こんにちは!管理人のクラゲです。
この記事では手作り入浴剤や
無色の入浴剤に色を付ける
「着色料」についてご紹介していきます。
- 天然着色料と合成着色料の違い
- 手作り入浴剤用の着色料の選び方
- オススメ着色料
- 着色料以外で入浴剤に色を付ける方法
手作り入浴剤の色付けには「食用色素」
入浴剤を作りたい!
色のない入浴剤はつまらないから色を付けたい!
とお考えなら、色付けには「食用色素(食紅)」という
口に入っても安全な着色料を使いましょう。
という疑問を持つ方もおられるでしょうが、
絵具やペンキは油が含まれているものがほとんど。
お湯に溶かしてお風呂に入ろうものなら
体に色がつくしお風呂上りもさっぱりしません。
それどころか、
絵具やペンキは口にすることを前提に作られていない上
鉛やカドミウムなどの人体に有害な成分も含まれているので
少量でも口に入れないのが鉄則。
肌につくだけで肌荒れを起こす可能性だってあります。
また、入浴剤は湯船のお湯に溶かして使用するものですが
絶対に口に入らないとは言えず、
口に入らずとも皮膚通して吸収されることも考えられます。
そのため、
- 入浴剤を手作りする
- 無色の入浴剤に色を付ける
ような場合は、
口に入れても安全な
食用色素(食紅)として販売されているモノを使うといいでしょう。
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「天然色素」と「合成色素」の違いは?
食用色素、つまり着色料と一口に言っても
様々な色の種類がありますが
その原材料から
- 天然色素
- 合成色素
の2つに分類することができますが、
この2つの違いはなんなのでしょうか?
入浴剤の色付けにはどちらがいいのか見ていきましょう。
天然色素(天然着色料)の特徴と種類
食用色素の内、
食品や生物からとれる色素が「天然色素」と呼ばれます。
食事をする時、
- 日本人は目で食べる
- 西洋人は鼻で食べる
- 中国人は舌で食べる
- アメリカ人は胃で食べる
と言われるくらい
日本人は食品の色へのこだわりが強く
日本の天然着色料の種類は104種類と、
世界的に類をみない多さなのが特徴。
一般的に天然色素は淡くて渋い色合いで
赤シソを使った梅干しの着色や
クチナシを使った栗きんとんの着色、
主に和菓子などの淡い色合いを出すために使われています。
どんな天然色素があるかは以下の表をご覧下さい。
天然色素 | 種類 | 原材料と抽出法 |
①アナトー色素 | アナトー カロチノイド カロチノイド色素 カロテノイド カロテノイド色素 | ベニノキ科ベニノキの種子の被覆物から 油脂又は有機溶媒で抽出するか、 加水分解して得られる「黄色~赤色」の色素。 |
---|---|---|
②ウコン色素 | クルクミン ターメリック色素 | ショウガ科ウコンの根茎をエタノール、 油脂または有機溶媒で抽出して得られる「黄色」の色素。 主成分はクルクミンで、 カレー粉の色はこの色素によるもの。 |
③カラメル色素 | カラメルI、 カラメルII カラメルIII カラメルIV | ブドウ糖・砂糖などの糖類やデンプンの 加水分解物や糖蜜などを加熱処理して得られる。 製法の違いで4種類に分かれるが、 いずれも同じような「褐色」を示す。 |
④カロチン色素 | イモカロテン ディナリエラ カロテン ニンジンカロテンなど | 主成分はカロテン。 サツマイモ、ディナリエラ藻、 ニンジン、トマトなどから抽出される 「黄色~橙色~赤褐色」の色素。 |
⑤クチナシ色素 | クチナシ青色素 クチナシ赤色素 クチナシ黄色素 | アカネ科クシナシの果実を 水やアルコールで抽出したり、 加水分解して得られるものが「クチナシ黄色素」。 クチナシの果実の抽出液に 酵素を加え得られるものが「 クチナシ青色素」や「クチナシ赤色素」。 |
⑥コチニール色素 | カルミン酸色素 カルミン酸 コチニール | スペイン南部や中南米のサボテンに寄生する ”エンジムシ”という昆虫の乾燥させたものを 水やアルコールで抽出して得られる 「橙~赤紫色」の色素 |
