こんにちは!管理人のクラゲです。
2020年5月10日(日) 18時30分~19時58分 放送の「ナニコレ珍百景 川の中の道&鶏肉と卵4年間食用禁止の風習&白くなった黒い犬SP」で、『島根・松江・美保関…鶏肉と卵を食べてはいけない集落…由来は神話に』が紹介されます。
すべての料理に使われているといっても過言ではない卵と鶏肉。それが禁止となっている集落が日本にはまだあって、その理由が神話に由来するとか。。。
なぜ卵と鶏肉が禁止になってるのでしょうか?知らべて見ました。
5月10日ナニコレ珍百景番組内容
- 島根・松江・美保関…鶏肉と卵を食べてはいけない集落…由来は神話に
- 埼玉・神川町…鯉のぼり禁止の集落に伝わる平将門伝説
- 佐賀・唐津沖…犬を飼ってはいけない島
- 宮城・気仙沼…臭いがスゴい伝統料理「あざら」&仙台…住宅街に「そ」一文字の看板
- 岩手・盛岡…河川敷に大量の石柱群の謎を調査
- 大阪市…50年前から現役の手動開閉式エレベーター&鉄仮面が必要?強面ラーメン店主
- 奈良市…全て売れるまで閉めない洋菓子店
- 茨城・土浦…家具店に「横向き枕」
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- 宮城…理容店主の人生を語る電光掲示板
- 山梨…高速回転で読めない看板
- 大阪…祖母の入れ歯を勝手に使う犬
- 千葉・大多喜…流れる川の中を進む車!衝撃の生活道
- 福岡…出会う前の七五三写真で結ばれた運命の夫婦
- 長崎…離島に高級イタリア料理店
- 茨城…野鳥と仲良しおじさん
- フライパンで眠るネコ
- モップネコ
- 主人の○○に返事するネコほか
鶏肉と卵を食べない集落があるのは「美保神社」周辺の集落
今回のナニコレ珍百景で紹介される、島根・松江・美保関…鶏肉と卵を食べてはいけない集落について調べていたところ、とある地域が候補としてあがりました。
それが、島根県松江市にある「美保(みほ)と揖屋(いや)」で、そこには「美保神社」と「神話」が関係しています。
美保神社と美保関灯台。
美保神社の社殿は美保造りという独特な形式ですが、江戸時代は北前船で賑わった地だけあって、その頃の栄華が残ってる感じでした。 pic.twitter.com/YADeY9qTUq— 南章 (@nan_sho0036) May 9, 2020
鶏肉と卵を食べない集落ができた由来・神話とは?
美保神社は、大国主神の第一の御子神である鯛を手にする福徳円満の神『えびす様』を祀っている神社として知られており、「海上安全、大漁満足、商売繁昌、歌舞音曲(音楽)、学業」の守護神として篤く信仰されています。
そして美保神社には、「ある神話」が伝わっていて、この神話がもとで、今回ナニコレ珍百景で紹介される「卵と鶏肉を食べない集落」ができました。
その神話が以下のものです。
事代主神は、中海を渡り美保の対岸にある東出雲町揖屋(いや)の三嶋溝杭姫命(みしまみぞくいひめのみこと)のもとに夜な夜な通われ、明け方になると美保の社にお帰りになっていました。ところがある夜、一番鶏が時刻を間違えて、まだ夜も明けないうちに刻(とき)の声をあげてしまいました。急いで帰路についたところ、あわてられたせいか途中で船を漕ぐための櫂(かい)を海中に落とされ、仕方なく足で掻いている時に、その足をワニ(サメ)に噛まれ不具になられました。やっとの思いで美保に帰り着いたえびす様の耳に、今度は正確な刻の声が聞こえました。怒ったえびす様はそれ以来ニワトリを忌むべきものとされたと伝わっています。
以後、里(美保・揖屋)の人は鶏肉、鶏卵を食べず、鶏を飼うこともご法度としました。
えびす様がいつも片足を曲げていらっしゃるのは、この時の傷のせいです
引用:美保神社
つまり、美保神社に住まわれていたえびす様は、海を渡って三嶋溝杭姫命のところへ毎夜通われていた。
ところがある晩、一番鶏(朝一番始めに鳴くニワトリ)が時間を間違えて、夜も明けきらないうちに鳴き声をあげてしまったことがあった。
運悪く、急いで帰路についていたえびす様がその一番鶏の声を聴き、驚き慌ててしまった。
そのせいで、舟をこぐ櫂(かい)を落としてしまい、仕方なく足で船を漕いでいたのだが、またまた運悪く、その足をサメに噛まれて大けがを負い、後には足に障害が残ってしまったそうだ。
そんなことがあって、やっとの思いで美保についたころ、正確な刻を告げる鶏の声が聞こええた。これに怒ったえびす様が、それ以来、鶏を忌むべきものとしてしまった。
そしてこの神話が伝わり、鶏肉と卵をたべず、鶏を飼うのもご法度の里(集落)が美保神社の周辺にできてしまったんだとか。
えびす様が毎夜通った「三嶋溝杭姫命」とは?
