こんにちは!管理人のクラゲです。
コタツのお供に欠かせない「みかん」。
一般的に12月に旬を迎え、
美味しさと栄養がたっぷり詰まったみかんは
料理に、デザートに、お菓子にと
色々な方法で消費されますが、
忘れてはいけないのが、
冬の寒さを乗り切る「入浴剤代わり」としての使い方。
剥いたみかんの皮だけでも、
お風呂に浮かべれば、
それだけで香り豊かなみかん風呂に早変わりします。
とは言え、
と疑問を持たれる方もいると思います。
そこでこの記事では、
みかん風呂の作り方に焦点を合わせ、
- みかん風呂の由来
- みかん風呂の作り方
- みかん風呂の効果効能や危険性
- みかん風呂の注意点
等をご紹介していきます。
この記事が参考となりましたら幸いです。
みかん風呂とは?
柚子風呂のように、みかんを湯船に浮かべたお風呂を
「みかん風呂」と言いますが、
いったいどんな意味があるのでしょうか?
ここでは、みかん風呂の意味や由来
いつ入るものなのかを調査してみました。
みかん風呂に意味はある?由来は?
みかん風呂とはその名の通り
お風呂に柑橘系の果物の1種。みかんを入れたお風呂です。
みかん風呂がいつから始まったのか
正確な由来はわかりませんでした。
しかし、
みかん風呂や柚子風呂と言った
その季節(旬)の植物を使ったお風呂を「季節湯」と呼び、
体を温めアロマ効果を感じる入浴法として
平安時代に空海が医療用の薬湯として設けたことが始まりとされています。
日本で一般的に出回っているみかんの種類は、
温州蜜柑(ウンシュウミカン)で、
日本の不知火海沿岸が原産とされているので
もしかしたら、平安時代前から
みかん風呂が行われていたかもしれません。
ちなみに、みかん風呂の意味は
「身体がよく温まり風邪を引かない」とされ、
「季節を肌で感じられる」と庶民にも広く浸透したことで、
現代にまで受け継がれてきたようです。
みかん風呂に入るのはいつごろ?
みかん風呂は、11月の季節湯になっているため、
基本的には11月~12月の間に入るのがいいでしょう。
ただ、
現代であれば、ビニール栽培などによって
季節関係なく一定数のみかんを手に入れることができるため
やりたいと思いったときにみかん風呂を行うことができます。
昔はみかんの栽培技術が発達しておらず、
基本的には、冬に収穫のピーク(旬)を迎えていたため
季節湯として11月ごろに入っていたのでしょう。
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みかん風呂には何個使う?やり方・ポイント・注意点を解説
みかん風呂は、ただみかんを湯船に浮かべるだけでもOKですが、
細かく言えば、そのやり方は様々。
ここからは、みかん風呂の作り方とそのポイントを
以下の6通りの方法で紹介していきます。
- みかんを丸ごと入れる
- みかんを切って入れる
- みかんの皮だけ入れる
- みかんを搾って入れる
- みかんの中身(果肉)だけを入れる
- みかんの香りだけ楽しむ
みかんをそのまま丸ごと入れる
下準備や掃除の手間が一番かからない方法が
「みかんを丸ごと入れる」方法です。
下処理がほとんどないため手軽で
見栄えもよいためSNSでの「映え」にもオススメできます。
みかんには後述する様々な効果が期待できる一方、
皮に含まれる香り成分「リモネン」によって
刺激性の成分ができてしまうため
肌が弱い自覚のある方には
リモネンがお湯に溶け出にくい
「丸ごとみかんを浮かべる方法」が適しています。
- みかんの汚れを落とすため、優しく水ですすぐ
- 入浴する30分以上前にお風呂に入れる
皮つきのみかんだと成分が溶け出にくいので
入浴する30分ほど前にはお風呂に浮かべるといいでしょう。
丸ごと入れる場合は、5個以上入れるのがオススメです。
ただし、成分を出したり、遊ぶために
