月に1回もしくは2回、犬をお風呂に入れてシャンプーをしてあげることがいいと知っている方も多いでしょう。
では、犬をお風呂に入れてあげる一番良い時間帯は何時がいいか知っていますか?
「お風呂なんていつでもいいでしょ」
「時間のある午前中に済ませちゃってる」
なんて人も多いと思います。
しかし、時間を考えずにお風呂に入れていると
近い将来、犬の体に目に見えて悪い変化が起こってくるかもしれません。
愛犬が長く健康でいるために、
もしあなたが時間を考えずに犬をお風呂に入れているのであれば、
一度この記事をご覧になってみてください。
犬をお風呂(シャンプー)に入れる時間帯は「一日の終わり = 午後の散歩の後」が良い
あなたのわんちゃんの一日について考えてみてください。
(飼い主さんは休日で家にいると仮定)
おそらく、
起床 ⇒ 朝の散歩 ⇒ 朝ごはん ⇒ 室内または屋外で過ごす ⇒ 夜の散歩 ⇒ 晩ごはん ⇒ 就寝
多少違いはあるでしょうが、概ねこの流れでしょう。
この一日の流れを見て、
お風呂に適した時間帯はいつだと思いますか?
ほとんどの場合、
飼い主さんの手の空いた時間
もしくは休日にお風呂に入れたげるのではないでそうか?
手の空く時間帯は探せばいくつもあると思いますが、
その中でも私がおすすめする「犬をお風呂に入れる時間帯」は
1日の終わりです。
つまり、「午後の散歩の後」になります。
その理由については順番にお答えしていきますね。
犬のベストなお風呂(シャンプー)タイミング「午後の散歩の後」がいい理由
犬をお風呂に入れるタイミングは「午後の散歩の後」
もう外に出ないという時間帯がベストです。
その理由は以下の4つがポイントです。
- 犬をお風呂に入れる労力
- お風呂の後の散歩による汚れ
- 犬にかかるストレス
- 犬の皮膚と紫外線
それぞれについて説明すると、
犬をお風呂(シャンプー)に入れるのは大変
一度でもわんちゃんをお風呂に入れた経験があるなら
わかると思います。
わんちゃんは、
シャワー(水)や体を洗われることを嫌い・怖がり、
ジッとしてくれません。
暴れたり、
吠えたり、
噛んできたり
体をブルブルと振って水を飛ばしてもくるでしょう。
そうなると飼い主さんは水でぬれ、
暴れる愛犬の相手で飼い主さん自身が疲れ果てしまいます。
特に日中だと、
わんちゃんも体力が有り余っている状態なので、
嫌がり方も相当でしょう。
そのため、
犬をお風呂に入れる時間帯は
「午後の散歩の後」のもう外に出ないという時間帯をおすすめしています。
お風呂(シャンプー)に入れた後の散歩は汚れの元
お風呂後のきれいな愛犬と
散歩をしたいと思う飼い主さんもおられるでしょう。
しかし、
せっかくきれいにお風呂に入れても
外を散歩すると大なり小なり汚れます。
わんちゃんは靴をはいていませんし、
全身に毛が生えているため汚れも付きやすい。
特に長毛の小型犬は、お腹の毛に汚れが付きやすいでしょう。
折角、苦労してシャンプーやお風呂に入れたのなら、
その日のうちに汚れてしまわないためにも、
一日の終わり「午後の散歩の後」にお風呂に入れるとよいでしょう。
お風呂(シャンプー)は犬にとってストレス
忘れてはいけないのが、
お風呂・シャンプーをすることで犬自身にかかる「ストレス」です。
基本的に犬を含めた動物は全身が濡れることを
本能的に嫌がります。
というのも、
濡れた体毛は犬の体温を奪っていき体調を崩す原因になる他、
自分自身のニオイが落ちることや、
シャンプーの香りもストレスの要因となります。
極端な例ですが、
スメルハラスメントという言葉があるように、
臭い・香りも好みが分かれ、社会問題となっていますよね。
自分にとってはいい香りでも、
周囲の人にとってはストレス以外の何物でもないなんてことも。
