲです
そんな疑問・お悩み解消のために
「サウナ・入浴後の水風呂の慣れ方・入り方」
について解説していきます。
- 水風呂が苦手な人の理由と原因
- 冷たいと感じるメカニズム
- ととのうの正体と体に起こる変化
- 冷水に慣れる方法と水風呂への入り方
- 水風呂を利用するときの注意点
水風呂が苦手になる8つの原因・理由
まずは「水風呂が苦手」という人の
理由・原因についてご紹介します。
考えられる理由は以下の8つ。
- 心臓がバクバクする
- 冷たいより「痛い」
- 手術跡などの古傷が傷む
- 冷え性だから体を冷やしたくない
- 何がいいのかわからない
- 持ちよさをまだ体験できていない
- 体を冷やすと健康に悪そう・体調を崩しそう
- 体調を悪くした・意識を失った経験がある
- 水風呂の入り方・利用方法を間違えている
それぞれ解説していきますね。
①心臓がバクバクする
「心臓がバクバクするのが苦手」だから
水風呂に入らないという人もいます。
サウナ・お風呂で温まった後
水風呂に浸かると
- 低温で交感神経を刺激
- 水圧を受けて肺の拡張容積が減る
- 体温を保温するために皮膚血管が収縮
などによって
心拍数の増加・呼吸数の増加・血圧の上昇が起こるため
水風呂に入ると自分でも気づけるくらい
ドクドク・バクバクと強く心臓が拍動していることがわかります。
こういった血圧の上昇や心臓の強い拍動は
心臓や血管に負担となるので苦手とする人もいるのです。
②冷たいより「痛い」
水風呂の低温で「痛み」を感じる場合も
水風呂が苦手となる理由の一つです
水風呂の水温は温浴施設によってさまざま。
一般的に17~18℃程度の場所が多いですが、
21℃を超えるプールくらいぬるい水風呂もあれば
9℃以下のシングルと呼ばれる非常に冷たい水風呂もある他、
たいてい水風呂を利用する前に
サウナやお風呂に入っているので
体温は38~40℃くらいに温まっており
そんなときに
温度差の激しい水部風呂に入ると
冷感が強化されてしまいます。
人には大きく2つの冷感センサーがあり
- TRPM8:25~28℃の温度で活性化
- TRPA1:17℃以下の低温で活性化
※温度感受性TRPチャネル
このうち17℃以下の温度で活性化する
「TRPA1」は急性痛も生じることがわかっているので
17℃以下の水風呂で水温が低くなるほどに
冷たいが「痛い」に変わってしまうのです
>>>「水風呂の最適温度」
③手術跡などの古傷が傷む
過去に手術が必要なほどの
大きな怪我をしたことがあると
水風呂に入ると「古傷が傷むから苦手」という人もいます。
怪我をしてから治療をしてもらい
何か月・何年も経過したのに”古傷が傷む”という場合、
通常の鎮痛剤は効かず、治療が難しい
慢性痛(神経痛)になっていると考えられ
- 怪我などで切れた神経が治る過程での配線ミス
- 大量の痛みの信号が脊髄に入ったために、脊髄や脳の神経が変化し、痛みに過敏なった
- 痛み以外の刺激も痛みと勘違いするようになった
水風呂に入ったときの温度差・低温の刺激を
脳が「痛み」と誤認するため
古傷に痛みを覚えてしまうのです
④冷え性だから体を冷やしたくない
「冷え性だから体を冷やす水風呂は苦手」という人もいます
ただ、これは水風呂に対する間違ったイメージで
正しく水風呂を利用すれば
冷え性の改善効果が期待できます。
サウナやお風呂で体を温めることなく
水風呂だけを利用していたなら
体は冷えるだけですが、
きちんと体を温めてから水風呂を利用すれば
温熱性の「血管拡張」と
低温刺激・交感神経の興奮による「血管収縮」で
血行が改善されるので
体の末端まで血液が行きわたり
冷えを取り除く効果が期待できるのです。
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⑤何がいいのかわからない
水風呂の良さを体験できていない場合
水風呂は「のぼせ・熱中症対策用の浴槽」
というイメージの方もいます。
のぼせ・熱中症対策も間違いではないのですが