入浴中にみかんを揉んでしまうと肌に刺激となる成分が出すぎてしまうので注意です。
また、ゴシゴシと強く洗いすぎてしまうと
皮からリモネンが出やすくなってしまうため、
その点も注意が必要です。
みかんを切って入れる
みかんの皮だけでなく果肉の成分も
余すことなく使う方法が「みかんを切って入れる」方法です。
入浴する前にみかんを切って入れるだけなので
手間もそれほどかからず、
また、果肉と皮の両方の成分がお湯に溶け出やすいので
入れる個数も少なく済みます。
- みかんの汚れを落とすため、優しく水ですすぐ
- みかんを切って、目の細かい袋に詰めてお風呂に入れる
みかんの切り方はなんでもOK。
みかんの成分がお湯に出やすいため、1~2個で十分です。
ただ、そのまま湯船に入れてしまうと
果肉や種が飛び散ってしまうので
必ず目の細かい袋(洗濯ネットやガーゼ)などに入れるようにして下さい。
みかんの皮だけ入れる
「みかんを丸ごと使うのはもったいない」と思う方には
皮だけお風呂に入れても
みかん風呂を楽しむことができます。
みかんの香り成分である「リモネン」は果肉ではなく
皮に多く含まれている成分なので
みかんの皮だけ入れても、様々な効果が期待できます。
- 料理などで使ったみかんの果皮を残しておく
- みかんの果皮を優しく水で洗う
- 果皮を洗濯ネットなどに入れ、お風呂に浮かべる
すぐにみかん風呂に使わない場合は
洗った果皮を天日干しで乾燥させておきましょう。
夏場なら1~2日程度。冬なら4~5日程度で十分乾燥すると思います。
みかんの皮だけの成分がお湯に溶け出るため3個分以上がオススメ。
ただ、香り成分であるリモネンによって刺激を感じるなら
入れる果皮の量を減らすか、乾燥させてリモネンを揮発させるといいでしょう。
みかんを絞って入れる
みかんの成分効果を最大限に期待できるのが
「みかんを搾って入れる」方法です。
搾ることで、果肉だけでなく
皮に含まれる成分も果汁として出てくるので、
みかんの効果を万遍なく得ることができます。
ただし、
搾ることで
刺激成分も一番出てくるので使う量は少なくしてください。
- みかんの汚れを落とすため、優しく水ですすぐ
- みかんを搾り器などで絞る
- 果汁を濾し、種や繊維を除く
- 搾った果汁をお風呂に入れる(搾った後の皮も入れてOK)
みかんの成分が余すところなく出てくるので1~2個と少数で十分です。
ただし、有効成分と一緒に刺激成分も出てくるので
肌の弱い乾燥肌・敏感肌の人にはオススメできません。
みかんの中身(果肉)だけを入れる
もともと肌が弱い方の場合、
みかん風呂に入るとピリピリとした刺激を感じる可能性が高いです。
そんな方には
みかんの「中身(果肉)だけ入れる」方法がオススメ。
というのも、
みかんの刺激となるのは、
皮に含まれる香り成分「リモネン」が酸化してできる刺激性の成分が
皮膚についたときであるため、
リモネンの少ない果肉を使えば
刺激を感じないみかん風呂を楽しむことができます。
- みかんの汚れを落とすため、優しく水ですすぐ
- みかんの皮を剥き、果肉を取り出す
- 果肉に切れ目を入れ、目の細かい洗濯ネットなどに入れてお風呂に入れる
皮を剥いたみかんをそのままお風呂に入れてもOK。
皮がない分、成分が出やすいので1~2個でいいでしょう。
お風呂に浮かべたみかんの果肉を揉むと
みかんの成分は出ますが果肉が拡散してしまうので
揉みすぎには注意して下さい。
また、香り成分のほとんどは皮に含まれているため、
香りが物足りないと感じる場合は、
剥いた皮をお風呂場に持ち込む(湯船に入れない)といいでしょう。
みかんの香りだけ楽しむ
肌が弱く、痛みや痒みが出てしまう方や
そのご家族がいる場合は
みかん風呂をためらってしまうかもしれません。
そんな時は、みかん風呂の雰囲気と香りを楽しむ方法として
