こんにちは!管理人のクラゲです。
日本人には欠かせないお風呂。
一般的にお湯に浸かる入浴は
肩までつかる「全身浴」と
みぞおちまでつかる「半身浴」に分けられ、
体に負担がかからずリラックスできると、
美容効果を期待して半身浴を好む人も増えてきています。
しかし、全身浴にしろ半身浴にしろ
単にお湯に浸かればいいというわけではありません。
全身浴には全身浴の、半身浴には半身浴の
適切なお風呂温度や入浴時間など、条件があるのですが、
正しい入浴方法って知っていますか?
間違った入浴方法を続けていると
身体に悪影響が起こることもあるので注意しなければいけません。
そこでこの記事では
半身浴に注目し
意外と知られていない「半身浴の正しいやり方」についてご紹介していきます。
- 半身浴をする前の準備
- 基本的な半身浴のやり方
- 半身浴で期待できる効果
- ダイエット効果やデトックス効果があるか
- 症状・効果別の半身浴のやり方
- 半身浴のNG行為
お風呂・温泉・入浴剤が大好きなクラゲ。│ 過去100種を超える入浴剤を体験。│2022年1月「温泉ソムリエ」取得│Twitter・YouTubeでもお風呂・入浴剤情報を発信中│ ブログ収益を使って「温泉巡りの旅」を発信するのを目標にブログ運営をしています 。このブログがちょっとしたライフハックになれば幸いです。
半身浴前にする準備
まずは半身浴をする前の下準備について見ていきましょう。
この準備をしなくても半身浴はできますが、
後々の入浴効果・リスクにかかわってくるので
なるべくはやったほうがいいです。
入浴前に水分補給
少なくとも、入浴前の水分補給は必ず行いましょう。
季節やお風呂温度・入浴方法にもよりますが、
15分ほどの入浴で800mlほどの汗をかき、体から水分が失われます。
※入浴後の発汗も含む
入浴によりなんと、約800mℓもの水分が失われてしまいます(41℃の風呂に15分間入浴後30分間安静時)
引用:ポカリスエット
一度に補給するのは難しく
水分を補給してもすぐに全身にいきわたらないので
- 入浴前にコップ一杯(200~300ml)
- 入浴後もコップ一杯(200~300ml)
のように、
入浴前後、複数回に分けて水分を補給してください。
入浴前の水分補給であれば、
入浴する20~30分前ほど前に飲むようにしましょう。
また、
水分補給には適した飲料と適さない飲料があります。
飲んだ水分が体に吸収されるまでの時間や
水分補給に適した飲料については以下の記事をご参考下さい。
入浴効果を高める入浴剤の用意
半身浴は全身浴に比べ、
体が温まるスピードは遅めです。
それどころか、
みぞおちから上がお湯から出ているため
浴室温度によっては
先に体が冷めてしまうことあります。
そのような場合、
体を温める効果のある入浴剤を使えば
温熱作用・血管拡張作用などの効果によって
体が冷めるより早く体を温めることができるほか、
入浴剤の色や香りによって
脳や体をリラックスすることもできるので
季節問わず、半身浴をする際は
「入浴剤」を使うことをオススメします。
お風呂蓋やサウナポンチョ・タオルを用意
半身浴はぬるめのお湯で
みぞおちから上をお湯から出して入浴するため
季節や浴室温度次第で、
身体が温まるよりも冷めるスピードが勝ってしまい
入浴による効果がなくなってしまいます。
そうならないためにも、
事前に浴室を温めておくか
お湯から出ている体を
- お風呂の蓋
- サウナポンチョ
- タオル
- アルミシート
などで包み、お風呂からの熱を逃がさないようにしましょう。
半身浴用の傘なんてものもあるので
お好みのものをご準備ください。
長湯する場合は飲料水や時間をつぶすアイテムを持ち込む
半身浴は通常でも20~30分と長めに入浴するため
それ以上入浴する際は、
- 水分補給のための飲料水(水やスポーツドリンク)
- 時間をつぶすためのアイテム(本やスマホ)
等を持ち込むのがオススメ。
>>>「お風呂時間を楽しむアイテム」
お風呂用の”ブックスタンド”や、
頭をのせる”バスクッション”があれば
快適に半身浴をすることができますよ
あと、長湯するほどに体は脱水してしまうので
飲料水は必ず持ち込むようにしてください。
半身浴の基本的なやり方!適切な入浴時間やお風呂温度は?