水風呂が設置されているのは
様々な効果が期待できるためです。
水風呂による温度変化で血管を収縮すると
血行が促進されて内臓の働きが活発化。
乱れていた内臓機能が正常になり
体の抵抗力が増えることで免疫力が向上する
そのほかにも
疲労回復、冷え性改善、カロリー消費
エイジングケア、体臭対策など様々な効果が期待できる
>>>「水風呂のうれしい効果」
サウナ・お風呂好きの人が良く言っている
”ととのう”にも水風呂による温度変化が必須なため
水風呂の効果や”ととのう”を体験できていないと
「水風呂は単なる冷たいお風呂」でしかないのです。
⑥体を冷やすと「健康に悪そう・体調を崩しそう」という思い込み
「水風呂は体や健康に悪そう」というイメージから
水風呂が苦手という人もいます。
こういった水風呂に対して悪い思い込みがあるほど
プラシーボ効果の反対の「ノセボ効果」がでて
水風呂の本来持つ効果が出ないどころか
体に悪影響が出てしまったがために
水風呂が苦手になってしまったという人もいると考えられます。
⑦体調を悪くした・意識を失った経験がある
過去に水風呂を利用して
体調を悪くしたり・意識を失った経験があって
「水風呂に入れない」という人もいます。
これは間違った水風呂の入り方をした人や
もともと体(心臓や血管)が弱い人に多く、
「サウナ(お風呂)⇔水風呂」によって
ヒートショックが起こってしまったのだと考えられます。
急激に血圧が下がり、脳貧血を起こすと
- めまい・立ちくらみ
- 頭痛・吐き気・失神
血圧が急上昇し、心臓・血管に負担がかかると
- 嘔吐・頭痛
- 心筋梗塞・脳卒中
こういった過去の出来事がトラウマになると
水風呂が苦手になってしまうのです。
⑧水風呂の入り方・利用方法を間違えてしまった
水風呂の入り方・利用方法を間違えてしまった人も
水風呂に苦手意識が芽生えてしまいます。
ドボンと一息に水風呂に入るもの
長時間水風呂に浸かり続けるのも間違った入り方。
他のお客さんの迷惑になって怒られますし
前述した「体調の悪化や意識を失う原因」になり
水風呂がトラウマとなってしまってしまうのです。
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人が「冷たい」と感じるメカニズムと水風呂の最適温度(目安温度)
ここでは簡単に人が冷感を感じる仕組みと
水風呂の最適温度について解説していきます。
人には温度感受性TRPチャネルと呼ばれる
温度センサーが9種類ほどあり
そのうち冷感を感じるのは以下の2種。
- TRPM8:25~28℃の温度で活性化
- TRPA1:17℃以下の低温で活性化
このどちらも感覚神経に発現し
冷刺激を脳へと伝えるのですが、
- TRPA8は外部温度が高いほど活性化温度域が上がる
- TRPA1は外因性の刺激(低温)で痛みを生じる
という特徴があります。
そういった理由があるためか、
サウナや銭湯といった温浴施設の水風呂は
17~18℃くらいの水温に保たれている場合が多いです。
ただ、入浴後は体が38~40℃くらいに
温まっているため
17~18℃の水風呂だと体温との温度差が20℃以上。
一般的に10度以上の温度差(寒暖差)は
ヒートショックのリスクが高くなるので
心臓や血管など循環器系に問題のある人は
もっとぬるめの水風呂の方がいいのです。
ただ、人によって個人差があるので
以下の水温を一つの目安にしてください。
- 17℃未満:痛いくらいの冷たい水風呂が好みなら
- 18℃前後:”ととのう”目的なら
- 27~30℃くらい:体への負担をなるべく減らしたいなら
>>>「水風呂の最適温度」
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「ととのう」の正体!水風呂に入浴した時の体の変化
昨今のサウナブームで”ととのう”という言葉を
聞いたことがあるかと思いますが、
実際のところ”ととのう”とは
体にどんな変化が起こっているか知っていますか?