「桶や洗面器にみかんを浮かべる」といいでしょう。
この方法であれば、みかんの刺激成分がお風呂に溶け出ることもないんで
どなたでもみかん風呂の雰囲気を楽しむことができます。
- お湯のはった桶や洗面器にみかんを浮かべる
桶や洗面器に浮かべるみかんはそのままでも切ってもOK
個数が多いほど香りが楽しめます。
香りが物足りず、入浴中の効果を上げたい場合は
みかんの香りの入浴剤と併用してもいいでしょう。
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手軽にミカン風呂を楽しみたいなら入浴剤
準備の手間や掃除の手間を考えると、
みかん風呂のような季節湯をするのに
ためらってしまう方もおられるでしょう。
そんな時は、
手っ取り早くみかん風呂の気分を味わうために
みかんの香りの入浴剤を使うという手もあります。
メーカーからみかんの香りの様々な入浴剤が出ていますので、
目的とする効果効能に合わせて購入するといいでしょう。
価格で選ぶなら
プレゼントやギフトで送るなら
炭酸系がお好みなら
効果効能を重視するなら
みかん風呂の効能や危険性
11月の季節湯であるみかん風呂。
その柚子風呂の効果効能や危険性についても見ていきましょう。
【メリット】成分と効能
みかんには「美しさ」や「愛らしさ」と言った花言葉があるように
美容にうれしい成分がたっぷり詰まっています。
そんなみかんには
主に以下の成分が含まれています。
みかんの成分 | 効果効能 |
クエン酸 | 疲労回復・筋肉痛の防止、血液の酸性化を抑制、 血流改善、ミネラル吸収促進、美肌効果、 ダイエット効果など |
オーラプテン | 香りの成分の一つ。がん抑制効果、抗炎症作用、 免疫促進効果、脂質代謝促進効果 |
テルペノイド | 香りの成分の一つ。発ガン物質を排出する効果 |
リモネン | 香り成分の一つ(70~80%)。リラックス効果、 覚醒効果、ガンの予防および抑制する効果、 ダイエット効果、育毛促進効果・抜け毛予防効果、 食欲増進効果 など |
ナリンジン | 抗酸化作用、抗アレルギー作用、食欲抑制、 脂肪分解促進効果、ダイエット効果、血流・むくみ改善効果 |
β−クリプトキサンチン | 美白作用、ダイエット作用、内臓脂肪低減作用、 抗疲労作用、抗がん作用、肥満抑止効果、 生活習慣病予防効果など |
ペクチン | 水溶性食物繊維の一種。便秘・下痢の解消効果。 血糖値やコレステロールを抑える効果 |
ノミリン | 発ガン予防効果、解毒酵素の活性化、 高コレステロールの抑制効果、中性脂肪の抑制効果など |
セルロース | 不溶性食物繊維の一つ。便通の改善 |
ビタミンA | 成長や分化、目や皮膚の粘膜の正常保持、免疫などに関わる |
ビタミンB群 | エネルギー代謝の補酵素。糖質・脂質・ アミノ酸の代謝やたんぱく質の合成など、 元気の素となるビタミン |
ビタミンC | コラーゲンをつくる、免疫力を高める、 ステロイドホルモンをつくる、鉄の吸収促進など |
ビタミンE | 抗酸化作用、動脈硬化・血栓の予防、血圧の低下、 LDL(悪玉)コレステロールの減少など |
ヘスペリジン(ビタミンP) | 毛細血管の強化作用、血流改善作用、血中中性脂肪の 低下作用、血中コレステロール値の改善作用、 抗アレルギー作用、リウマチ症状改善作用など |
みかんには、健康や美容にいい成分がたっぷりと含まれていますが、
みかん風呂として使った時は、
すべての成分の効果を得られるかはわかりません。
しかし、少くなくとも
水溶性成分の「ビタミンC」や香り成分である「リモネン」などによって、
- 乾燥肌の予防や老化予防
- リラックス効果
- 血流改善効果
- 湯冷め防止
といった効果が期待できると考えられます。
【デメリット】副作用や危険性は?アレルギー持ちでも大丈夫?