半身浴は鳩尾(みぞおち)までお湯に浸かって入浴することですが
目的とする効果によって、そのやり方は様々。
後述する「効果別・症状別の半身浴のやり方」の前に
「基本となる半身浴のやり方」についてご紹介しますね。
基本となる半身浴のやり方をまとめると以下のようになります。
- お湯の温度は38~40℃のぬるめ
(肌寒くなる季節は40~41℃)
- 入浴時間は20~30分
- 鳩尾(みぞおち)までつかる
- お湯から出ている肩や首を冷やさない
- 入浴効果アップのため入浴剤を使用
- 入浴中に体をマッサージをする
- 顔が汗ばんできたら湯船からあがる
- 入浴後はすぐに体を冷やさず保温する
- 入浴後、体が温かい状態でストレッチをする
半身浴は体への負担は少ないですが
全身浴よりも体を温める作用は弱いので
入浴時間を延ばしたり
入浴中にマッサージ、入浴後にストレッチを取り入れることで
体を温め、血の巡りをよくすることで
入浴効果が生まれます。
そんな半身浴のやり方について一つ一つ解説していきますね。
お湯の温度は38~40℃
基本は38~40℃の熱すぎず、
ぬるすぎずのお風呂温度が適温ですが
半身浴で入るお湯の温度は
季節や浴室温度で多少前後します。
- 春~夏は38~40℃
- 秋~冬は40℃~42℃
肌寒くなる「秋~冬」は1~2℃温度を上げ、
40~42℃の範囲にすると
体が冷えることなく十分に温まります。
ただ、40℃以上のお湯でも
半身浴は鳩尾(みぞおち)より上が
湯船から出ているため身体が冷えやすいです。
かといって、お風呂温度を上げすぎると
今度は皮膚バリアに必要となる
皮脂が落ちすぎ、肌の乾燥を招いてしまうので
お風呂温度は高くても42℃程度にし
「半身浴前にする準備」で紹介した
サウナポンチョやタオルなどで
体を冷やさないように工夫するといいでしょう。
入浴時間は20~30分
半身浴は全身浴よりも体の温まるスピードは遅いので
半身浴の入浴時間は20~30分を目安として下さい。
「半身浴でついつい長湯してしまう」
という人も多いと思いますが
半身浴と言えど
長湯をすれば体に負担となります。
>>>「長湯時に起こる14のリスク」
そのため、
一度に長く入浴するよりも
半身浴をする頻度を増やす方が効果的。
週2~3を目安に半身浴をするようにして下さい。
また、長湯する際は
身体が汗をかいて脱水してしまうので
飲料水を持ち込むようにし、
肌の乾燥を防ぐために
お風呂上りにボディークリームなどで
保湿・スキンケアをするようにしましょう
鳩尾(みぞおち)までお湯に浸かる
半身浴をする場合は
体(特に心臓)への負担をかけないように
鳩尾(みぞおち)に湯面が来るよう
お湯の量を調節するか
浴槽に浮かび上がらない椅子や台を置き
体の高さを調節してください。
首や肩を冷やさない
半身浴の場合、
肩や首が湯面から出ているので
冬場など浴室温度が下がる時期は
体を冷やさないようにする工夫が必要です。
具体的には
- 浴室空調で浴室温度を設定
- お湯を張る際、シャワーで水蒸気を充満させる
- お風呂用蓋、サウナポンチョなどで身体を保温する
と言った方法があります。
浴室に温度計を設置して
浴室温度が低い場合は上記のような対策を行って下さい。
ちなみに、
浴室温度の目安は体の代謝が増えだす
「26℃~28℃」がいいそうです。
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入浴剤で入浴効果アップ
半身浴をするときに入浴剤を使えば
色や香り、配合成分などの効果によって
入浴効果が高まり、
心身の疲れを洗い流し、リラックスした状態にしてくれます。
また、入浴剤によって温熱効果を高めれば
お風呂温度を低めに設定したり
入浴時間を短縮することも可能です。
そのため、半身浴をする際は
ご自身の好みの香りや
目的とする効果を持つ入浴剤を使うことをオススメします。
入浴剤の種類や効果については
以下の記事でまとめているので参考にしてみてください。
入浴中に体をマッサージをする
半身浴中は入浴効果を上げるために
- 疲労の溜まったところ
- 冷えのあるところ
- むくんでしまったところ