詳しくは別記事で解説しているので
ここでは簡単にお話ししますが、
>>>「水風呂の体への影響と”ととのう”の正体」
”ととのう”とは「ランナーズハイ」のような状態です。
「サウナ⇒水風呂⇒外気浴」を繰り返すことで
体と脳に負荷をかけて
- サウナ・お風呂による「血管拡張と交感神経刺激」
- 水風呂による「血管収縮と交感神経刺激」
- 外気浴による「ストレス(刺激)からの解放と副交感神経優位」
ストレス(負荷)に負けないように
「α波」や「βエンドルフィン」がでるため
- α波:リラックス効果のある脳波
- βエンドルフィン:モルヒネと同じような働きがあるストレスを取り除く幸せホルモン。脳内麻薬とも呼ばれる
体はリラックス(無駄な力が抜けている)のに
頭はすっきりと冴えわたっているような状態になるのです。
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冷水が苦手でも大丈夫!水風呂への正しい入り方と冷水に慣れるための7つポイント
ここまで
- 水風呂が苦手という人の理由と原因
- 人が冷感を感じ取るメカニズムと水風呂の最適温度(目安温度)
- ”ととのう”の正体
について簡単に解説してきました。
ここからは冷水が苦手という人でも
水風呂に入れるように
- 水風呂の正しい入り方
- 冷水に慣れる方法
についてご紹介しますね。
>>>「自宅での水風呂をする方法」
基本的な水風呂の入り方
サウナ後もお風呂後も体が温まり
血管が拡張(血圧が低下)しているので
水風呂に飛び込むように
息を止めて一気に肩までつかるのは
体によくありません。
水風呂に入る前には
最低限以下の2点を意識してください。
- 体の末端から水温に慣らす
- 深呼吸しながらゆっくり浸かる
そのうえで以下のような入り方をしましょう。
- サウナ・お風呂に入って体を温める
(心拍数が安静時の2倍になった時が出る目安) - サウナ・お風呂から出て水分補給をする
- しゃがんだ状態で手足⇒肩の順に「かけ水」をして体を水温に慣らす
- 深呼吸しながら水風呂にゆっくり浸かる
(「足⇒手⇒お尻⇒胴体⇒肩」の順で水に浸かるのがオススメ) - 水風呂は30秒~1分。長くても2分浸かったらゆっくり立ち上がる
(急に立ち上がると起立性低血圧・脳貧血を起こす) - 外気浴をしながら休憩する
- 「①に戻る」を2~3セット繰り返す
”ととのう”感覚を得られるかはその人次第ですが
無理な負荷は体に毒です。
一度の通いで無理なら
2度3度と体に無理のない範囲で続けていけば
おのずと”ととのう”感覚が理解できますよ。
①ぬるめのお湯・常温の水で体を慣らす
水風呂温度には特に決まりはなく
チラー(冷却水循環装置)で冷やされているため
- 9℃以下のシングルと呼ばれる冷たい水風呂
- 21℃以上のプールくらいの温度の水風呂
など、温浴施設によって様々。
入浴後、サウナ後は体が温まっているため
水風呂の体感温度は非常に冷たく感じます。
そのため、
水風呂に入る前にかけ水をして
体を水温に慣らす必要があるのですが、
かけ水の冷たさにも我慢できないなら
「ぬるめのおor常温の水」で体を慣らしましょう。
②”足だけ”水にさらす・水風呂に入れる
水風呂に浸かるのが厳しいなら
- 足だけ(※)水風呂に入れる
- 足だけ(※)冷水シャワーを当てる
※第二の心臓ともいわれる「ふくらはぎ」まで
という方法もオススメです。
外気やふくらはぎの「筋ポンプ作用」で
冷えた血液が体を循環するので
作用自体は弱めですが
血管収縮や交感神経刺激など
水風呂に浸かったときと同じ反応が体の中で起こります。
この場合も30秒~2分の間で足を冷やした後
外気浴と水分補給をしたのち
サウナ・お風呂で体を温めましょう。
③心臓に遠いところから、水風呂の水で「かけ水」をしていく
足だけ水シャワー・水風呂に慣れてきたなら
水風呂の水を使って「かけ水」をしてみましょう。
かけ水をするときは
心臓から遠い体の末端から
水温に慣らしてください。
- 足~ふくらはぎ
- 手~肘
- 股・腰回り
- 胸・肩周り
⇒体調に問題ないなら水風呂にゆっくり浸かる
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④水風呂内で動かない
かけ水で水風呂の水温に慣れたら
ゆっくり水風呂に浸かりましょう。
この時、なるべくジッと動かないようにしてください
始めは冷たく感じても
体は寒さに負けないよう体温を上げて
体温で温まった水がベールのように
体を包み込んでくれるので
