こんにちは!管理人のクラゲです。
「ハチミツの歴史は人類の歴史」って言葉を知っていますか?
元は「The history of honey is the history of mankind.」という
英国のことわざで、
わかっているだけでも
紀元前6000年頃にはハチミツをとる文化が生まれ
紀元前5000年ごろには養蜂家が登場したそうです。
それくらい昔から人類史に深いかかわりのあるハチミツは、
天然の美容液・抗菌材と呼ばれるくらい
保湿効果や殺菌効果が高いことで知られ
古くから食用だけでなく
薬用、化粧品、芳香剤、画材など
色々な方法でハチミツが使われてきました。
今回の記事では
そんな美容・健康効果のあるハチミツを使ったお風呂
「ハチミツ風呂」についてご紹介してきます。
- ハチミツ風呂について
- ハチミツ風呂のやり方
- 手軽にハチミツ風呂を楽しめる入浴剤や温泉施設について
- ハチミツ風呂の効果や危険性
- ハチミツ風呂をする際の注意点
この記事が少しでもお役に立てたのなら幸いです。
ハチミツ風呂とは?
ハチミツの歴史は古く。
紀元前2600年頃の古代エジプトの壁画で
ミツバチの巣箱をつくり、
蜂蜜を採取し保存する様子が描かれていることから
エジプトが世界で最古の養蜂国であるといわれています。
そんなエジプトで女王を務めあげ
世界三大美人に数えられる「クレオパトラ七世」は
ハチミツを化粧品として愛用し美貌を保ってきたそうです。
ほかにも、古代ローマの皇帝であるネロの妻や
世界三大美人の一人である小野小町も
ハチミツを美容・健康のために使っていたとのこと。
ハチミツ自体、ビタミンやミネラル、酵素が豊富で
皮膚を通して栄養を吸収できるため、
- 老化と酸化を防ぐアンチエイジング
- ビタミンCによるシワ・シミの防止
- グルコン酸による肌荒れの防止
- 皮膚の乾燥を和らげる
などの美容・健康効果がハチミツ風呂でも期待できます。
ただ、
肝心のハチミツ風呂については
調査したのですが
いつから行われてきたか詳しい歴史はわかりませんでした。
おそらく偉人たちの美容法を真似ようとしたり
医療用の薬湯の一つとして登場したのだと思います。
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スプーン何杯?ハチミツ風呂のやり方・ポイントを解説!
ここではハチミツ風呂のやり方をご紹介します。
とはいっても、
いつものお湯にハチミツを入れるだけなのですが、
と思ってしまいますよね。
そこでハチミツ風呂のちょうどいいやり方を調べてみました。
- 38~40℃のぬるめのお湯を張る(冬は40~42℃)
- 大さじ2~3杯程度のハチミツをお風呂に入れよくかき混ぜる
- 全身浴もしくは半身浴どちらでもOK
(全身浴なら10~20分、半身浴なら20~30分程度)
ハチミツ風呂に入れる量は大さじ2~3杯を目安に
お好みで増減してください。
ハチミツに含まれている栄養素は、
大体45℃くらいから成分が変化し、
65℃を超えると壊れてしまうそうです。
高温のお風呂は体の負担となる他、
肌の乾燥を招いてしまうので、
お風呂温度は高くても42℃以内にするようにして下さい。
「ハチミツを加熱すると毒になる」という言葉の意味
「ハチミツは加熱すると毒になる」ということを
聞いたことがあるかもしれません。
確かにハチミツを熱してしまうと
AGEs(終末糖化産物)という物質が発生し
蓄積すると心筋梗塞を起こしたり
老化を早めるといわれていいるのですが、
AGEとは終末糖化産物(Advanced Glycation Endproducts)のことで、強い毒性を持ち、老化促進の元凶として注目される物質です。タンパク質に過剰な「糖」がこびりつき、タンパク質が糖化され、AGEと呼ばれる劣化したタンパク質のなれの果ての物質が溜まってくることによって広範囲にさまざまな病気の発症につながっていきます。
AGEs自体はほぼすべての食品で