⑦クロロフィル | クロロフィル | クロロフィルは別名「葉緑素」と呼ばれる 植物の「緑色」を示す物質。 クロロフィル量が多く、管理しやすい アルファルファやホウレンソウ、 クロレラなどを用いて作られる。 |
⑧ベニコウジ色素 | モナスカス色素 紅麹 モナスカス | カビの一種であるベニコウジ菌の培養物を 乾燥・粉砕した後、アルコールや有機溶媒で 抽出して得られる「赤色」の色素。 抽出時に酸性アルコールを用いると 「黄色」の色素となる。 |
⑨ベニバナ色素 | ・ベニバナ赤色素 (カーサマス赤色素) ・ベニバナ黄色素 (カーサマス黄色素) (フラボノイド色素) (紅花色素) | キク科ベニバナの花から水で抽出すると、 サフロミン(カーサマスイエロー)という フラボノイド系の物質を主成分とする 「黄色」色素が得られる。 黄色素を除去した後、弱アルカリで抽出すると、 同じくフラボノイド系のカルタミンという物質を 主成分とする「赤色」色素が得られる。 |
合成色素(合成着色料)の特徴と種類
食用色素の内、
化学的に合成して作られる人工色素を「合成色素」と呼ばれます。
合成色素の大半は”タール色素”と言い。
昔はコールタールを原料としていたため
原料にちなんだ「タール」という言葉が使われています。
ですが今では、
コールタールからではなく
石油精製の副産物「ナフサ」を原料に合成色素が作られ、
現在、日本の食品への使用が認められている合成色素は12種。
さらにアルミニウムレーキにしたものを含めると
約20種の合成色素が日本で認可されています。
市販されてる入浴剤や食品に
認可されているタール色素の種類は少ないですが、
- 少量で発色がいいこと。
- 色素同士を混ぜ合わせてさまざまな色を作ることが容易なこと。
が利点で、
健康に問題ないと判断されたものは
様々な色合いの調整に使われています。
合成色素 | アルミニウムレーキ |
食用赤色2号(アマランス) | 食用赤色2号アルミニウムレーキ |
食用赤色3号(エリスロシン) | 食用赤色3号アルミニウムレーキ |
食用赤色40号(アルラレッドAC) | 食用赤色40号アルミニウムレーキ |
食用赤色102号(ニューコクシン) | なし |
食用赤色104号(フロキシン) | なし |
食用赤色105号(ローズベンガル) | なし |
食用赤色106号(アシッドレッド) | なし |
食用黄色4号(タートラジン) | 食用黄色4号アルミニウムレーキ |
食用黄色5号(サンセットイエローFCF) | 食用黄色5号アルミニウムレーキ |
食用緑色3号(ファストグリーンFCF) | 食用緑色3号アルミニウムレーキ |
食用青色1号(ブリリアントブルーFCF) | 食用青色1号アルミニウムレーキ |
食用青色2号(インジゴカルミン) | 食用青色2号アルミニウムレーキ |
また、食用合成色素とは別に
化粧品への使用が認められた「法定色素」というものがあります。
※法定色素という大きいグループの中に、食用合成色素が含まれる
法定色素は「医薬品等に使用することができるタール色素を定める省令」により
高い安全性があると確認された
有機合成色素(タール色素)のみを
化粧品や医薬品に配合可能とした法律で
2014年段階で83種類が認められていますが、
配合する製品が粘膜に使用するかによって
使えるタール色素が変わってきます。
法定色素は、以下の3グループに分類され、全部で83種類となります。
- グループⅠ:すべての医薬品、医薬部外品、化粧品に使用できるもの(11種類)
- グループⅡ:外用医薬品、外用医薬部外品、化粧品に使用できるもの(47種類)
- グループⅢ:粘膜に使用されることがない外用医薬品、外用医薬部外品、化粧品に使用できるもの(25種類)
引用:化粧品成分オンライン
市販の入浴剤の中には、
食用色素だけでなく、この法定色素を使用している製品もあります。
色素(着色料)の危険性
色素(着色料)には
大きく”天然色素”と”合成色素”の2種類があります。
日本で食用に認可されているものは