ジッとしている間は寒さ・冷たさが和らぎますよ
⑤水風呂の外に手・腕を出す
水風呂の外に手や腕を出して
温かい外気に触れさせることでも
多少寒さ・冷たさは和らぎます。
手や足は温度変化に敏感なため
水風呂から出すだけで体感温度が変わります。
ただ、
水風呂に浸かりながら足を出すのは行儀が悪いので
手と腕を出すようにしてください。
⑥大きく深呼吸をしながら浸かる
水風呂に肩までつかると体は以下の状態になるので
心臓がよりドクドクと拍動するのがわかります。
- 水圧で体が圧迫され、肺の拡張容量が減り、呼吸回数が増える
- 低温による交感神経の興奮による心拍数の増加、血圧の上昇
さらに、水風呂に浸かるとき息を止めてしまうと
横隔膜が下がって心臓に戻る血液量が増加、
心拍数が増えて余計に負担がかかって
心臓がドクドク・バクバクとしてしまうのです
この心臓のドクドクが苦手なら
大きく深呼吸をしながら水風呂に浸かりましょう。
深呼吸をしてできるだけ体の力を抜けば
心臓への負担が減り
心臓の拍動が気にならなくなりますよ
⑦水風呂は「気持ちいい」とポジティブに考える・声に出す
プラシーボ効果ではないですが、
水風呂の冷たさを「不快」と思っていると
いつまでたっても慣れません。
水風呂に慣れるためにも
水風呂の効果を得るためにも
冷たいことを「気持ちいい」と
ポジティブに考え、声に出しましょう。
声に出すことで肉体的にも精神的にも
水風呂の冷たさが楽になりますよ。
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出る時も重要!めまい・立ちくらみをしない水風呂からの出方・上がり方
水風呂の冷たさに耐えられず
飛び出る人も中にはいますが、
「急な立ち上がり」や「冷刺激からの解放」は
血圧の急激な低下をもたらし
”脳貧血(起立性低血圧)”になりやすいので注意が必要です。
>>>「立ちくらみのメカニズム」
- 頭痛・あくび
- 冷汗・嘔吐
- めまい・耳鳴り
- 意識消失・けいれん
- 転倒による怪我
これはヒートショックとはすこし異なり
血管拡張と座位からの急な起立が重なった結果
下半身に血液が集中して
脳への血液が不足することで起こります。
水風呂から出た直後は
まだ血管が収縮して心拍数も多いのですが、
冷刺激がなくなると
だんだんと血管が元に戻って心拍数も落ち着くため
立ち上がって移動して時に脳貧血が起こりやすいのです。
なので、
水風呂から出るときはゆっくりと立ち上がるか
浴槽の縁に腰掛けて少し間をおいてから
外気浴(休憩)のできるスペースに移動して下さい。
休憩スペースが埋まっているなら
洗い場の椅子に座るでも
他の浴槽の縁に座るでも構いません。
体が落ち着くまでは
なるべく直立している時間を短くしてください。
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「水風呂にドボン」は要注意!急激な温度変化はヒートショックのリスク大
水風呂を利用する際は「ヒートショック」に注意してください。
通常、ヒートショックは
10度以上の温度差が起こる冬場に問題となり
毎年1万9000人もの方が亡くなっているのですが、
サウナ・入浴後に水風呂を利用すると
10度以上の温度差が簡単に生まれてしまうため
季節問わずヒートショックが起こるリスクがあり
入浴中に血圧の乱高下が起きてしまうと
- 血圧が上がれば「脳卒中、心筋梗塞」
- 血圧が下がれば「意識の喪失、徐脈」
- 入浴中、意識を失えば「おぼれる」
など
命に関わるので
飛び込むように水風呂に入ることは避けましょう。
>>>「水風呂の体への影響・リスク」
「苦手な水風呂の慣らし方」まとめ
ご覧いただきありがとうございました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- いろいろな理由で水風呂が苦手な人がいる
- 水風呂温度に決まりはないため、施設によって水温はさまざま
- 水風呂に入る前に、体の末端からぬるめの水(or水風呂の水)で体を慣らす
- 水風呂に入っている時は「じっとしている」「きもちいいとポジティブに考える」と冷たさが軽減される
- 水風呂を利用する場合、季節問わずヒートショックや脳貧血のリスクがあるので、入るときも出るときも注意が必要
温浴施設の水風呂は
チラーで常温以下に冷やされているので
苦手とする人も多いですが、
”ととのう”ためには欠かせない存在です。
なるべく体に負担にならないように
上手に水風呂を利用してください。