こんにちは!管理人のクラゲです
そんな疑問解消のために
「水風呂に入った際の体におこる変化とリスク」
について解説していきます。
- 水風呂に短時間・長時間入ったときに起こる体の変化とリスク
- どんな人は水風呂が危険なのか
- 「ととのう」とはどんな状態か
【結論】水温・湯温・気温に体を慣らさず、水風呂を出入りするのは体に悪い
この記事の結論をまとめると以下のようになります
- サウナ・入浴後の水風呂は急激な体温の低下・血圧の乱高下が起こる
- 急激な温度変化・血圧の乱高下はヒートショックや脳血管障害のリスクがある
- ぬるめの水風呂でも長時間の入浴は低体温のリスクがある
- 循環器系に問題のある人ほど水風呂はリスク大
- 水風呂から出るときも、勢いよく立ち上がると「脳貧血」のリスク
⇒間違った水風呂の入り方・利用法をしていると、体調を崩すだけでなく命に関わる
昨今のサウナブームで「ととのう」目的のため
水風呂を利用する人が増えていますが、
”ととのう”はある種のランナーズハイのようなもの。
このランナーズハイを疑似的に体験する方法が
サウナの高温と水風呂の低温の「温度差」なのですが、
水風呂の入り方を間違えていると
健康な人でも体調の悪化や命に関わる恐れがあるのです。
- ドボンと一気に水風呂に浸かる⇒急激な血圧の上昇による心臓・脳血管への負担
- 我慢大会のように長時間水風呂に浸かる⇒深部体温の低下による低体温
- 一気に立ち上がり水風呂から出る⇒脳貧血(めまい・立ちくらみなど)を起こす
- 水風呂後、かけ湯なして熱いお風呂に入る⇒ヒートショックのリスク
>>>「水風呂の正しい入り方」はこちら
「サウナ・お風呂⇒水風呂」も
「水風呂⇒サウナ・お風呂」も
体を温度に慣らしてから入ってください。
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「ととのう」は温度差ストレスで起こるランナーズハイのようなもの
昨今のサウナブームで
水風呂に入る人の多くは「ととのう」を目的としていますが、
”ととのう”とはどんな状態のことを言うのでしょうか?
詳しく調べてみると
ある種のランナーズハイ状態になっているそうです。
ランナーズハイのメカニズムは
まだわかっていないことも多いのですが
「α波」という脳波と
「βエンドルフィン」というホルモンが関係しており
- α波:リラックス効果のある脳波
- βエンドルフィン:モルヒネと同じような働きがあるストレスを取り除く幸せホルモン
サウナ(お風呂)の高温と水風呂の低温で
体に温度差の負荷をかけることで
体と脳がその負荷・ストレスを和らげようと
脳内麻薬(β-エンドルフィン)を分泌するようになり
ととのう(疑似的なランナーズハイ)状態になって
快感や陶酔感・多幸感を覚えるようになるのです。
”ととのう”のメカニズムについては
今後どんどん明らかになっていくでしょう。
そんな”ととのう”がうまくできると
体はふわふわ浮ているような力が抜けた状態。だけど頭はすっきり。
という状態になるのですが、
水風呂の入り方を間違えてしまうと
健康や命に悪影響を及ぼすリスクがあるので注意が必要です。
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水風呂にはどんなリスク・危険性がある?
水風呂に入ると「血圧と体温」が変動するため
以下のリスクが出てきます、
- 外部温度の変化による「血圧の乱高下」
- 血圧低下による「めまい・頭痛・脳貧血・失神」
- 血圧上昇による「脳内出血・大動脈解離・心筋梗塞・脳梗塞」
- 深部体温低下による「低体温症」
など
上記のような温度差で血圧の乱高下で起こり
心臓や血管疾患が出ることを「ヒートショック」といい
水風呂に入らなくとも
冬場の寒い”脱衣所”と温かい”浴室”でも起こるので
心臓や血管などの循環器系に問題のある人は
よくよく注意しておきましょう。
ここからは水風呂に入ったときに起こる
体の変化について解説していきますね
>>>「自分を危険にさらす間違った水風呂の入り方・利用方法」
水風呂にドボン!短時間の水風呂で起こる体の変化・悪影響
まずはサウナ・お風呂から出た後
ドボンと一気に水風呂に浸かった場合の
体の変化を見ていきます。
この時起こる変化は大きく以下の4つです。
- 交感神経を刺激し、副腎髄質からアドレナリンが分泌される
- 体は体温を保持しようと皮膚血管・毛穴を収縮させる
- 水圧で体が圧迫され血圧が上げる
- 水風呂から出ると水圧・低温・交感神経刺激がなくなるので血圧が下がる