加熱すれば発生しますし、
ハチミツ自体、元々AGEsの少ない食品のため
よほど高温に熱しない限り、心配する必要はありません。
とは言え、
ハチミツにも
- 原産国
- 花の種類
- 蜜を集めるミツバチの種類
- 加工の有無
などいろいろな違いがあるので
ハチミツ風呂をするのに
どんなハチミツでもいいわけではありません。
少なくとも肌に付けるような場合は
天然100%のものを選ぶようにしてください。
ハチミツ風呂に適したハチミツの種類
一口にハチミツと言っても、大きく3種類に分かれます。
ハチミツの種類 | 特徴説明 |
純粋ハチミツ | 厳しい品質基準を満たした天然100%ハチミツ。 水分含有量23%以下、果糖・ぶどう糖の含有量が 合計で60g/100g以上など品質基準を設けられている。 |
加糖ハチミツ | 販売コストを抑えるために、 水あめ・果糖・ショ糖(砂糖)などを足したハチミツ加工品 水増しされているため、純粋はちみつと比較して栄養価が劣り、 ハチミツ本来の殺菌作用や栄養効果は期待できない。 |
精製ハチミツ | 本来含まれるタンパク質やビタミン・ミネラル類を 特殊な膜により除去・精製されたハチミツ加工品。 ハチミツ独特の色や香りはなく、 精製過程において栄養素を失ってしまうため、 主に調味料として使われる。 |
これ以外にも、ミツバチが集める花の蜜や花粉の違いにより
- レンゲハチミツ
- アカシアハチミツ
- 百花ハチミツ
- そばハチミツ
- そよごハチミツ
- トチハチミツ
- オレンジハチミツ
- クローバーハチミツ
- ひまわりハチミツ
- レモンハチミツ
など様々な種類のハチミツがありますが、
ハチミツ加工品の場合
美容や健康に良い栄養素がなくなってしまっているため
ハチミツ風呂に使っても効果効能に期待できません。
そのため、
ハチミツ風呂とする際は、
栄養素の詰まった天然100%の「純粋ハチミツ」を使う必要があります。
また、純粋ハチミツの中でも
- 山々に咲き誇る百の花から集めた「百花蜜」
- 一種類の花から集めた「単花蜜」
という種類があるので、お好みのハチミツを探してみてください。
ハチミツ風呂に最適!純粋ハチミツの見極め方
前述したように、ハチミツは加工方法により
- 純粋ハチミツ
- 加糖ハチミツ
- 精製ハチミツ
の3種類に分類されます。
このうち「加糖ハチミツ」と「精製ハチミツ」はハチミツ加工品であり、
ハチミツ本来の栄養素がなくなっているため
ハチミツ風呂には適しません。
といっても、知識のない素人には
ハチミツの種類を見分けるのは難しいと思います。
そこで、
ここではハチミツを見分ける目を養うために
純粋ハチミツの特徴をご紹介しますね。
純粋ハチミツは栄養素がそのまま残っているため
以下のような特徴があります。
- 純粋ハチミツは濁っていて透明度が低いため、透かして向こう側を見ることができない
- 純粋ハチミツには様々な酵素が含まれているため、キメ細かい泡が立つ。
- 純粋ハチミツは糖度が高いため、温度が下がると白っぽい結晶となる。
- 紅茶のタンニンと純粋ハチミツの鉄分が反応すると黒っぽく変色する
このような特徴があれば純粋ハチミツであるため
ハチミツ風呂に問題なくご使用いただけます。
また、純粋ハチミツは水分量が少ないため
傷みにくく、カビも生えないそうですよ
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手軽にハチミツ風呂を楽しみたいなら入浴剤
ハチミツ風呂をするのは簡単ですが
より手軽にハチミツ風呂を楽しみたいなら
ハチミツやローヤルゼリーを配合した入浴剤を使うのもオススメ
入浴剤メーカーから
様々なタイプの入浴剤が出ているので、
目的とする効果効能のものをお試しください。
>>>「お肌しっとりハチミツバスボムの作り方」
炭酸系ハチミツ入浴剤
ハチミツ泡風呂入浴剤
ハチミツバスソルト
無機塩類系ハチミツ入浴剤
ハチミツ風呂を体験できる温泉施設はある?