- 天然色素で104種類
- 合成色素で約20種類(Alレーキ含む)
と、欧米と比べてもその数は段違いに多い。
※米国では約20種類、EUでは約15種類
そんな着色料の中でも
合成色素は”発がん性”が危険視され
過去に禁止されたものもあります(赤色1号・4号・5号等)
また、日本で認可されていても
海外では禁止されているものもあります。
※赤色2号・3号・黄色4号等は海外では禁止
これは動物実験の結果、
人体に有害であるというのが使用禁止の理由です。
(発癌性やアレルギー誘発の恐れがゼロではない)
しかし、
この動物実験では、
対象物質を通常ではありえない量を
- 短期間に強制的に経口摂取させて得たデータ
- 皮膚に長時間塗布して得たデータ
であるため、
人体への有害性を語るのに
”有効な実験結果とは言えない”という声も出ています。
そのため日本では、
数十年間にわたり、
繰り返し行われた各種安全性試験により、
いずれも”高い安全性が保証された合成色素だけ”を食用として認可。
そのどれも、ADI(一日摂取許容量)を定め
生涯にわたり毎日許容量を摂取し続けても
影響が出ないと考えられています。
また、天然色素に関しても
その文字や言葉だけを見るなら
安全性が高いのではと考えるかもしれません。
しかし、
原材料が天然素材でも
色を抽出する過程で薬品や溶剤を使用しているほか、
発色させるには大量に必要となるので
合成色素よりも薬品や溶剤などの不純物を摂取してしまう可能性もあります。
そのため、
合成だから危険、天然だから安全と安直に考えるのではなく
定められた用法・容量を守らなければ
人体に対して有害な影響が出る可能性は十分にあると考えておきましょう。
多くの食品メーカー・化粧品メーカが
用法・容量をきちんと守っているからこそ
食用色素を使った商品が出回っても問題は起きていません。
このことが、
現在認可されている食用色素の安全性を
裏付けしているといってもいいのではないでしょうか?
食用色素のメリット・デメリット
ここからは、
いままで紹介してきた食用色素のメリット・デメリットについてご紹介していきます。
まず食用色素のメリットは
- 料理等に”彩り”を与える効果がある
メリット自体少ないように感じますが、
色があるだけで視覚に働きかけて
食欲増進や楽しさと言った効果をプラスできます。
次に食用色素のデメリットはというと、
- 食用色素は天然・合成にかかわらず、使う分だけ費用が掛かる
- 栄養摂取にはならない
- 体質によっては、認可されている食用色素が体に合わないことがある。
と言ったデメリットがありますが
基本てきには用法・容量を守って間は大きなデメリットないでしょう。
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入浴剤の色付けに適した食用色素の選び方
食用色素にもいろいろな種類がありますが、
使う量も少なく限られているので、
1回2回使った程度で
体に何かしらの影響が出るとは考えにくいです。
そのため、
入浴剤の色付けに使う着色料は
「食用色素」であるなら
粉末タイプでも液体タイプでもどんなものでもOK
ただし、
- 製造コストの面から天然色素の方が価格が高い
- 原材料が植物などである天然色素は消費期限が合成色素よりも短い
- 天然色素は「原料の香り」がついている可能性がある
- 食用色素は使う機会が限られるので余ってしまう可能性がある
の4点に注意の上、選ぶことをおすすめします。
入浴剤の色付けにおすすめの着色料
「入浴剤の色付けに適した食用色素の選び方」
で説明した通り、
入浴剤の色付けには
「食用色素であればどれを使っても大丈夫」
だと管理人は考えています。
そのうえで管理人オススメの食用色素が以下の4つ。
- 「ホームメイド」の合成色素
- 「私の台所」の天然色素
- 「彩香」の天然色素
- 「マコーミック」の合成色素
「ホームメイド」と「私の台所」を使って
合成色素と天然色素の発色の違いを
比較した記事もあるので参考にしてみて下さい。