①自律神経の一つ「交感神経」を刺激。副腎髄質からアドレナリンが分泌される
温度の高いサウナやお風呂に入った後
水風呂にドボンと浸かってしまうと
温度差という外部ストレスを受けて
自律神経の1つである「交感神経」が刺激されると
副腎髄質よりホルモン兼神経伝達物質である
アドレナリンが分泌・血中に放出されると
心拍数や血圧の増加、瞳孔の拡大や血糖値の増加
などの変化を体にもたらします。
- 心拍数・血圧の増加
- 脳血管・末梢血管を収縮
- 瞳孔の拡大、涙の分泌を抑制
- 唾液分泌の抑制
- 気管支の拡張
- 心拍数の増加
- 消化・排便・排尿の抑制
- (暑い時や緊張時)汗を分泌する(体温を下げる)
- (寒い時や恐怖時)鳥肌を立てる(熱を逃がさないようにする)
など
もう少し正確に話すなら
以下のような反応が体の中で起こっています。
- 水風呂による低温刺激を受ける
- 視床下部室傍核ニューロンが交感神経を賦活化し、交感神経終末からノルアドレナリンの分泌を促進する
- 分泌されたノルアドレナリンが副腎髄質からのアドレナリン分泌を促す
- 分泌されたアドレナリンが各臓器にあるアドレナリン受容体に作用して、興奮時の変化が起こる
②体温が下がらないように皮膚血管・毛穴が収縮
水風呂による低温刺激を受け
交感神経が優位になると
- 皮膚血管の収縮
- 毛穴の収縮
- 立毛筋の収縮
が起こり、鳥肌が立つことで
体温を保持できるように体は変化します。
③水圧で体が圧迫され血圧が上がる
交感神経の作用だけでなく
入浴時の水圧でも血圧は上がります。
水圧による圧力は
ウエストが3~5cmも細くなるほどの力があり
皮下の血管に圧力が加わることで
手足にたまった血液を心臓に押し戻し
血圧の上昇や心拍数の増加が起こり血の巡りがよくなります。
- 入浴前:重力の影響で血液は下半身に集まる。心臓やふくらはぎのポンプの力で上半身(全身)に血液を送る
- あばら骨くらいの水位(半身浴):下半身が水圧で圧迫され、心臓への負荷がなくとも血液が上半身に送られる(体を横にしているのと同じような状態)
- 肩が浸かる水位(全身浴):全身が水圧で圧迫。心臓へ戻る血液量が増えるので心臓は拡大。その分、肺の容量は小さくなる。心拍数・呼吸数の増加が起こる
※水風呂の場合、低温による刺激でより血圧が上がりやすい
④水風呂から出ると「水圧・低温・交感神経刺激」がなくなり急激に血圧が低下する
サウナ・入浴後、水風呂にドボンと浸かると
以下の3つの反応が体に起こり
心臓や血管に負荷をかけるように変化します。
- 低温刺激による交感神経の興奮・アドレナリンの分泌
- 体温保持のために皮膚血管・毛穴・立毛筋の収縮
- 水圧による血圧・心拍数の上昇
この時の変化はかなり急激に起こるため
血圧増加や心拍数の上昇に体が耐えられないと
血管が破れたり心臓の働きが乱れて
- 脳内出血
- 大動脈解離
- 心筋梗塞
- 脳梗塞
などの命に関わる状態になる可能性もあるです
もし体が健康で「サウナ⇒水風呂」の
温度変化に体が耐えられてとしても
水風呂から勢いよくでてもいけません。
水風呂から勢いよく出てしまうと
水風呂に入る前の状態に急速に戻るため、
- 低温・交感神経刺激が止まる
- 水圧がなくなる
- 立ち上がることで血液が下半身に集中する
急激に心拍数・血圧が下がり
脳へ必要な酸素が送られない「脳貧血」の状態になって
めまい・立ちくらみ・失神などを起こし
倒れてしまう可能性も出てくるので要注意。
温かいお風呂・水風呂問わず
浴槽から出るときはゆっくりと立ち上がりましょう。
- 頭痛、あくび
- 冷汗、嘔吐(おうと)
- めまい、立ちくらみ
- 耳鳴り
- 意識消失(失神)
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ゆったり水風呂!長時間の水風呂で起こる体の変化・悪影響
次にサウナ・お風呂から出た後
ゆったりとぬるめの水風呂に浸かった場合の
体の変化を見ていきます。
この時に起こる変化は大きく以下の2つ
- 短時間の水風呂と同じ変化
- 少し冷たい程度の水風呂は長湯(長水)してしまい体を冷やしすぎる
「人が冷感を感じる仕組み」については
ハッカ油の冷感のメカニズム記事で解説しています。
①短時間の水風呂と同じ変化が起きる
プールくらい(22℃以上)の
少し冷たい・ぬるめの水風呂にゆっくりと長く浸かった場合も
基本的にはドボンと短時間水風呂に入ったときと
同じ変化が体に起こります。
- 交感神経を刺激し、副腎髄質からアドレナリンが分泌される
- 体は体温を保持しようと皮膚血管・毛穴を収縮させる