ハチミツ風呂自体はハチミツさえあれば簡単にできます
ただ、せっかくなら自宅のお風呂ではなく
手足を伸ばせる銭湯や温泉施設で体験してみたいのものですね。
そこで、全国の銭湯・温泉施設を調べ、
ハチミツ風呂を実施ているところを探してみました。
その結果はというと、
- 【大阪府】太平のゆ なんば店
- 【東京都】寿湯
- 【東京都】松の湯
- 【埼玉県】さいたま清河寺温泉
- 【神奈川県】箱根小涌園ユネッサン
- 【神奈川県】綱島源泉 湯けむりの庄
などのいくつかの銭湯・温泉施設で
「日替わり風呂」として
ハチミツ風呂を実施していたことがわかりました。
※時期によってハチミツ風呂を実施していない可能性があります。
こういった温泉施設の場合、
本物のハチミツを入れるのではなく
業務用のハチミツ入浴剤を使っている可能性もありますが、
仕事や家事の疲れを癒すために
お近くのお風呂屋さんに行ってみてはどうでしょうか
ハチミツ風呂の効能や危険性を解説
古くから美容や健康のために使われてきたハチミツですが、
ハチミツ風呂として使った時の
効果や副作用等についても見ていきましょう。
【メリット】成分と効能
まずはハチミツ自体の成分と効能ついて簡単に見ていきましょう。
ハチミツは主に
80%の糖質と20%以下の水分で構成され、
そのほかに花粉に含まれる様々な栄養素が詰まっています。
- 約22種類のアミノ酸
- 約27種類のミネラル
- 約80種類の酵素
※全体で約190種類もの栄養が含まれている
そのすべてを紹介することはできないので
主なハチミツの栄養素を簡単にご紹介しますね。
ハチミツの栄養・成分 | 特徴 |
タンパク質 | 人の三大栄養素のひとつ。 アミノ酸で構成され、筋肉や臓器、ホルモンの材料と なるだけでなくエネルギー源ともなる重要な栄養素。 |
炭水化物 | 人の三大栄養素のひとつ。エネルギー源になる「糖質」と、 消化吸収されずエネルギーにならない「食物繊維」とに分かれる。 |
ビタミン類 | ビタミンC、B1、B2、B₃ナイアシン、葉酸、 パントテン酸、ビオチンなどを含む。 ビタミンのほとんどは体内で合成できないため 食物として摂る必要があり、 人が健全に成長し、健康を維持するのに不可欠。 |
ミネラル | ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、 リン、鉄、亜鉛などを含む。 体内で合成できないため食物として摂る必要があり、 不足した場合は欠乏症、 摂りすぎた場合にも過剰症や中毒を起こし、 さまざまな不調が発生する。 |
糖分 | ブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)、 少量のオリゴ糖を含む。 砂糖(上白糖)が100g当たり384 Kcalであるのに対し、 ハチミツは294 Kcalと低カロリーです。 |
アミノ酸 | プロリン・グルタミン酸・アラニン ロイシン・イソロイシン等数種類を含む。 タンパク質を構成する成分で、 必須アミノ酸と非必須アミノ酸に分かれる。 |
有機酸 | グルコン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、酪酸、 シュウ酸、乳酸など十数種を含む。 蜜源となる花の種類ごとに、有機酸の種類・量は異なる。 |
酵素 | インベルターゼ、グルコースオキシターゼ、 アミラーゼ(ジアスターゼ)などを含む。 消化、抗菌、抗ウイルス、抗炎症作用などを示す。 |
このようにハチミツには様々な栄養素が含まれており
果糖やブドウ糖、ビタミンやミネラルなどの
分子量の小さい栄養素は
皮膚を通して吸収することができるほか、
ハチミツに含まれる酵素の働きで
ハチミツ風呂にはさまざまな効果が期待できます。
- 保湿効果による乾燥肌の予防・改善
- 美肌効果
- 冷え性の予防・改善
- 殺菌、抗菌作用
- 毛穴の汚れ・黒ずみ改善
- シミ・しわの改善
- むくみ解消
- 血行促進
など
【デメリット】副作用や危険性は?
ハチミツやハチミツ風呂のデメリットについてですが
ハチミツはいろいろな栄養素が詰まった
天然由来の食品であるため
化学製品と比べると、
人体に有害な作用を起こす可能性は低いといわれています。
しかし、一部のアレルギー体質の人や
1歳未満の赤ちゃんでは以下のリスクがあるので注意です。
- ハチミツに含まれる花粉やミツバチの分泌物によってアレルギー反応を起こす可能性がある
- ボツリヌス菌が含まれていることがあるため、1歳以下の赤ちゃんがハチミツ食べると「乳児ボツリヌス症」になる危険性がある
ボツリヌス菌は大人であれば問題となりませんが、
腸内環境が整っていない赤ちゃんだと
腸内でボツリヌス菌が増殖して
菌の精製する毒素によって
- 便秘が数日間続く
- 全身の筋力低下
- 脱力状態
- 哺乳力の低下
- 泣き声が小さくなる
などの症状を起こし、
稀に亡くなるケースもあるので
絶対に1歳未満の赤ちゃんの口にハチミツが入らないようにして下さい。