これは人だけでなく「犬にも当てはまる」と管理人は考えています。
人にはいい香りのシャンプーも、
嗅覚の優れた犬にとっては、においのキツイ嫌なものになっているかも・・・
また、シャワーやドライヤーを怖がるわんちゃんもいますが、
これは自分が理解できないこと(音・熱・風)による恐怖が原因です。
こういったストレスを抱えたまま一日を過ごすよりも、
一晩寝て、自分のにおいが戻り落ち着くようにすれば
ストレスの軽減になるのではないでしょうか。
犬の皮膚と紫外線の関係
余り知られてはいませんが、
犬の皮膚は人の3~5倍薄くダメージを受けやすいといわれています。
そのため
犬の皮膚はダメージから身を守るために
全身に毛が生え、
皮脂を多く分泌しています。
しかしお風呂に入ることで、
余分な体毛と皮脂が流れしまうと、
皮膚のバリアー機能が一時的に弱まり、外部の刺激に敏感になります。
特に刺激となるのが「紫外線」
バリアー機能の弱まった犬にとっては、
何気ない紫外線でも十分なダメージになってしまう可能性があります。
お風呂の後、
十分な皮脂が出るには5~6時間はかかるといわれていますので、
シャンプー後、お日様の出ている時間帯は外に出さないほうがいいでしょう。
もしシャンプーをしているのにフケが治らないという場合は、
犬の皮膚が薄いということを念頭に、
スキンケアや栄養面を補ってあげるのも一つの手です。
犬のお風呂(シャンプー)の頻度は?
犬をお風呂(シャンプー)に入れる頻度としては
以前は月に1回がいいといわれていました。
これは、犬の皮膚のサイクル(ターンオーバー)に合わせたもので
犬の皮膚は約21日かけて新しくなるので
月に一回がよいといわれていたのですが、
汚れやにおいの原因となる「皮脂」は毎日出るため
現在は10日~2週間の間隔でお風呂(シャンプー)に入れるのがいいそうです。
人を含む動物の汗腺(汗を出す分泌腺)は
- エクリン腺(人の場合、全身に開口し体温調節をするサラサラの汗を出す)
- アポクリン腺(人の場合、脇や耳道、外陰部などに集中して存在。いわゆる脂汗を出す)
の2種類が存在します。
人のように、エクリン腺が全身に分布して
体温調節のために汗を出す生き物は例外中の例外。
犬を含む多くの動物は全身にアポクリン腺が分布し
エクリン腺は足の裏などの限定された場所にしか存在しません。
アポクリン腺からはタンパク質や脂分の多い汗(分泌物)を出すため
皮膚上にいる常在細菌のエサとなり、
最近の増殖を許してしまうと同時にニオイ物質を作り出してしまいます。
そのため、犬はお風呂やシャンプーを行わないと
短期間でも身体がベタベタとしたり嫌なニオイがするようになるのです。
そういった理由で
現在は10日~2週間でのお風呂(シャンプー)がよいとされています。
これ以上、頻繁にお風呂に入れていたら
皮脂が取れすぎてしまい
皮膚が乾燥しターンオーバーの異常が起き、
肌トラブルを起こしてしまう可能性が出てきます。
ただ、
フケや乾燥、ニオイやべたつきが目立つ場合など皮膚状態が悪い場合は
獣医師の判断のもとでお風呂の回数を増やすこともあります。
もし、お風呂前にフケが出ていたり
身体をかゆがっているところを見かけたら
まずは動物病院で診察を受け、
原因を探すとともに、お風呂(シャンプー)の回数や頻度を相談するといいでしょう。
お風呂(シャンプー)の時間帯で老化が進行することもある
犬は老化してくると目に見えてさまざまな変化が出てきます。
- 視力の低下
- 白内障
- 運動を嫌がる
- 食事量が減る
- 体毛の色が薄くなる
- 失禁
- 口臭がする
- 目ヤニがでる
- イボなどのできものが増える
老化が進んでくると、このようにいろいろな変化が出てきますが、
お風呂に入れる時間帯次第で、