手でよく揉んでマッサージしてみましょう。
入浴中でも座りながらできる
マッサージやストレッチが
YouTubeに投稿されているので参考になりますよ。
顔が汗ばんできたら湯船から上がる(休憩する)
体を冷やさず上手に半身浴をできると
ついつい長湯してしまいますが
長湯は体に負担となるので
入浴時間は20~30分を目安に
身体が温まり、顔に汗が浮くようになったら
お風呂から上がって下さい。
もし長湯するのであれば、
湯船から上がりクールダウンを挟み
体への負担を軽減しましょう。
入浴後の保温も重要!すぐに体を冷やさない
入浴による効果を感じるには入浴後の行動も重要です。
特に、入浴後すぐ
扇風機やクーラーの冷風を浴びたり
キンキンに冷えた飲料を飲むと
身体が冷えてしまい湯冷めしてしまいます。
入浴後の体温を保持し
身体が温かいうちにストレッチを行えば
血の巡りもよくなり
冷え性やむくみのお悩みの改善にもつながる他、
体温をあげて保温することで
ヒートショックプロテイン(HSP)が作られ
体を疲れにくく元気な状態にする効果も期待できます。
なので入浴後はバスローブなどを使って
10~15分ほどは体を保温しましょう。
>>>「湯冷めしない方法」
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半身浴で期待できる効果
ここからは半身浴で期待できる効果を見ていきましょう。
入浴による7大健康効果
まずは、入浴そのものにある7つの健康効果についてです。
【入浴の7大健康効果】
- 温熱作用:体を温め、一時的に血の巡りをよくする
- 静水圧作用:水圧で体を引き締め、むくみを解消
- 浮力作用:浮力によって筋肉や関節への負荷・緊張を軽減
- 清浄作用:体についた汚れを落とす
- 蒸気・香り作用:免疫力を高め、自律神経を整える
- 粘性・抵抗性作用:水の抵抗を利用し、少ない負荷で運動療法的な効果を得る
- 開放・密室作用:日常から心と体を開放し、リラックスできる
入浴には上に記載したように、7つの健康効果があり、
上昇した体温を放熱するために「温熱性の血管拡張」が生じることで
全身の代謝改善・老廃物排出・疲労回復・痛みの改善と言った
様々な効果が期待できます。
ただし、半身浴の場合
みぞおちまでの湯量なので
静水圧作用や浮力作用は全身浴よりも弱めです。
お風呂温度で変わる入浴効果
お風呂温度も入浴効果に大きく関わっています。
特に、お湯の温度が41℃を境に
”ぬるい”か”熱い”かで
自分でコントロールすることが難しい
内臓の働きや代謝、体温などの機能を調節する
「自律神経」の働き方が変わってきます。
- 38℃~40℃:副交感神経優位
- 42℃以上:交感神経優位
画像引用:元住吉こころみクリニック
上記の表のように、
自律神経の内、
交感神経と副交感神経のどちらが優位に働くかで
体内の動き方が変わってきます。
特にお風呂の温度と関わりが強いのが、
心臓、血管、肺、胃腸、汗腺、皮膚で、
42℃以上の熱めのお風呂に入り
交感神経を優位に働かせることで
脳や体は覚醒し、活動的になるのに対し、
40℃以下のぬるめのお湯に入ると
副交感神経を優位にして
脳や体を休息モードに切り替えることができます。
通常、自律神経の働きはコントロールすることは難しいのですが、
お湯の温度を上手に使い分けることで
自律神経バランスが崩れたときでも
お風呂に浸かることで
自律神経バランスを整えることができます。
食事前後で変わる入浴効果
入浴効果は食事の前後でも変わってきます。
というのも、
食事の前と後で血液の集中する場所が違うため
入浴効果が分かってくるからです。
- 食事前:体に満遍なく血液が巡っている
- 食事後:消化・吸収のため、大量の血液が胃や腸に集まる
入浴タイミング | 入浴効果 |
食事前の入浴 | 入浴によって、体が温まると血管が拡張され、手足などの皮膚の末端まで流れる血液が増える。胃腸に回る血液量が減るため、一時的に胃腸の働きが弱まり、「食欲を抑える作用」があると考えられる。 |
食事後の入浴 | 入浴によって、体が温まり血管が拡張されると、手足などの皮膚の末端まで流れる血液が増えるため、胃や腸と言った消化器に集まる血液量が減り、「消化が遅くなる」と考えられる。 |