美保神社では、「三嶋溝杭姫命(みしまみぞくいひめのみこと)」と書かれているが、ほかの書物や神話によると、
- 玉櫛媛(たまくしひめ、玉櫛姫)
- 玉依媛(たまよりひめ、玉依姫)
- 三島溝樴姫(みしまのみぞくいひめ)
- 勢夜陀多良比売(せやだたらひめ)
などと呼ばれている。
この神様は、大阪の淀川と並行して流れる茨木市の安威川の水利を管理していた三島溝咋の娘で、事代主神(ことしろぬしのかみ)の妃神で、神武天皇の皇后である五十鈴媛の母と言われています。
美保神社に伝わる神話によると、この時、三嶋溝杭姫命は対岸の東出雲町揖屋というところにおられたそうです。
えびす様のいた「美保神社」と三嶋溝杭姫命のいた「東出雲町揖屋」の距離はどれくらい?
えびす様の「美保神社」と三嶋溝杭姫命の「東出雲町揖屋」をグーグルマップで調べると、下の地図の通りです。
陸路を車で走ると、50分ほどかかるそうで、えびす様は、海路を船で通っていたというのですからどれくらい時間がかかったのでしょうね。
ちなみに海ルートを簡単に線で結んでみると「23.92km」で、直線にひいてみても20kmほどありました。当時の地形が今とは違うでしょうが、そくらいの距離を毎晩えびす様は往復していたのでしょう。
鶏肉と卵4年間食用禁止の風習とは?
鶏肉と卵を食べない集落は美保神社周辺の美保(みほ)と揖屋(いや)でしたが、番組タイトルにはさらに「鶏肉と卵4年間食用禁止の風習」とも書かれています。
この風習とはなんのでしょうか?
調べてみると、美保神社の「氏子の祭祀組織」にその風習がありました。
氏子の祭祀組織には以下の8つの役割があり、ものすごい精進潔斎の修行修行を行います。
- 役前(やくまえ)
頭人・両當屋・客人當・両休番の6人のことをいいます。- 頭人(とうにん)
氏子の祭祀組織の中でまさに長であり、役前の中でもさらに厳しい修行と生活の制約があります。期間は1年間でその後は上官となります。- 當屋(とうや)
一ノ當・二ノ當の2人のことをいい、青柴垣神事で神がかりする大事な役です。當筋16流(或いは18流とも伝わる)の家筋で15歳以上の長男に限定、親が準官以上、親族に3年間死者が出ていない、妻帯者であるといった中から「みくじ」によって決まります。期間は1年間でその後は準官となります。- 客人當(まろうどとう)
境外末社の1つである客人社(大國主神)に仕える者で、33歳から56歳まで(頭人納めの年齢が60歳)の準官の中で一定の資格を持つ者より「みくじ」によって決まります。客人當に当たると頭人をおえるまでの4年間精進潔斎し奉仕を続けます。期間は1年間でその後は下席休番になります。青柴垣神事は當屋の祭というのに対し、諸手船神事は客人當の祭といえます。- 休番(きゅうばん)
頭人となる為の修行期間で、上席・下席と一員ずつ存在します。それぞれの任期は1年間で客人當の次に下席休番、次に上席休番、その後いよいよ頭人となります。- 上官(じょうがん)
頭人経験者。生涯「上官」として奉仕し、この中で数名は「世話人」として神事を取り仕切ります。- 準官(じゅんがん)
當屋経験者で、神事では諸手船の乗船や青柴垣神事行列の祭器具持ちなどを奉仕します。- 上準官(じょうじゅんがん)
上官と準官のこと。引用:美保神社
そして、この修行の内容に鶏肉と卵4年間禁止の風習が隠れていました。
1年間(頭人は客人當から始まり4年間)毎日欠かすことなく、子の刻(真夜中)に潮掻(しおかき、海に入って心身を清めること)をして美保神社本社や頭人宮・末社等に参拝します。もし途中に他人と出会えば“穢れた”として再度潮掻からやり直します。これを日参(にっさん)といいます。
このほか、
・泊付きの出張で日参できなかった日は次の日に二度参り
・食事は1人で神棚の下で専用の膳・箸を使い鶏肉・鶏卵を食べない
・夫婦別床
・仏壇を閉じ、死穢等の一切を避ける
など、この外にも多くのしきたりを守りながら日々精進潔斎し、神事を奉仕するための準備をします。
※役前の6人は日参時に紋付き羽織、下駄を着用して港内を行き来し参拝をしています。カランコロンという下駄の音が聞こえてきた時は、役前に出会わないように注意してください。引用:美保神社
氏子の祭祀組織の中の長である頭人は、客人當から始まり4年間毎日欠かすことなく、厳しい制約と修行があり、その中に食事は「食事は1人で神棚の下で専用の膳・箸を使い鶏肉・鶏卵を食べない」という制約がありました。
【追記】鶏と卵は食べていけないがウズラの卵はOK
ナニコレ珍百景の放送によると、風習の期間中、鶏肉と卵をたべてはいけないが、「ウズラの卵」は食べても大丈夫とのこと。
まとめ:【ナニコレ珍百景】島根・松江・美保関の鶏と卵を食べない集落の由来や神話は?えびす様が関係している!?
5月10日のナニコレで紹介される「鶏と卵を食べない集落」について事前にしらべてみましたがいかがでしたか?
この神話時代、えびす様は島根県松江市の美保、三嶋溝杭姫命は対岸の東出雲町揖屋というところにおられたそうです。
えびす様は毎夜明かりもない海に船を漕いで行き来していたというのですから、すごい体力ですね。