上記のような老齢性の変化を進めてしまう可能性があります。
特に以下の2つは関係してくるのではないでしょうか。
- 体毛の色が薄くなる
- イボなどのできものが増える
この2種類の変化には皮膚と紫外線が関係しています。
紫外線と老化の関係
紫外線は一日中空から降り注いでおり
日中の紫外線量は多くなります。
特に夏場に経験する方が多い「肌の日焼け」。
これは、皮膚が紫外線の刺激を受けて
メラニン色素が産生され肌が日焼けを起こすのですが、
言い換えれば、
日焼けは、皮膚が紫外線のダメージを受けたことで起きた炎症反応なのです。
ダメージが蓄積すれば、
その分を修復しようと皮膚の細胞分裂が進み、
ターンオーバーの日数が崩れてしまいます。
その結果、何が起こるかと言えば、
皮膚のシミやシワ、たるみといった老化が進むほか、
皮膚がんや皮膚炎の一因となることも。
犬の場合は体毛と皮脂が紫外線からのダメージを軽減しているのですが
老化とともに毛量や皮脂の分泌の減少が起きると
十分に紫外線からの刺激を防ぐことができなくなります。
体毛や皮脂は紫外線から身を守るバリアー機能
皮膚には、外部からの刺激を防ぐ役割(バリヤー機能)があります。
特に紫外線からのダメージを抑えているのが、
全身に生えた体毛や毛穴から分泌される皮脂なのですが、
ワンちゃんをお風呂やシャンプーに入れると、
身を守ってくれる皮脂が流れ出てしまい
紫外線からのダメージが大きくなってしまうのです。
バリアー機能が失われると老化が進行する
皮膚を紫外線から守っている
体毛や皮脂が何らかの理由でなくなった場合、
紫外線から皮膚を守ることができなくなるので、皮膚にダメージが蓄積していきます。
皮膚にダメージを受けると
人ではしわやたるみ、白髪化などが起こります。
この変化は犬にも起こりえることで、
体毛の色が薄くなったり皮膚の張りが失われます。
また、紫外線の刺激で皮膚にできものができやすくなります。
バリアー機能が失われる原因
皮膚のバリアー機能。
特に皮脂はお風呂(シャンプー)に入る事で一時的に失われます。
毛のべたつきやにおいを抑える目的で、
犬をお風呂に入れますが、
シャンプー剤には、
「必要以上の皮脂を落としてしまう」可能性があることを覚えておいて下さい。
もしシャンプーをして、皮脂が少ないときにお日様の下に出ると、
紫外線の刺激から十分に体を守ることができず、
皮膚にダメージが蓄積して皮膚の老化が進んでしまうのです。
ですが、
必要以上の皮脂を落としてしまった場合も、
保湿剤(化粧水+乳液)で皮膚を保護してあげれば、
皮膚のダメージを抑えてあげることも可能ですので
お風呂後にはきちんとケアをしてあげて下さい。
まとめ:犬のお風呂(シャンプー)の時間帯や頻度は?お風呂の時間次第で老化の原因になることも・・・
- 犬のお風呂は午後の散歩が終わった後がおすすめ
- お風呂・シャンプー・ドライヤーは犬にとってストレス
- 犬の皮膚は薄くダメージを受けやすい
- お風呂・シャンプーは紫外線から守ってくれる皮脂を必要以上に落としてしまう
- 皮脂が十分でないと皮膚に紫外線からのダメージが大きくなる
- 皮膚にダメージが蓄積すると老化や皮膚にできものができる
犬をお風呂に入れてあげれば、
たまった汚れを落とし清潔な状態にすることはできます。
ですが、
一時的に皮膚のバリアー機能を低下させてしまう要因にもなります。
皮膚のバリアー機能が低下している状態で、
紫外線のダメージを受けると老化が進行してしまいます。
そのため、
皮膚のバリアー機能が低下していても
影響の少ない夜(午後の散歩の後)に犬をお風呂に入れることをおすすめしています。
また、犬にとってお風呂はストレスのかかるものですので、
手早く済ませられるといいですね。