食事前の入浴は、食欲を抑え、
食事後の入浴は、消化が遅くなります。
一般的に食後すぐにお風呂に入ってしまうと
消化がおそくなって「消化不良になる」
といわれていますが、
ダイエットなどで食事制限をしているときの
空腹感を紛らわせることも可能だと考えます。
また、前述した
自律神経の働きも関わってくるので
お風呂温度も重要。
ただし、
食事と入浴までの間隔が短いと
色々な入浴リスクが出てくるので
食事の前後、入浴の前後に
最低でも30分は休息時間を置くことをオススメします。
食事前後の入浴効果・リスクは
以下の記事でまとめているので
興味のある方はご覧ください。
入浴剤による効果
入浴剤は大きく7つのタイプがあり
以下のような効果があります。
- 入浴による温熱作用・発汗作用の強化
- 色や香りによる五感への効果
- 軟水化や塩素除去による肌への負担軽減
- 保湿成分による入浴後の肌の乾燥を防ぐ
- タンパク分解酵素によって体をきれいにする(清浄作用の強化)
詳しい効果や効果の仕組みは
以下の記事でまとめているので省きますが、
入浴剤は「医薬部外品」
もしくは「浴用化粧類」に分類され、
良くも悪くも医薬品のような
強い影響は出ないよう調節されています。
そのため、
入浴剤を使ったからと言って
基本的には1~2回の短期間で目に見えるような効果は出ません。
(入浴作用を強化する効果は除く)
肌の状態を整えたりするには
皮膚のターンオーバーの関係もあるので
入浴剤の効果は月単位で使い続けた結果
初めて実感できる程度とお考え下さい。
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半身浴にダイエットやデトックス効果はある?
美容やダイエット目的に
半身浴を行う方も多いですが、
実際の所、そのような効果があるのでしょうか?
まぁ、結論を言ってしまえば
半身浴をしたとしても
カロリー消費は少なく
体重(脂肪)はほとんど減りませんし、
体に溜まった毒素を出すデトックス効果も薄いです。
しかし、
湯船に浸かって入浴することは
ダイエットの補助つながるので
全く効果がないかというとそうでもありません。
その理由についてご紹介していきますね。
半身浴だけではダイエット効果・デトックス効果は薄い
全身浴、半身浴に関わらずお風呂に入れば体重は落ちます。
しかし、入浴によって落ちた体重は
体温を下げるために出た「汗の量」であるため
水分補給をすれば体重はもとに戻ってしまいます。
また、
太る原因となる脂肪は
1kg燃焼するのに7200kcalほど
必要と言われているため
入浴によるカロリー消費量では
脂肪はほとんど燃焼されません。
※入浴による具体的なカロリー消費量は後述
脂肪細胞の約8割は脂質(あぶらの塊)ですが、残り2割ほどは水分や細胞を形成するさまざまな物質で構成されています。
これを踏まえて計算すると脂肪1kgを消費するのに必要なエネルギー(カロリー)は、9kcal×1000g×80%=約7200kcal 程になります。引用:TANITA
仮に1か月で脂肪1kgを消費しようとしたら
一日あたりに必要となる消費カロリーは
「7200÷30=240kcal」なので、
- 1日あたり240kcalを多く消費する
- 1日の摂取カロリーを240kcal減らす
のどちらかを1か月続けていけば、
脂肪1kgを減らすことは可能です。
しかし、
240kcalを消費するには
ウォーキングで1時間。
ランニングで30分ほどの運動が必要で
入浴でも運動した時のように汗をかきますが
それは発汗による体温調節であるため
1回の入浴で240kcalも消費するのはとても難しいのです。
また、デトックス効果についてですが、
発汗は体温調節のための機能であって
人が毒素(老廃物や有害物質)を
排泄したり無毒化する機能は
「腎臓」もしくは「肝臓」にあります。
汗にも有毒物質が含まれてはいますが、
その量は極わずか。
発汗しただけで体に溜まった毒素を出し切ることはできません。
30分・1時間・2時間で半身浴の消費カロリーはどのくらい?