みかん自体に副作用や危険性を起こす可能性は低いですが、
柑橘系の果物に対してアレルギーをお持ちの方だと
みかん風呂にはいることで、
アレルギー反応を起こす可能性があります。
ただ、果物アレルギーと言っても、
果物のどの部位(果皮なのか果肉なのか)がアレルゲンとなるかで
アレルギーが出るかどうかが変わってくるため、
使い方によっては
みかん風呂でもアレルギー反応が起こらない場合もあります。
ですが、念のため、
柑橘系の果物にアレルギーのある方は
みかん風呂に入らない方がいいでしょう。
また、
みかんの香り成分であるリモネンが酸化することで
刺激性のある「ヒドロペロキシド」ができてしまうと
肌の弱い方がみかん風呂に入浴すると、
ピリピリ・ヒリヒリと感じ、
肌に痛みやかゆみという症状として現れることがあります。
このリモネンは皮にある
「油包」と呼ばれる袋に詰まっているので
みかん風呂で刺激を感じる場合は、
使うみかんの個数を減らすとともに、
油包を傷つけないようにする工夫が必要となります。
画像引用:MeCan(吉見農園)
丸く黒いぶつぶつとした穴が「油包」で
この中に香り成分であるリモネンが含まれています。
みかん風呂に入って肌に痛みやかゆみが出たときの対処法は
以下の記事で紹介しているので興味のある方はご覧ください。
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みかん風呂に入浴するときの注意点
ここからは、みかん風呂の入り方の注意点をご紹介していきます。
追い炊きをするときは注意
みかん風呂を楽しむ際、
どのような形でみかんをお風呂に入れるかで変わってきますが、
基本的に追い炊きはしない方がいいです。
というのも、
みかんを入れると
繊維などの食品カスが浴槽に散らばってしまうため、
追い炊き等をしてしまうと、
その食品カスが配管内部まで入ってしまい
機械の故障や劣化、汚れの原因となる可能性が出てきます。
もちろん、目の細かい袋やネットに入れて、
食品カスが出ないのでしたら追い炊きは可能ですが、
念のため、追い炊きはやめておいた方がいいでしょう。
残り湯での洗濯も注意
みかん風呂での残り湯を使った洗濯も基本的にしないほうがいいです。
食品カスが洗濯機内に入ってしまうと、
細菌やカビの繁殖を促してしまう他
洗濯ものにみかんの色や香りがついてしまいます。
洗濯機の故障や劣化は起きないでしょうが、
汚れの原因となる可能性が高いので、
みかん風呂の残り湯での洗濯はやめておいた方がいいでしょう。
もし、みかん風呂の後の残り湯で洗濯をする場合は、
風呂水吸水ポンプに目の細かいネットをかぶせ
ミカンのカスが吸い込まれないようにするといいでしょう。
人によっては皮膚に刺激やかゆみが出ることも
「副作用や危険性」の所でも紹介しましたが、
柑橘系の果物アレルギーがある方はもちろん。
肌の弱い方だと、
みかんの香り成分リモネンが酸化してできる
刺激性のある「ヒドロペロキシド」によって刺激を感じるほか、
リモネン自体に「油分を溶かす作用」があるため、
バリアー機能のある皮脂を落としすぎてしまい
肌に痛み・かゆみといった症状を起こす可能性があります。
特に、肌の弱い赤ちゃんや子供、敏感肌・乾燥肌の方だと
みかん風呂で刺激を感じることが多く、
長湯すればするほど
刺激成分が肌に付着するので刺激を感じやすくなります。
みかん風呂で刺激を感じるという場合は、
刺激の元である香り成分の「リモネン量」を減らす工夫をしましょう。
その方法は以下の通り。
- 使用するみかんの個数を減らす
- 皮を使わず、果肉だけをお風呂に入れる
- みかんを丸ごと入れる場合は、果皮に傷がつかないようにする
- みかんを熱湯で蒸したり茹でてからお風呂に入れる
- 皮だけ使う場合は、天日干ししてから使う(夏:2~3日程度。冬:5~7日程度)
などの工夫をするとよいでしょう。
リモネンは香り成分。つまり揮発性の成分なので
乾燥や蒸す・茹でることで成分量が減り、刺激を感じにくくなります。
刺激のないみかん風呂の作り方に興味のある方は
詳しくは以下の記事をご覧ください。
みかん風呂のやり方まとめ・関連記事
ご覧いただきありがとうございました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- みかん風呂は元々、平安時代に空海が医療用の薬湯として設けた「季節湯」が始まり。
- みかん風呂の季節湯は11月。
- みかん風呂の作り方には、大きく6通りある。
- みかん風呂の効果は、乾燥肌の予防や老化予防、リラックス効果、血流改善効果、湯冷め防止など
- 香り成分リモネンが参加することで、肌に刺激が出ることがある
- みかん風呂の刺激を減らすには、リモネン量をコントロールすることが不可欠
熱さの厳しい夏を乗り切れば、肌寒くなる冬。
気温差の激しい日本の気候で
風邪を引かず健康でいるために「みかん風呂」に入ってみませんか。