こんにちは!管理人のクラゲです。
手作り入浴剤としてもつかわれるクエン酸。
一般にクエン酸は
食品添加物や掃除用など様々な商品として
販売されていますが、
クエン酸を入浴剤代わりに使用するとき
どの種類のクエン酸がいいのか疑問に思った方もおられるでしょう。
そこでこの記事では、
入浴剤に適したクエン酸とその効果について
ご紹介していきます。
クエン酸とは
クエン酸は、レモンやミカン、カボスなどの柑橘系の果物や
梅干しに大量に含まれている有機化合物です。
さわやかな清涼感と酸味を持つ成分で
食品添加物として清涼飲料水やサプリメントとして使われ
炭酸カルシウムを簡単に溶かすことから
浴室や電気ポットの水垢の洗浄にも使われる一方
酸素呼吸をおこなう生物全般で
エネルギー生産にかかわるクエン酸回路に用いられ
間接的に筋肉内・血管内の乳酸を分解することから
疲労軽減と血液の酸化を抑え血流をサラサラにする効果があります。
そのほかにも
- ミネラルやビタミン類を吸収しやすくする効果
- 新陳代謝を活発にして皮膚のターンオーバーを正常化する美肌効果
- クエン酸の酸味による食欲増進効果
- 代謝アップによるダイエット効果
等が期待されています。
クエン酸の種類と違い
清涼飲料水やサプリメント・洗浄剤など
様々な形で使用されているクエン酸は大きく
- 医療用クエン酸
- 食用クエン酸
- 工業用(掃除用)クエン酸
の3つに分類され
さらに、原材料と製造方法の違いによって
- カビ発酵由来のクエン酸(液面培養法と液内培養法 )
- 果汁由来のクエン酸
に分けられます。
これらのクエン酸の種類によってどんな違いがあって、
どの種類のクエン酸が入浴剤に適しているのでしょうか?
一つ一つ確認していきましょう。
医療用クエン酸・食用クエン酸・工業用(掃除用)クエン酸の違い
クエン酸は大きく
- 医療用
- 食用
- 工業用(掃除用)
の3つに区別することができます。
この3つのクエンさんの違いは何かというと、
クエン酸の「純度」、「価格」、「使用用途」です。
クエン酸の純度は一般的に
医療用(純度100%) > 食用(純度99.5%~)≒ 掃除用(工業用)(純度99.5%~)
と、非常に高純度で
医療用に至っては純度100%。
純度が高くなるほど不純物が少なく
その分価格も高くなる傾向にあります。
使用用途としては、
医療用は、医薬品の緩衝剤(pHを特定の値保持する)や
矯味剤(苦味など味の悪い薬物に添加して味を矯正する)として
食用は清涼飲料水に酸味と清涼感を
疲労軽減のためサプリメントに加えられ
工業用(掃除用)は水垢の原因となる炭酸カルシウムの清掃用に
キッチンやお風呂の掃除用として使われています。
「カビ発酵由来のクエン酸」と「果汁由来のクエン酸」の違い
クエン酸の大部分は
工業的に”でんぷん”を原料にコウジカビによる発酵によって
医療用・食用・工業用のすべてが作られています。
引用:alic農畜産業振興機構
一方、果汁由来のクエン酸は
クエン酸の粉末などで一般向けには販売されておらず、
機能性表示食品の「かぼすのチカラ」や
健康系大人向け炭酸飲料「キレートレモン スパークリング」などに
含まれる形で販売されています。
これは、クエン酸だけを単離するのではなく
カボスやレモンの果汁をそのまま使うことで
「果汁由来のクエン酸が含まれている」と商品の説明に使っているのだと思います。
ちなみに、
クエン酸の製造方法が違っても成分に違いはないため
期待される効果は同じです。
入浴剤代わりに適しているクエン酸はどれ?