半身浴でどの程度カロリーを消費できるか
具体帝に見ていきましょう。
半身浴によるカロリー消費について調べたところ、
【運動強度(METs)によるカロリー消費計算法】
METs × 体重(kg) × 時間(h) × 1.05(安静時エネルギー消費量)
=消費カロリー
※入浴によるMETsは「1.5」
参考①国立健康・栄養研究所
参考②健康長寿ネット
もしくは、
【半身浴カロリー消費計算法】
体重(kg)× 時間(分)× 補正係数 × 0.0534
補正係数 | 男性 | 女性 |
20代 | 1.0 | 0.95 |
30代 | 0.96 | 0.87 |
40代 | 0.94 | 0.85 |
のどちらかの計算式を使えば算出できるそうです。
ただ、半身浴カロリー消費計算法については
大元となる情報元(文献や記事)が見つからなかったので、
参考として計算式を載せるにとどめ、
厚生労働省などで紹介されている
運動強度(METs)を使った計算式で
入浴による消費カロリーを算出します。
体重40~100kgと想定し、
入浴時間10~60分、120分での消費カロリーは以下の通りです。
消費 カロリー | 40kg | 50kg | 60kg | 70kg | 80kg | 90kg | 100kg |
10分 | 10.7 | 13.4 | 16.1 | 18.7 | 21.4 | 24.1 | 26.8 |
20分 | 20.8 | 26.0 | 31.2 | 36.4 | 41.6 | 46.8 | 52.0 |
30分 | 31.5 | 39.4 | 47.3 | 55.1 | 63.0 | 70.9 | 78.8 |
40分 | 42.2 | 52.8 | 63.3 | 73.9 | 84.4 | 95.0 | 105.5 |
50分 | 52.3 | 65.4 | 78.4 | 91.5 | 104.6 | 117.7 | 130.7 |
60分 | 63.0 | 78.8 | 94.5 | 110.3 | 126.0 | 141.8 | 157.5 |
120分 | 126.0 | 157.5 | 189.0 | 220.5 | 252.0 | 283.5 | 315.0 |
※1.5METs×体重(kg)×時間(h)×1.05(安静時エネルギー消費量)で計算
※小数点第2位を四捨五入
METsによるカロリー消費計算は
性別や入浴温度、入浴法を考慮していないので、
実際にはズレが出るものと思われます。
上の入浴による消費カロリー表を
見てもらうとわかると思いますが、
半身浴の消費カロリーは
30分でも80kcal以下
60分(1時間)でも160kcal以下
体重の重い人であれば、
120分(2時間)でようやく
1kgの脂肪を1か月かけて消費するのに
必要となる消費カロリー(240kcal)を
賄うことができるようになります。
なので、
入浴”だけ”でダイエットをするのは
難しいといわれているのです。
半身浴はダイエットのための「痩せる体作りやモチベーション維持」に効果的
入浴によるカロリー消費は
性別や体重、入浴法によって変わりますが
1時間入浴したとしてもおおよそ160kcal以下です。
つまり、
1kgの脂肪を燃焼するために必要となる
約7200kcalの1日分、
約240kcalさえ入浴だけで賄うことは困難。
しかし、言い換えれば、
脂肪を消費するために必要となるカロリーの
幾らか補うことはできるので
入浴によるダイエット効果は0(ゼロ)というわけではありません。
しかも、前述した「半身浴で期待できる効果」で記載した通り、
入浴には様々な健康・美容効果があるため
- 半身浴のり方次第では食欲を抑えることも可能
- 色や香りによるストレス発散効果
- 発汗による汗腺トレーニング効果
- 基礎体温の上昇による代謝の向上
などなど
ダイエットのモチベーション維持や
痩せるための身体作りもできるので