また、ハチミツ風呂に使用する量は大さじ2~3杯と少量ですが、
- アトピーなどで免疫に異常がある
- 肌状態が非常に悪い方
- 重度の花粉症の方
といった方だと
ハチミツ風呂でも
アレルギー症状を起こすリスクがあるので注意が必要です。
そのような方の場合、
栄養価は落ちてしまいますが
特殊な膜を通して花粉やたんぱく質を取り除いた
「精製ハチミツ」であれば
アレルギーを起こすリスクは減るかもしれません。
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ハチミツ風呂をする際の注意点
最後にハチミツ風呂の入り方や残り湯の使い方の注意点をまとめます。
基本的には柚子湯のような
食品を使ったお風呂での注意点と同じですが
免疫機能に異常が起きている方だと、
ハチミツに含まれる花粉やミツバチの分泌物で
アレルギーが出る可能性もあるので念のため注意はしてください。
残り湯での追い炊き・洗濯は注意
ハチミツ風呂として使うハチミツの量は
おおよそ大さじ2~3杯と少ないですが、
ハチミツ風呂の残り湯で追い炊きや洗濯をしてしまうと
カビや汚れの原因となる可能性があるので、自己責任でお願いします。
浴槽に残ったハチミツでカビが生える可能性も
そのままのハチミツは水分量が少なく
殺菌効果のある酵素の働きによって
カビが生えたり傷んだりしませんが、
ハチミツ風呂として使うと
お湯と混ざりあい、酵素の働きも弱くなる上に
ハチミツ自体の栄養もあって
カビや細菌が繁殖しやすい環境を作ってしまうので
ハチミツ風呂をした後は
なるべく早くお風呂掃除をするようにして下さい。
アレルギー症状が出る可能性もある
「【デメリット】副作用や危険性は?」でも紹介しましたが
ハチミツには花の花粉やミツバチの分泌物が含まれるため、
免疫機能に異常が起きている方だと
ハチミツに含まれるたんぱく質をアレルゲンとして
アレルギー症状を引き起こしてしまう危険性があります。
ハチミツ風呂に使用するハチミツ量は少ないとはいえ
無駄なリスクを減らすためにも、
アトピーなどで免疫機能に異常がある方は
ハチミツ風呂の利用にご注意ください。
もし、それでもハチミツ風呂に入りたいのであれば、
ハチミツの栄養価や効能は下がりますが、
花粉やたんぱく質、ミネラル、ビタミンを取り除いた
「精製ハチミツ」を使うといいでしょう。
ハチミツ風呂がアトピーに効果があるのか調査し
記事にまとめましたので
よければそちらもご覧になってみてください
1歳未満の赤ちゃんにハチミツ風呂は危険
こちらも「【デメリット】副作用や危険性は?」でも紹介しましたが
ハチミツにはボツリヌス菌と呼ばれる
芽胞を作り出す細菌が含まれていることがあります。
ボツリヌス菌の作り出す芽胞の耐熱性は
120℃で4分とされており、通常の加熱や調理では死にません
もしボツリヌス菌に汚染されたハチミツを
1歳未満の赤ちゃんが食べてしまうと、
乳児ボツリヌス症を発症し、
- 便秘が数日間続く
- 全身の筋力低下
- 脱力状態
- 哺乳力の低下
- 泣き声が小さくなる
などの症状が現れ、稀に亡くなってしまうケースもあるので
ハチミツ風呂であっても
1歳未満の赤ちゃんは入浴させないようにしてください。
1歳未満の乳児は腸内環境が未熟なため、はちみつにボツリヌス菌が混入していた場合、菌が腸内で増えて、「乳児ボツリヌス症」を起こすことがあります。
引用:東京都福祉保健局
ハチミツ風呂のやり方まとめ
ご覧いただきありがとうございました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- ハチミツは栄養価が高く、美容や健康にため、古くから偉人たちの美の秘訣として用いられてきた。
- 薬湯の一つもしくは歴史の偉人たちの美容法を真似る過程でハチミツ風呂が生まれたと考えられる。
- ハチミツ風呂に使用するハチミツは大さじ2~3杯程度と少量だが、ハチミツに含まれる各種栄養素は分子量が小さいため、皮膚を通して吸収され、様々な効果が期待できる。
- ハチミツ風呂をする際は、栄養素が詰まった「純粋ハチミツ」が良い。
- ハチミツを配合した入浴剤や、ハチミツ風呂を実施している銭湯・温泉施設がある。
- ハチミツ自体に花の花粉やミツバチの分泌物が含まれるため、免疫機能に異常が出ている人や重度の花粉症の方だとアレルギー症状がでる可能性がある。
- ハチミツにはボツリヌス菌が含まれている可能性があるため、1歳未満の赤ちゃんはハチミツ風呂でもリスクがある。
ハチミツ風呂は手軽にやることのできる入浴方法ですが、
ハチミツの種類(加工の有無)次第で
ハチミツ風呂としての効果効能は変わってしまいます。
乾燥肌にお悩みであったり
美容効果を期待するのであれば、
天然100%の純粋ハチミツを使いハチミツ風呂をお試しください。
また、柚子風呂やみかん風呂など
食材を使った薬湯なども紹介しているのでご覧下さい。
最後までありがとうございました
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