ここまで
- 食用
- 医療用
- 工業用(掃除用)
- カビ発酵由来のクエン酸
- 果汁由来のクエン酸
の5種類のクエン酸をご紹介してきました。
では、「入浴剤として適しているクエン酸はどれか」を考えていきましょう。
入浴剤として使用する場合、
- 【クエン酸風呂】40℃ほどのぬるま湯200Lに、大さじ1~3杯のクエン酸を入れる
- 【炭酸風呂】浴槽に張った40℃ほどのぬるま湯200Lに、「重曹:クエン酸=3:1」で入れる。(例:重曹:大さじ3杯、クエン酸:大さじ1杯)
- 入浴頻度は週1~2を目安に。
が基本となります。
前述したとおり、”食用”と”工業用”では基本的なクエン酸の純度は変わりません。
しかし、
工業用は口に入る前提で作られていない
(その製造段階で不純物が入りにくい設備ではなく、
また食品添加物として販売する許可を得ていない)ので
不純物が含まれている可能性もあります。
そのため、
入浴剤代わりにクエン酸を使用する際は
口に入っても大丈夫な食品添加物として
販売されているクエン酸を使うといいでしょう。
ちなみに、
管理人は100均で売られている
掃除用のクエン酸を使って1か月ほど入浴したことがありますが
特別、体や皮膚に異常は起きませんでした。
しかし、
これには個人差もあるので
掃除用のクエン酸を入浴剤として使用する場合は
肌の異常が起こる可能性も考慮して使って下さい。
クエン酸を入浴剤に使った時の期待できる効果は?
クエン酸を入浴剤として使用したときに
期待できる効果としては以下のようなものがあります。
- 美肌効果
- 疲労回復効果
- 体臭予防効果
- 水垢汚れの洗浄効果
の4つが考えられます。
それぞれどのような理屈でその効果があるといわれているのでしょうか。
一つ一つ見ていきましょう。
①美肌効果
クエン酸によって新陳代謝が活発になると
肌のターンオーバーの乱れが正常化するため
美肌効果に期待できます。
また、ピーリング効果もあり
余分な皮脂や毛穴の汚れ、
くすみの原因となる古い角質も除去してくれます。
という疑問を持つ方もおられるでしょう。
その答えは「経皮吸収」という皮膚の仕組みが関係してきます。
詳しくは「入浴剤は本当に効果がある?効果・効能の仕組みを解説」という記事で
紹介していますが、
経皮吸収できる物質は分子量によって
皮膚を通過できるかできないかが分かれます。
一般的に、毛穴や汗腺から吸収される分子量は1000以下、
細胞間や細胞内より吸収される分子量は500以下とされています。
クエン酸の分子量はというと、「192.125」。
十分、毛穴や汗腺、細胞間から吸収することが可能で
入浴剤として使用した場合でもクエン酸の効果が得られると考えられます。
②疲労回復効果
クエン酸は、細胞内でクエン酸回路をという
エネルギー生産系の回路を回すことで
脂肪や乳酸を分解しエネルギーに変化する効果があります。
お風呂で体が温まると同時に
クエン酸によって体に溜まった疲労物質である乳酸を
分解するため疲労回復に期待できます。
また、
重曹とクエン酸を一緒に使うことで
炭酸ガスが発生します。
その炭酸ガスが皮膚を通して血流にのることで
毛細血管が広がり血流をよくする効果もあります。
③体臭予防効果
クエン酸を入浴剤として使用すると
体臭予防効果も期待できます。
これは、体臭の原因の一つとなるアンモニアが
乳酸と結合することで
汗や尿として体外に排出されて臭いが出るのですが、
乳酸がクエン酸によって
分解・産生を抑えるため体臭を予防できると考えられています。
また、
弱酸性であるクエン酸を入用剤代わりに使用することで
皮膚表面のpHも弱酸性(健康な肌のpHは4.5~6の弱酸性)に保つことができ
細菌の繁殖を抑制する働きを持っているため
体臭予防につながります。
④水垢汚れの洗浄効果
クエン酸は、水道水に含まれているカルシウムなどのミネラル分が
固まってできた水垢(炭酸カルシウム)を溶かすことができるため
浴用についてしまった水垢汚れを防止することができます。
残念ながら、
湯垢(水垢汚れや石鹸カス、皮脂汚れなどが混ざったお風呂特有の汚れ)は
アルカリ性の汚れであるため
クエン酸のみで落としたり予防することはできませんが
日々のお風呂掃除の手間を軽減はしてくれます。
入浴剤代わりに使えるクエン酸まとめ
ご覧いただきありがとうございました。
この記事のポイントは以下の通り
- クエン酸は用途によって医療用・食用・掃除用(工業用)の3種類がある
- 重曹は原材料・製造法によって「カビ発酵由来のクエン酸」と「果汁由来のクエン酸」の2種類がある。
- 一般的に、医療用>食用≒掃除用(工業用)の順に純度が高く不純物が少ない
- 純度が高いクエン酸ほど価格が高くなる
- クエン酸を入浴剤代わりに使うと、「美肌効果・疲労回復効果・体臭予防効果・水垢汚れの洗浄効果」が期待できる
- 入浴剤に適したクエン酸は食品添加物グレード以上のもの
クエン酸の効果を理解して日々の疲れをその日の内にとってしまいましょう。