半身浴は「間接的なダイエット効果がある」といえます
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【症状・目的別】半身浴のやり方
基本的な半身浴のやり方は上でご紹介しましたが、
一口に半身浴と言っても
症状別・効果別でやり方が少し変わってきます。
ここではそんないろいろなやり方の半身浴をご紹介しますね。
疲労回復入浴法
体に負担の少ない半身浴は疲労回復手段としても効果的。
やり方は基本的な半身浴と変わりません。
ぬるめのお湯でじっくり入浴しながら
疲れの溜まったところを優しくマッサージして
体をいたわってあげて下さい。
- 38~40℃のぬるめのお湯を浴槽に張る
- 20~30分を目安に鳩尾(みぞおち)まで浸かり、顔にじんわり汗をかくとOK
- 入浴中に疲労がたまっている部分を手でマッサージする
- 入浴後はすぐに体を冷やさない(水分補給は常温の水など)
半身浴以外にも「温冷交代浴」と呼ばれる
温と冷の刺激を交互に繰り返す入浴法も疲労回復に効果的です。
詳しくは以下の記事でまとめているので
興味があればご覧下さい。
夏バテ予防・解消入浴法
夏バテの予防や解消にも半身浴は効果的です。
ただ、夏バテの予防と解消では少しやり方が異なり、
- 夏バテを予防する場合は、暑さに慣れるために熱めのお湯で汗をかく
- 夏バテを解消する場合は、体に溜まった疲れをとるため、血流を改善し自律神経バランスを整える
というやり方をする必要があります。
そんな夏バテ予防・解消入浴法は以下の通り。
- 38~40℃のぬるめのお湯で20~30分
- 41~42℃の熱めのお湯で15~20分
のどちらかで半身浴を行う。
冬~春にかけて衰えてしまった
汗腺機能を取り戻すことが夏バテ予防につながるので
汗をかけるくらいの温度・時間で半身浴を行って下さい。
また、夏バテを”予防”するなら
免疫力を高めて体を元気にするHSP入浴法もオススメです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
- 38~40℃のぬるめのお湯で15~20分の『半身浴』
通常の半身浴より入浴時間は短めにする
すでに夏バテになっているなら体力も消耗しているばず。
そんな時に20~30分も半身浴をすれば
逆に疲労がたまってしまうため
通常の半身浴より入浴時間を短くするがオススメ。
手足のむくみ解消入浴法
手足のむくみは、
体の冷えによって血管が収縮し
血行が悪くなることで起こります。
そんな体のむくみには入浴の
静水圧作用や発汗作用が効果的。
体に溜まった余分な水分を血管に戻し
排泄することができます。
そんなむくみに効果的な半身浴のやり方は以下の通り。
- 38~40℃のぬるめのお湯で15~20分を目安に入浴
(湯量はみぞおちを超えない程度) - 体が温まってきたら、入浴中にリンパマッサージを行う
- 入浴後、水分補給を行い、体が温かい状態でストレッチをおこなう
体のむくみに対して、半身浴だけでは効果が薄いです。
体に溜まった水分を血管に押し戻すことで
汗や尿としていらない水分を排泄できるようになるので
- 半身浴中のリンパマッサージ
- 入浴後のストレッチ
を併せておこなってください。
リンパマッサージやストレッチについては以下の記事で紹介しています。
https://suguruafi.com/swelling-and-bathing/
冷え性・低体温改善入浴法
体の冷えに対しても入浴は効果的です。
体の芯から温めることができれば
温熱性の血管拡張作用によって
血行が改善し、全身に温かい血液を送ることができるので
冷えを改善する効果が期待できます。
基本的にはむくみ解消入浴法と同じですが
入浴中に体を冷やさずどれだけ温められるかや
入浴後の行動(どれだけ体を冷やさないか)が重要となるので
バスローブなどで身体を保温するようにしてください。
- 38~40℃の心地いい温度のお湯で半身浴をする