- 水圧で体が圧迫され血圧が上げる
- 水風呂から出ると水圧・低温・交感神経刺激がなくなるので血圧が下がる
長く浸かれるほどの水風呂は水温が高め。
低温刺激による血圧の上昇が緩やかなため
ヒートショックのリスクが多少下がるでしょうが、
ただ、それでも
水風呂に浸かっている間は血圧が高く
水風呂から出ると血圧が下がるので
水風呂後の脳貧血には変わらず注意が必要です。
②水風呂に浸かり続けると体を冷やしすぎる
プールくらい(22℃以上)の
少し冷たい水風呂にゆっくりと長く浸かった場合
低体温症のリスクがでてきます。
日本人の平均体温は36.89℃(±0.34℃)と言われ
どんなに温度の高い水風呂でも
平熱や深部体温よりかは低いため
水風呂に長く浸かれば浸かるだけ
体温も体力も奪われていき
その結果、深部体温が35℃を下回ると
体に様々な悪影響が起こります。
【深部体温が35~36.5℃】
- 寒気、シバリング(震え)が始まる
- 手指・足の動きが鈍くなり感覚が麻痺してくる
【深部体温が34~35℃】
- 運動失調(よろよろと歩行)
- 筋力低下(転倒しやすくなる)
- 構音障害、うわごとをいいだす
【深部体温が32~34℃】
- シバリング減少、歩行不能
- 頻呼吸、意識障害を起こす
【深部体温が30~32℃】
- シバリング消失、身体硬直。
- 錯乱状態、不整脈のリスク。
【深部体温が30℃以下】
- 意識低下が進み、瞳孔散大
- 乱暴な体位変換等で容易に心室細動を起こす
さすがに、深部体温が35℃未満になるまで
水風呂に入る人はいないでしょうが、
もともと深部体温が低い「低体温」気味の人は
水風呂やぬるめのお風呂への入浴時間は注意しておきましょう
低体温の期間が長いほど
内臓の働きが悪く、免疫力が低下が起こるので
風邪や感染症などにかかりやすくなります。
また、
冷えすぎた体を温まるために
いきなり熱いお風呂に浸かるのも
ヒートショックのリスクがあるので要注意!
水風呂後はお風呂温度に慣れるために
「かけ湯」をするようにしてください。
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循環器系に問題のある人ほど水風呂はリスクが大きい
サウナ(入浴)⇒水風呂は上手に利用すれば
いろいろな健康・美容効果が期待できるのですが
>>>「水風呂のうれしい12+αの効果」
血管や心臓など循環器系に問題のある人は
水風呂のリスク面が強く出すぎてしまいます。
- 心臓に疾患のある人:不整脈(徐脈・頻脈)、狭心症など
- 動脈硬化の進みやすい人:高血圧、糖尿病、高コレステロール血症など
- 高齢の方
- 水温に体を慣らさず一気に水風呂に入る人
特にサウナ⇒水風呂は
10℃以上の温度差があるため
ヒートショックを起こすリスク大。
血圧が乱高下して
- めまい・立ちくらみ・失神
- 心筋梗塞や脳卒中、大動脈解離や脳内出血
などを起こし、命に関わるのでご注意ください。
水風呂は1回1~2分が目安!水温に体を慣らしてから入ろう
水風呂に入る際は
若い健康な人でも「かけ水」をして
水温に体を慣らしてから入りましょう。
サウナ直後、入浴直後は
体に熱がこもっているので
一気に水風呂に入ると心臓によくありません
また、
水温の高い水風呂に長時間入るのも
低体温のリスクがあるので
水風呂に入る際はかけ湯(水)をしたのち
以下の時間を目安に利用してください。
- 水風呂に慣れていないなら1回あたり30秒
- 水風呂の基本は1回1分
- 長くても1回2分
「水風呂は体に悪い?」まとめ
ご覧いただきありがとうございました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- サウナ(入浴)⇒水風呂で感じる「ととのう」はランナーズハイのようなもの
- 水風呂に入ると、低温による交感神経の刺激や水圧などによって血圧・心拍数が増加する
- 水風呂から出ると、水圧や温度刺激がなくなり副交感神経優位になるので血圧が下がる
- 温度差による急激な血圧の乱高下は心臓や血管に負担。命に関わる事態になることも。
- 水風呂に入るときも出るときもゆっくり体を慣らしながらがよい。
⇒「サウナ・お風呂⇒水風呂」も「水風呂⇒サウナ・お風呂」も温度に体を慣らしてから入るとリスクは減る
何事も使う人次第です。
水風呂は上手に利用すれば
健康・美容効果がありますが、
何も考えずに利用すると
命に関わるリスクがあります。
正しい水風呂の入り方をマスターして
”ととのう”感覚を体験してみてください。