「ホームメイド」 食用色素 5色セット(黒、赤、緑、黄、青)
こちらは
一般的な合成色素(黒色が2g、あとの4色はそれぞれ5.5g)です。
ばら売りもしているので、
お好みの色だけ購入し混ぜ合わせることで
色々な色を出すこともできるほか、
合成色素は少量でも十分に発色するので量も問題ないでしょう。
こちらの製品は、
天然素材から作られた天然色素のキット(一色当たり2g)です。
こちらもばら売りされているため
お好きな色のみを購入することもできます。
ただ、天然色素は淡い色合いのため
色を強く出したい場合は2gでは足りない可能性もあります。
↑こちらも天然素材から作られている天然色素です。
残念ながら
ばら売りされていない商品の様ですが
1色あたり10g入っているので十分に色が付けられます。
今回紹介した4つの食用色素の中で一番安いため
初めて入浴剤の色付けをする場合にオススメです。
食用色素以外で入用剤を着色する方法
ここまで手作り入浴剤に色を付ける方法として
「食用色素」をご紹介してきました。
しかし、食用色素を使うまでもなく
入浴剤に色を付ける方法もあります。
それが、
市販されている「色のついた入浴剤を混ぜる」という方法。
複数の入浴剤をストックしているという場合や
好みの色が分かっている場合などであれば
他の入浴剤を混ぜることで
簡単に色や香りをつけることができます。
簡単な方法なので
難しく考えて量を調節する必要はありませんが注意点があります。
以下の注意点を読んだうえで
問題ないと思われたのでしたら実践されてみてください。
- 入浴剤を混ぜることで、各々の入浴剤の特性を損ねたり、効果効能が低下する可能性がある
- 余分な成分が入ることで、浴槽や追い炊き機の汚れ、肌への刺激が増す可能性がある。
- 手作り入浴剤の着色に使う場合、液体入浴剤は不向き。タブレットや粉末タイプであれば、混ぜてバスボムのような形をつけることが可能。
家にあるものでも入浴剤に色を付けることは可能
色のついた市販の入浴剤を混ぜる以外に
手作り入浴剤に色を付ける方法もあります。
それは
すでに色のついている”食品から色をもらう”方法です。
野菜や果物の色素を抽出することも
できなくはないですが
それよりも
最初から液体になっている加工品や
簡単に色を取り出せるお茶などの粉末が適しています。
- 緑茶・紅茶
- 野菜・果物パウダー
- 牛乳
- かき氷シロップ
- ジュース
液体のものは量を調節しながら
そのまま入浴剤に混ぜていいですが、
お茶やパウダーなどの固形のものは
お湯で色を抽出した「抽出液」を
手作り入浴剤に使うといいでしょう。
また、
このような食品を入浴剤にしてお風呂に使用すると
お湯の中に糖分や繊維などの
食品カスが生まれ、カビや汚れの原因となるのでご注意下さい。
【追記】フレンチクレイを使う
入浴剤や食品などを使わず
手作り入浴剤に色を付けたいなら
”色付きのクレイ”を使う方法もあります。
この時使うクレイは
人工的に色付けをしているものではなく
含まれる成分で自然に色がついてる
化粧品や浴用のフレンチクレイを選びましょう。
お風呂掃除の手間が少し増えますが
手作り入浴剤に混ぜれば
お湯が自然な色味に染まりますよ。
入浴剤におすすめの着色料まとめ
ご覧いただきありがとうございました。
今回の記事のポイントは以下の通り
- 入浴剤に色付けする場合は「食用色素」を使う
- 食用色素には天然色素と合成色素の2種類がある。
- 天然色素は現在104種類あり、昔から梅干しや栗きんとん等の色付けに使われてきた。淡い色合いで、強く色を出したい場合は大量に使う必要がある
- 合成色素は少量でも強く発色するが安全性を確認され認可されているものは計20種(Alレーキ含む)しかない。
- 天然色素も合成色素も用法・容量を守って使用する場合は危険性はほぼないと考えられる。
入浴剤を手作りしたい場合や
無色の入浴剤に色を付けて楽しみたいという場合に
食用色素を使ってみてください。
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