(冬場は40~41℃) - 半身浴中、体を冷やさないようにサウナポンチョなどを使う
- 15~20分ほどたち、体が温まった段階でお風呂から上がる
(入浴時間は適宜調整) - 入浴後、すぐバスローブなどで保温し、水分補給は常温~ホットのもので行う
体の冷えを解消するなら
半身浴よりも体を温める効果の高い「全身浴」の方が適していますが
>>>「正しい全身浴のやり方」
サウナポンチョやお風呂用蓋などで
身体が冷えないように気を付けるのであれば
半身浴でも大丈夫です。
また、
”冷え性”と”低体温”は似ているようで
厳密には違うため、入浴方法も異なります。
低体温の改善には体の代謝をあげ、
基礎体温を上げる必要があるため
半身浴よりも「HSP入浴法」が適しています。
HSP入浴はこちらをご覧下さい
⇒「HSP入浴法」
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半身浴での注意点やNG行為
半身浴をする上での注意点やNG行為についても見ていきましょう。
ここで記紹介していることは
ごく一般的なことですが、
気を付けていないと肌の乾燥を招いた入り
脱水症状を起こしたりと、
入浴リスクにかかわってくるのでご注意ください。
入浴前後の水分補給は必須!内臓を温める白湯がオススメ
入浴前後の水分補給は必ず行って下さい。
前述した「半身浴前にする準備」に書いたとおり、
41℃15分の短めの入浴でも
約800mlもの汗をかくため
入浴によって失われる水分を補給する必要があります。
一般的に体内の水分が失われると
以下のように段階的に症状が現れるそうです。
- 2%失うと、のどの渇きを感じ、運動能力が低下
- 3%失うと、強いのどの渇き、ぼんやり、食欲不振などの症状がおこる
- 4~5%失うと、疲労感や頭痛、めまいなどの脱水症状があらわれる
- 10%以上失うと、命に係わる
人の体の水分量は「体重の60%」と言われ、
体重70kgの成人男性であれば、
体内の水分量は約42ℓ。
つまり、水分の喪失分は
- 2%の喪失というと「約840ml」
- 3%の喪失というと「約1.3ℓ」
- 4~5%の喪失というと「約1.7~2.1ℓ」
- 10%以上の喪失というと「4.2ℓ~」
となり、
41℃15分の短めの入浴であっても
約800mlの水分を失うことから
体全体の水分の内、
2~3%ほどは一回の入浴で失われる可能性が高いです。
しかも、
半身浴は入浴時間が長くなりがちなので
人によっては2キロ前後の水分を
失うことも考えられるので
入浴前後や入浴中にしっかり水分補給をするようにして下さい。
事前に内蔵を温めておくと
入浴効果が出るのが早くなるので
入浴前の水分補給には温かい「白湯(さゆ)」がオススメ
秋~冬だと入浴中でも身体が冷えやすい
春~夏にかけて気温の高い時期なら
半身浴で肩や首をだしていても特に問題は出ないでしょうが、
気温が下がり肌寒くなる「秋~冬」は
半身浴中でも体が冷えやすくなるため注意が必要です。
「半身浴前にする準備」で前述した通り
肩~首を冷やしてしまうと、入浴効果が薄くなってしまうため
- サウナポンチョ
- お風呂蓋
- アルミシート
などで対策をとり
湯船から出ている体を冷やさないようにしましょう。
長湯はのぼせや肌の乾燥を招くので注意
基本となる半身浴でも20~30分と入浴時間が長めです。
これ以上入浴した場合、
- 体温が上昇と冷却スピードのバランスが崩れて体温の異常上昇
- 角質層の膨潤や皮脂の流失が起こり皮膚バリア機能が低下
が起こって
のぼせ・熱中症・肌の乾燥・肌荒れ(ニキビ)
などのリスクが出てくるので
>>>「長湯で起こる14のリスク」
30分を超える長湯を避けるか
長湯するにしても、飲料水を持ち込み、
入浴後の肌の保湿をいつも以上にしっかりと行ってください。
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食事直後の入浴も注意
食事直後は、全身にめぐっている血液を
胃や腸に集め、食べた物を消化しようとしています。
そんな血液の流れが変わっているときに
休憩もとらず入浴してしまうと
以下のようなリスクが出てくるので注意が必要です。
- 脱衣所と浴室の温度差:ヒートショック
- 高温のお風呂での入浴:熱中症・皮膚の乾燥
- 長湯:脱水症状、血液凝固亢進による血栓、脳梗塞や心筋梗塞
- 胃や腸に血液が集まることで起こる:食後低血圧
上3つは、食事前でも起こりえる入浴リスクですが、
4つ目の「食後低血圧」は
食後に血液の巡り・分布が変わることで
脳へ必要となる血液や酸素が十分にいきわたらなくなると
めまいやふらつき、強い立ち眩みが起き、
最悪意識を失ってしまいます。
入浴中に食後低血圧が起きてしまうと、
溺れてしまう可能性が高くなるので特に注意が必要です。
健康な人では稀な症状ですが、
持病をお持ちの方だと、
このようなリスクが高くなるので、
最低でも1時間は休息をとってから入浴することをオススメします。
飲酒後の入浴は危険
入浴によって失われる水分を補給することは必須ですが、
- 身体を冷やしてしまうもの
- 利尿作用の強いもの
- 水分補給できないもの
など、水分補給に適さない飲料もあります。
具体的には
- アルコール飲料
- お茶
- コーヒー
- 牛乳
- ジュース
が水分補給に向いていません。
特にアルコール飲料は、
体を冷やしたり、利尿作用が強く
判断力の低下もおこしてしまうので
水分補給には不適です。
入浴の水分補給に適したものは
以下の記事でまとめているので興味のある方はご覧ください。
体をゴシゴシ洗わない
体には一日の汚れがついてしまいますが、
お風呂に浸かることで大部分の汚れは浮き、落ちていくので
必要以上に体をゴシゴシと洗う必要はありません。
逆にゴシゴシと体を洗ってしまうと、
肌に傷がついたり、
ボディーソープの洗浄作用によって皮脂が落ちるほか、
湯船に浸かることでも皮脂が落ちていくので
長湯をしていなくても
肌の乾燥を招く結果になってしまいます。
体についた汚れは
頭を洗う時のシャワーや
半身浴として湯船に浸かることで
ある程度落ちるため、体をゴシゴシと洗う必要がありません。
入浴後はすぐに体を保湿保温する
入浴後の保湿保温は入浴効果に深く関わってきます。
どれだけ体を温めても
どれだけ肌に優しく入浴しても
入浴時間やお風呂温度に関わらず、
入浴することで一定の皮脂は落ちてしまう他、
入浴後の行動次第では
せっかくの入浴効果が無駄になってしまいます。
例えば、
肌が入浴によって乾燥してしまうと、
かゆみや肌の突っ張りなどの症状が現れるようになりますが、
そこから肌を保湿しても
皮膚のターンオーバー(古い角質が取れ、新しい皮膚ができる)には
約1か月かかります。
かゆみなどの症状を出さないためにも
季節を問わず
肌が乾燥する前から保湿をして保護するようにしてください。
半身浴のやり方や効果まとめ・関連記事
ご覧いただきありがとうございました。
この記事のポイントは以下の通りです。
- 基本となる半身浴は38~40℃のぬるめのお湯に20~30分入浴
- 症状や効果別に半身浴のやり方はいろいろ。
- 半身浴は鳩尾に湯面が来るため、全身浴よりも体への負担は低い
- 半身浴は直接的なカロリー消費によるダイエット効果は薄いが、ダイエットのモチベーション維持や痩せるための体づくりはできる
- 半身浴はついつい長湯してしまうが、長湯してしまうと肌の乾燥やのぼせを招いてしまうので注意
- 入浴前後の水分補給には適さない飲料もある
半身浴は、じっくりとお風呂に浸かれる時間のある方にオススメの入浴方法です。
お仕事などで入浴時間を確保できないなら
10~15分で身体の温まる全身浴をオススメします。
あなたの生活スタイルに合った入浴方法で
日々の疲れを洗い流し、
健康や美容を保つために半身浴をしてみてはいかがですか?